テーマ:山登りは楽しい(12294)
カテゴリ:私の歩いた山と道
石ブテ西谷も前回の狼谷と同じで去年から気になっていた谷である。石ブテ西谷は青崩道の東側に沿う谷道である。石ブテはおそらく石筆と同じであろう。ガンドガコバやアオゲなど、濁音便がゴツンとくる地名がこの辺り少なくない。修験で塗り替えられることのなかった地名には、古の杣人たちの生活感の名残をどこか感じとれる思いがする。
水越のトイレを巻いて林道に入る。少し先に丸滝谷の入り口にあたる石筆橋がある。二つの入り口は石ブテ谷を挟みあって対峙する林道となり、数百メートル先で幅84mの大堰堤を東西から支えあっている。各々の林道はゆるりと登りつつ大堰堤を越すと、五指を拡げたように伸びる金剛北面の複雑な支脈のひとつの陰に這いこんでいく。 紅白の空木、山吹草、立浪草、花の賑う舗装路脇を見ながら石ブテ林道を進み、石ブテ尾根道の入り口を左へ見送る。手には森のRIKA+Oさんの旧ブログを印刷した資料。(おかげ様で無事に取り付きに成功。m(_ _)m) 聞きしに勝る原生の趣豊かな沢道がすぐに始まった。初夏を前に沢を取り巻く草木は密に茂り、沢辺は緑のトンネルになっていた。 ほどなく道は高い滝に出合って行き止まりになった。横手に登攀のラインが見える。岩の狭い足場と、掛けられた細いロープと、頼りにならない根の三つの支持に、都度当ての配分を振り分け最大限の安全を確保しながら、金剛山の沢にしては大型の滝を三つ四つクリアした。三点支持を意識せずとも自然一挙手一投足に逐一の手応えを入念に確かめつつの登攀である。高い滝が多いので、高さで危険度を量るなら、ここ石ブテ西谷は丸滝や妙見の倍以上の危険はあろうか。しかし必要最小限のロープと手掛かりはある。踏み跡も確かで通う愛好者のいることが察せられる。 清流岩走るダイナミックな沢道、金剛山らしからぬ景観が連続する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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