やじうまミニレビュー

何よりも大画面を重視する人の理想型。15.6型タブレット「TM153M6V1-B」実機レビュー

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アイリスオーヤマ「TM153M6V1-B」。実売価格は79,800円前後

 タブレットの大画面化が進んでいる。「Galaxy Tab S9 Ultra」の画面サイズは14.6型で、「iPad Air」も13インチと11インチの2モデル展開となるなど、大画面化を求めるユーザーの声にメーカーも応えているようだ。

 そのような中、画面サイズをさらに大型化したのがアイリスオーヤマのAndroidタブレット「タブレット 15.6インチ TM153M6V1-B」(以下、TM153M6V1-B)。実売価格は7万9,800円前後。15.6型でフルHDの大型ディスプレイを採用しており、大画面でコンテンツ鑑賞、ゲームなどを楽しめる端末だ。今回本製品の実機を借用したので、大画面ならではの使い勝手にスポットを当ててレビューしていこう。

エントリー~ミドルレンジ向けプロセッサを搭載

 TM153M6V1-Bは、OSにAndroid 13、プロセッサにMediaTek MT8788を採用。メモリは6GB、ストレージは128GB、ディスプレイは15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)光沢液晶を搭載している。サウンド機能はステレオスピーカーとマイクを備える。

 カメラは背面、前面ともにオートフォーカス対応の約800万画素カメラを搭載。静止画は3,264×2,448ドット、動画は1,920×1,080ドットで記録可能だ。

 インターフェイスはUSB Type-C、3.5mmオーディオ端子、microSDカードスロット(最大512GB)を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 5、Bluetooth 5.0をサポートしている。

 本体サイズは約366×224×10mm、重量は約1,180g。バッテリは9,200mAhを内蔵している。

 筐体は金属製で剛性は高い。ただ昨今のタブレットと比べると、厚く、重いことは間違いない。携帯用というよりは、自宅やオフィスで利用する大画面タブレットと捉えたほうがよさそうだ。

ディスプレイは15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、光沢)を採用
筐体は金属製。本体サイズは約366×224×10mm、重量は約1,180g
右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、マイク、microSDカードスロットを用意
右側面には3.5mmオーディオ端子、USB Type-C端子、そして両側面にステレオスピーカーを配置
microSDカードスロット(最大512GB)を装備
背面のフタをはずした状態の実測重量は1,163.5g
パッケージには本体、USB Type-Cケーブル、カードスロットピン、クイックスタートガイド、保証書を同梱
USB Type-Cケーブルの長さは実測100cm
タブレットスタンドに同梱のUSB ACアダプタ
USB ACアダプタの型番は「XY-PQ018P01」。仕様は入力100-240V~0.6A、出力5V/3A、9V/2A、12V/1.5A、容量18W
オプションとして販売されているタブレットスタンド「IST-A151A-B」

画面の広さは1kg超えの重量を許せる長所

 実際に使ってみて一番強く感じたのは、やはり重さ。背面のフタをはずした状態の実測重量は1,163.5g。日頃、12.9インチiPad Proを常用している筆者には非常に重く感じられた。テーブル面などを支えにできるのであればともかく、電車車内で立ちながら掲げ続けるのは結構しんどいと思う。

テーブル面を支えにすれば長時間持ち続けてもそれほど疲れない

 一方で、画面の広さは電子書籍リーダーとしても魅力的だ。16:9の画面比率はコミックなどとピッタリとは言えないが、面積自体は広いので、ズーム操作をしなくても快適にコミックを読むことが可能だ。

コミックなどでは、縦置き、横置きのどちらでも余白が大きく入る(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 1」より)

 動画プレーヤーとしてみると、15.6型フルHD液晶の細かなスペックは公表されていないが、「YouTube」や「Netflix」アプリではHDRコンテンツが再生できなかった。とは言え、室内で利用する分には十分な輝度を備えており、また大画面ならではの迫力は得られる。ステレオスピーカーの音もそれなりにボリュームはあるので、映画やミュージックビデオ鑑賞にも利用可能だと感じた。

「YouTube」や「Netflix」アプリでHDRコンテンツを再生できない

 ゲームをプレイする際には、基本的にテーブルに置いて、4~6本指操作することになるだろう。画面上での指の滑りはよく、「原神」であれば快適に操作できた。大画面での迫力のゲーム体験は「TM153M6V1-B」の大きなメリットと言えよう。

筆者は基本的に4~6本指でゲームをする。「原神」は快適にプレイできた
「ピアノ」アプリを表示させるとこのぐらいのサイズ感。もっと鍵盤が小さくても演奏できそうだ

 この章の冒頭で「重い」とお伝えしたが、その弱点をカバーするためにオプションでタブレットスタンド「IST-A151A-B」(実売価格7,200円前後)が用意されている。タブレット本体背面の端子カバーを開ければ、あとはスタンドに近づけるだけで吸着可能。またスタンドにUSB ACアダプタを接続しておけば、取り付けるだけで本体を充電可能だ。

 角度調整はできないが、左右90度に回転できるので横置きと縦置きを切り替えられる。凝った作りにしては比較的安価なので、ぜひ本体と一緒に購入したいアクセサリだ。

背面のフタを開けると金属接点が現われる
スタンドにUSB ACアダプタを接続しておけば、本体に給電できる
マウント部分は左右90度に回転するので横置きと縦置きを切り替えられる

タイトル選びや設定次第でゲームも実用的に遊べる性能

 パフォーマンスを計測するため定番ベンチマークを実行したところ、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10.2.7」の総合スコアは24万7,017、CPUベンチマーク「Geekbench 6.3.0」のMulti-Core Scoreは1,243、Single-Core Scoreは295、3Dベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは647(3.88fps)となった。

 最新AndroidスマホではAnTuTu Benchmarkの総合スコアが210万を超えており、TM153M6V1-Bは大差を付けられていることになる。「原神」は実用的にプレイ可能な速度で動作したが、遊ぶゲームを選ぶ必要があるし、画質設定を調整しなければならない点にも留意してほしい。

総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10.2.7」の総合スコアは247,017、CPUベンチマーク「Geekbench 6.3.0」のMulti-Core Scoreは1243、Single-Core Scoreは295、3Dベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは647(3.88fps)

背面、前面ともに比較的クッキリとした写真を撮影可能

 カメラ画質はいい意味で予想を裏切られ、背面、前面ともに比較的クッキリとした写真を撮影できた。画質がいいとまでは言わないが、安価なノートPCより精細であり、発色も悪くない。今回は標準のカメラアプリで撮影したが、サードパーティ製カメラアプリを使えば、もっとよい画質で撮影を楽しめると思う。

カメラは背面、前面ともにオートフォーカス対応の約800万画素カメラを搭載。背面にはLEDフラッシュが内蔵されている
背面カメラで撮影
前面カメラで撮影

処理性能よりも大画面を重視する人にもってこいのAndroidタブレット

 TM153M6V1-Bに搭載されているMediaTek MT8788は、2021年頃からエントリー~ミドルレンジ向けのタブレットに利用されているプロセッサだ。決してパフォーマンスは高いとは言えない。しかし、執筆時点で販路によっては約7万円で販売されており、15.6型Androidタブレットとしては手頃な価格だ。

 処理性能が第一ではなく、とにかく大きな画面でラクにWebサイトやコンテンツを見たいという人に、TM153M6V1-Bはもってこいの1台と言えよう。