7月にこども家庭庁が実施した「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」では、15~39歳までの男女の半数以上が「情報源」としてYouTube、X(旧ツイッター)、インスタグラムを利用していることがわかっている。独身研究家の荒川和久さんは「面白いのは、利用するSNSによって未婚率に差があることだ。Xとインスタグラムを利用する20~30代未婚者を調査したところ、男女で面白い特徴が見つかった」という――。
クリスマスの間にスマホを見てソファに横たわっている男
写真=iStock.com/BartekSzewczyk
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もはやテレビ以上の影響力をもっている

われわれが毎日のように見るSNS。その影響力は無視できないものになっています。

選挙などにおいても、SNSを上手に活用したかどうかが当落に大きく関係するという傾向も見られ、報道の世界においても、たとえば災害や火災、事件の動画などが先に現場からSNS上でアップされ、それをテレビメディアが後追いで二次利用する場面も多く見られます。マーケティングの世界においても、これらSNSでの拡散は、広告効果に匹敵、あるいは、物によっては凌駕する力も発揮します。

同時に、負の側面もあります。事実であるかどうかは関係なく、フェイクニュースが瞬く間に拡散されたり、ニュースで連日のように取り上げられたりする闇バイト事件なども、元はといえばSNS上での接点から始まっているものもあります。

いずれにせよ、情報社会の現代において、情報のインプットとアウトプット両面において、もはやSNSはなくてはならない存在になっていることは確かです。

独身が一番多く利用しているSNSは?

2024年7月にこども家庭庁が実施した「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」では、15~39歳までの未既婚男女の「情報源」について聞いているものがあります。全体としては、テレビが63.7%ともっとも高いのですが、YouTubeが57.4%、SNSでもX(旧ツイッター)が、56.5%、インスタグラムが55.3%とテレビ並みの高さとなっており、一方で、新聞、ラジオ、雑誌などのオールドメディアと言われるものが10%前後にまで落ち込んでいます。

今回、注目したいのは、利用するSNSによって未婚率に差があることです。

前述した調査を基に、25~34歳の結婚適齢期年齢における各SNSの情報源としての未既婚別利用率を、2022年就業構造基本調査の当該年齢有業者の未既婚別人口と掛け合わせて、独自に利用SNS別の未婚率を計算してみました。

それによると、未婚率はそれぞれ男性でX:66.8%、インスタグラム:56.1%、フェイスブック:52.8%。女性では、X:62.1%、インスタグラム:53.5%、フェイスブック:42.%でした。つまり、男女とも未婚率が高いのはX利用者ということになります。全体平均未婚率との差分では、男性が+5ポイント、女性も+6ポイントもX利用者が高くなります。

未婚率が高いということは、恋愛率も同期しているのでしょうか。こども家庭庁の調査公開データだけではクロス集計ができないので、別途、以前私のラボにて実施した調査結果をご紹介します。