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さて、「かみぽこ政治学」です。
民主党が総選挙で 300議席以上を獲得するという 地滑り的大勝利を収めた。 ちょっと、驚いたね。。。 総選挙前日に、 新聞社で働いてる後輩に 「今回、新聞は強気な予想を 最後まで崩さんかったなあ」 と聞いたら、 「あれは、抑え気味です。 ほんとはもっと すごいことになってます。。。」 と言っていたので(苦笑) どうなることかと思ったけど、 まあ、すごいことではなく、 新聞の予想がほぼ的中していたと いう感じだったね。 まあ、特に麻生首相が誕生した頃から 大手マスコミへの誹謗中傷が ヒートアップしているけれども、 大手マスコミってのは だいたいいい線を 書いているんですよ(苦笑)。 情報操作、印象操作ってのは むしろ大手マスコミを批判する方が 一方的に行っているように 私には見えますけどね(苦笑)。 それはさておき、遂に民主党への 「政権交代」 が実現するわけだ。 政府・与党首脳は 「政権交代はトレンド」 「政治はばくちじゃない」 などと発言してきたけど(苦笑)、 まるで国民が熱病にでも 取りつかれたかのような 言い方をしてきたわけだね。 しかし、今回の総選挙では、 別に民主党に対する 熱狂的な「風」が 吹いたわけではない。 私はむしろ、いつもこのブログで言ってきた 約20年前の「政治改革」以来目指されてきた、 「政権交代のある民主主義の実現」 という大きな潮流の中で 国民が淡々と静かに 「風なき地滑り的勝利」 を起こしたという感じだね。 そこで今回は、 「政権交代」の原点である、 約20年前の「政治改革」で 何が目指され、 何が現在実現してきたのかを 考えることを通して、 今回の「政権交代」の意義を 明らかにしてみたいと思う。 1989年、消費税導入やリクルート事件によって 自民党への批判が高まり、その対応として、 自民党は政治改革推進本部を設置し 「政治改革大綱」 を発表した。 これを読み返すと、 20年前の文章とは思えないほど、 すーっと頭に入ってくるのに 驚かされる。 そこで的確に指摘された 「自民党政治の問題点」と、 それに対する処方箋は 今でもそのまま 通じるものだからだ。 「政治改革大綱」では、 自民党政治の問題点を 1.政治家個々人の倫理性の欠如、 2.多額の政治資金とその不透明さ、 3.不合理な議員定数および選挙制度、 4.わかりにくく非能率的な国会審議、 5.派閥偏重など硬直した党運営、 の5つにまとめ、 その解決策を提示した。 ここで重要なのは、自民党政治の問題の多くが 「中選挙区制度」 の弊害に起因していると 主張していたことであった。 具体的には、中選挙区制によって、 自民党が1つの選挙区に 複数の候補者を擁立するため、 政党本位でなく 個人中心の選挙となること。 それが政策よりも 利益誘導を重視する政治を生み、 それが高じて 政治腐敗の素地を招いたと 指摘したことだ。 また、中選挙区制下で 与野党の勢力が永年固定化し、 政権交代が極めて起こりにくくなり、 政治の緊張感が失われ、 党内では派閥の公然化と 派閥資金の肥大化、 議会では政策論議の不在と 運営の硬直化を招いたと、 厳しく批判していた。 そして、「政治改革大綱」は、 その解決策として 小選挙区制の導入を基本とした 選挙制度の抜本改革を中心とした 「政治改革」 を断行し、国民本位、政策本位の政党政治を 実現する必要があると訴えていたわけだ。 そして、「政治改革大綱」は 「政治改革」を断行する 自民党の強い決意を 以下のように示している。 「選挙区制の抜本改革は、 現行制度のなかで 永年過半数を制してきた わが党にとって、 痛みをともなうものである。 しかしわれわれは、 国民本位、政策本位の 政党政治を実現するため、 小選挙区制の導入を基本とした 選挙制度の抜本改革にとりくむ。 そのさい、少数世論も反映されるよう 比例代表制を加味することも 検討する」 麻生首相に読ませてあげたいもんだ。。。(苦笑) そして、「政治改革大綱」は、 「政治改革」がめざす 日本政治のあり方についても 言及していた。 「政治改革大綱」が目指した 小選挙区制の導入による「政治改革」とは、 1.多数決原理の導入と政策本位の議会、 2.政権交代のある民主主義、 3.派閥解消、脱・族議員、 4.当選回数主義の改善と能力主義の導入、 5.候補者決定の新しいルールの導入、 の5つにまとめられる。 具体的に「政治改革大綱」の文章を 見てみたい。まず 「多数決原理の導入と政策本位の議会」 「政権交代のある民主主義」 については、以下の通りである。 「与野党話し合いによる国会運営は、 政党政治には欠かせないものである」 と、まず現在の国会運営を評価した上で 「行き過ぎた事前調整は審議を形式化させ、 言論の府としての機能を自らそこねることになる」 と、それを批判し、多数決原理の尊重により 「たとえ少数党であっても、 審議の場において 言論によって競いあい、 その評価を国民に問い、 選挙による審判を得て、 多数党・政権党となる可能性を保障している」 と述べている。 次に、「派閥解消、脱・族議員」については 「派閥解消を決意し、分野を特定して活動する いわゆる族議員への批判にこたえ、 さらに、党運営においては、 人事・財政・組織の近代化をはかり、 世界をリードする政策を 立案・実行できる政党への脱皮をはかる」 「今日、特定の業種・業界にたいする 影響力の行使により、 議員活動が部分利益に偏しているとの、 いわゆる族議員への批判がある」 「縦割り型の行政機構の弊を助長するのではなく、 むしろ行政を横断する横割り型を重視し、 政策の総合調整機能の強化充実をはかる」 と、言及されている。 そして、「当選回数主義の改善」として、 「われわれはこれまで、 派閥の均衡や当選回数を重視するあまり、 人材の登用に柔軟性を 欠いてきたことを率直に反省し、 従来の派閥や当選回数重視の人事から 能力主義、抜擢主義を加味した人事に改める」 そして「候補者決定のあたらしいルール」について 「党の活性化をはかり、真の近代政党へ脱皮するためには、 婦人をふくめ、はばひろく有能な人材に 政治への道をひらき、 新人の発掘、登用を可能とする あたらしいルールづくりが必要である」 「とくに選挙区制の抜本改革にあたっては、 党公認候補者の決定における よりきびしい基準の確立と、 非公認当選者への毅然たる対応措置を検討する」 と、書かれていた。 なかなかいいこと、 書いてますよね。。。(笑) そして、1994年にこの内容を反映させた 「政治改革関連法案」 が成立して 「小選挙区比例代表並立制」が導入された。 それでは、後編へ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年08月31日 12時10分15秒
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