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タイトルのようなエントリーを書こうと思って、面白い記事にであう。
■デスマーチが起きる理由 - 3つの指標 非常に長いのだが、googleで銀の弾丸で調べるとトップに出てくる文章だけあって、中身は非常に濃い。 簡単に引用すると、 開発者が努力して、作業を効率化したとします。すると、その開発者は普通より早く仕事が終わりますから、少し手が空いた状態になるんです。ところで、『分業が進んでいる職場では、プログラマがプログラミング以外の仕事をすることは許されない』ため、他の人の仕事を待つ必要が出てきてしまいます。憶測でコードを書くことも出来ますが……『仕様が決まっていないのにコードを書いても、どうせ作り直し』になります。やるだけ無駄です。さて、暇そうにしている開発者の元に、次の仕事が回ってきます。開発者はその仕事も片付けます。ここで、『より多くの仕事が回ってくるようになっても、それに比例するほどには評価は上がらない』点が問題です」 が問題で、要は、 「効率化している人ほど鬼のように仕事が降って来る」 ↓ 「効率的な人から辞めていく」 という事なのだが、これはわたしが経験したことでもある。 これにはもうひとつ追加したいことがあって、これが本旨であるが、 「効率化は、基本的に発明であり、発明というのは本質的にクレイジーであるから、普通の人には理解できない」 ということだ。 これから非常に長い文章を掛けて丹念に説明していくのだが、この部分が本質だ。 そして結論は、どんなにばかげたことに見えても、それを真似ろ、ということになる。 ■ゲームブック解析の近況 分家のブログで、ゲームブックの解析をしていて、圧倒的な効率化が進む。 どれぐらいの効率化かというと、これまで1冊3時間ぐらいかかっていたのが30分で終わるようになったというレベル。 普通にゲームブックを研究する方法に比べれば、わたしはいきなりグラフ解析ツールを作るところからはじめているので、普通の人に比べておそらく20倍とかいうぐらいは間違えないと思えるほどの効率化である。 わたしが行っているのは非常に簡単で、選択肢をエクセルに打ち込んで、グラフ解析ツールにぶち込んでいるだけ。これでも慣れないうちは3時間ぐらいかかっていたが、徐々に作業フローが改善され、短時間で処理できるようになってきた。 改善される内容は非常にシンプルなもので、キーボードを代えたり、エクセルデータの作り方を代えたり、データベースの更新の仕方を代えたりと、誰にでも思いつくこと。 銀の弾丸の話は、 「銀の弾丸は存在しない、だから鉛の弾丸をたくさん撃ちなさい」 という話なのだが、効率化というのは、指の動かし方ひとつで劇的に変わったり、作業を小分けにして行うことにより別のことを考えながらできるようになったりと、本当に地道なことの積み上げで構成されている。 ただ違うのは、その構成の仕方が、その問題独自の構成方法である、という部分だ。 わたしが行っている効率化は、「ゲームブックの解析にのみ有効」なのであって、もしわたしがこれを小説の解析に適用しようとしても、まず間違えなく何の役にも立たない。 これは本質的に、小説とゲームブックがまったく違う構成であるから。 もっとわかりやすくいうと、野球の知識はまったくサッカーに役に立たない。 さらにいえば、キーパーの知識は、ディフェンダーにはあんまり役に立たない。 本質的には、クラブチームでのチームプレイは日本代表のチームプレイには、あんまり役に立たないし、昨日の試合と来週の試合では、これまたまったく状況が違う。 何が大切かというと、 「常に状況にあわせ、作業方法を変える方法を身につけること」 つまり効率化=発明の仕方を蓄積すること、という事になる。 まあ、ぶっちゃけトヨタのカイゼンの思想である。 ■一度たりとも同じフォームから投球されることはない 野球を見ていると、ピッチャーが調子のよいときの自分のビデオを見ながら、調子を戻そうとしている光景に出くわす。 これはスポーツをやっていた人には当たり前のことで、フォームというのは常に修正し続けないと同じフォームを保つことはできない。なので素振りはするし、ビデオを見るし、練習中は常にフォームを意識しながら、運動する。 同一人物内でもこのような状況なので、野球のピッチングフォームに誰にでもお手本にできるパーフェクトなフォームはない。 このたとえならわかりやすいと思うのだけど、その人間に適切なフォームがあるだけで、自分の身体や調子に合わせて、適切に対応していくことが大切になる。 プロは、そのぶれを徹底的に小さくしている。 そして、新しい状況に出くわすたびに(怪我とか)、迅速に再構築をはじめ、あっという間に効率的なフォームに戻す方法を熟知しているのである。 ■体育会系が一般的に優秀な理由 わたしが昔バドミントンのとても強いチームにいたとき、とにかくたくさんの人から、ああしなさい、こうしなさいと指導を受けた。 毎日の練習中、試合が終われば、顧問先生のところへ行き、その講評を聞いた。 怒鳴られるときもあったし、ほめられるときもある。 そして、困ったことに、時折その内容が食い違う。 一人の先生でもそうであるから、先生が変わると、まったく正反対のことを言われたりすることもある。それは矛盾しているのではないか、と思う人もあるのだろうが、さていったい、どのように吸収するのが正しい姿勢なのだろうか。 答えは全部受け入れること。 一見矛盾しているように見えても、 ・単純に自分の理解不足 ・先生が伝え切れていない ・そういう側面もあるということ ・先生の勘違い といったような阻害要因があり、時間がたつと吸収できたりすることがあるからだ。 