2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。健康習慣部門(後期)の第4位は――。
▼第1位 靴底を見れば一発で分かる…「ヨボヨボ老人になる人」と「死ぬまでピンピンしている人」の決定的な違い
▼第2位 必要なのはウォーキングでも筋トレでもない…1日10秒でヨボヨボ老化を防ぐ「かかとトントン体操」をご存じか
▼第3位 和田秀樹「ウォーキングよりもずっと効果的」…シュッとした中高年は知っている「ヨボヨボ老後」を防ぐ方法
▼第4位 ジムにお金をかけなくてもメキメキ結果が出る…最新研究でわかった「科学的に正しい"神コスパ"筋トレ」とは
▼第5位 日本人の6人に1人が運動不足で死んでいる…東大名誉教授が教える「週にたった2回」で寿命が伸びる行動
※本稿は、後藤一成『最新のスポーツ科学で強くなる!』(ちくまプリマー新書)の一部を再編集したものです。
「パワー」と「スタミナ」を付けるにはどうすればいいか
スポーツで優れたパフォーマンスを発揮する上で、発揮できるパワーの最大値を高めることは重要です。パワーという言葉は日常会話でもよく使いますが、スポーツ科学の分野では「パワー=筋力×速度(スピード)」を意味します。このことから、パワーを高めるためには「筋力」と「スピード」の双方を鍛えることが必要です。
一方、どれだけ発揮パワーに優れていても、試合が始まって早々に疲労してしまうと困ります。したがって、パワーに加えて、パワーを持続する能力(筋肉のスタミナ)を鍛えることも大切です。この筋肉のスタミナは、専門的には「筋持久力」と呼ばれます。
「筋肉のパワー」や「筋肉のスタミナ(筋持久力)」の向上には、いずれの方法が有効でしょうか?
この点は過去に研究が実施されています。この研究では、若年男性を最大筋力型の筋力トレーニングを行うグループと筋肥大型の筋力トレーニングを行うグループに分類し、各グループともに週2回・8週間にわたり筋力トレーニングを継続してもらいました。
8週間に及ぶトレーニング期間の前後で、大腿部の筋肉のパワーを専用の筋力測定機を用いて評価すると、最大筋力型のグループは筋肥大型のグループに比較して約1.5倍増加率の高いことがわかりました。これに対して、筋肉のスタミナ(筋持久力)は、筋肥大型のグループが最大筋力型のグループに比較して約1.5倍効果の大きいことがわかりました(図表1)。
この研究結果は、筋肉のパワーを高めるには最大筋力型の筋力トレーニングが、筋肉のスタミナを高めるには筋肥大型の筋力トレーニングが効果的であることを示しています。