この吸収の過程に至るまでに、その教えを捨ててしまうと、なんの役にも立たなかったことになる。また吸収の仕方が悪いと変な方向へ行ってしまう。なので、体育会系である程度上達した人というのは、吸収の仕方だけは覚えている。また、先生を選ぶことも上手くなる。 体育会系の人は、小さいころから教わる訓練を受けているようなものなので、教わり方や盗み方に長けている場合が多いのだ。 決して、一般に体育会系的と言われるやり方が正しいわけではない。 ■長嶋監督が教え下手なのはなんでだろか? しかし、一般的に一流選手であったからと言って教え方が上手いわけではない。 これはなぜかというと、そういった選手は、自分独自の、自分にしか適用できない自己解決手段の膨大な積み上げで成立しているケースが多いからだ。 他人の真似できない方法でやれというのはよい言葉だけど、本当にまねできない方法で構築してしまっている場合がしばしばある。 しかもそういった方法は、非常に効力が大きい場合がしばしばあり、多くの選手はその強みに磨きを掛けていくので、さらに真似できないものになっていく。 発明者というのは、しばしばこういう人間であることが多い。 よい記事があったので紹介しよう、典型的な発明者というのは、こういう人である。 ■ 時速500kmの未来列車エアロトレイン開発者、小濱康昭 仕事柄、発明者の話を小耳で聞いていることが多いのだが、しばしば、この人頭がおかしいなと思う。もちろん、そういう人の話を特許にするのが仕事なのだが、話半分で聞いている限りは、どういう頭の構造をしているのか、理解できないことがほかの分野に比べて圧倒的に多い。 Web屋さんをしていて、クリエイティブな仕事だっただけに、風変わりな人は多かった。 エンターテイメント業界はユニークな人間の集まりのように見えるが、ぜんぜんそうではなく、常識的な人々がほとんどだ。たいていは格好だけだったり、面白そうな事を考えるのが好きだったりするだけなのだが、発明者というのは、そういうレベルではない。 明らかに発想がおかしいのである。 発明や、人格がおかしいのではない。 脳みその構造がおかしいのだ。 しばしば、発想順で説明をしだす人があるのだが、それで聞くとさっぱりわからない。 また結論から聞くと、さらにわからない。 そこで、おそらく弁理士はほとんどそうしていると思うのだが、発明特定事項を詳細に聞くことによって対応する。 発明というのは基本的にクレイジーなのである。 クレイジーでなくても発明はもちろんできるのだが、発明を連発して事務所のよいお客さんになって特許もばんばんとる人というのは、クレイジーである。 ■技術進歩はものすごく小さな奇の積み重ね 一般に技術の進歩というのは小さな改良で行われているように認識されていると思う。 もちろん、一つ一つの発明は小さい改良なのだが、それがたとえば、エアロトレインのダンパー部に使用する複層皮膜の縫合方法、みたいな物だったりする。よくよく考えてみると、ほかの分野でも応用可能、みたいな。 すごく小さい発明ではあるのだが、特許事務所に持ち込まれるものというのは、本質的な奇であるのだ。 そういう奇が無数に集まってひとつの製品になる。 よく見つめてみると、世の中というのは不思議にできている。 わたしがゲームブックの研究をしているのが、かなり奇妙に見えるように、工学の世界の正しい態度というのは、一般人から見ると奇人にしか見えない。 ■完成された発明が奇であれば、そこに至る過程はもっと奇 特許事務所にやってくる発明は「完成された発明」である。 つまり、他人が同じようなものを作ったときにまったく同じ効果が出ないといけないので、試案段階のものがやってくることはない。発明は、長い試行錯誤ののち、完成されてから、特許事務所へやってきて、噛み砕かれて明細書になり、特許になる。 なので発明されている最中は、さらに意味不明なものであることが多い。 そう。やっと、結論に近づいてくるのだが、効率化というのは、この発明中の状況にきわめて近い。 毎日のようにフローをカイゼンし、次第にマニュアルに落とせるレベルまで完成されていく。つまり効率化の作業というのは、基本的にクレイジーな発想の連発中であるのだ。決まりきった効率化手順があるわけではなく、論理的でもなく、本質的な試行錯誤であることが非常に多い。 これが毎日つみあがると、どう考えても頭がおかしいとしか思えない方法で作業フローを作っていたりする。そして、マニュアルを作ると、理解できないと言われる。明らかに20倍の効率化が保障されている方法でも、誰も真似をしようとせず、その効率化をしている人のところに、ばんばん仕事を投げることの方を選ぶことが多いようである。そして効率的な人は誰にも理解できないマニュアルを残して辞めていく。 銀の弾丸が発明されにくい理由はここにある。 ・まず発明する人は、頭がおかしい。 ・せっかく発明しても誰も理解できない。 ・というかそもそもそういう人は銀の弾丸を必要としていない。 ・論理的に説明できない発明は、なぜか通用しないものと考えられている。 ・合理化を、効率化と勘違いしている。 (合理的→ロジカル 効率化→クレイジー) グーグルが強いのは、ラリー・ペイジが本質的に発明者で、サーゲイ・ブリンが理論家で、エリック・シュミットが経営者であるからだ。 グーグルがクレイジーに見えるなら、それはとても本質を見抜いている。 おまけ:ちなみにゲームブックの研究は特許文献のグラフ構造解析に繋がったりするだとか、誰も見てないだろうから書いておく。遊んでるんじゃないんだよ(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 10, 2007 04:56:46 PM
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