okurejeの日記

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『拳銃と目玉焼』 感想

 

『侍タイムスリッパー』が異例の超ロングランで、今年の邦画界の話題をさらいまくった安田淳一監督の映画監督デビュー作、『拳銃と目玉焼』(2014年)を、やっと鑑賞することができた。
さすがStranger!

なんと、製作費が750万円、平均スタッフ数が3.5人という、典型的なインディーズ映画のスケール。
そんなローバジェットで、よくぞこんな大作が出来たもんだ・・

 

主人公の志朗(小野孝弘)は新聞配達員。趣味はバイクのプラモデル作り。
朝の仕事帰りに、行きつけの喫茶店ノエルで、看板娘のユキ(沙倉ゆうの)が作ってくれる、本来の目玉焼(黄身が2つある)モーニングを食べるのを日課としている。
ある日、近所に悪質な痴漢が出没すると聞いた志朗は、密かに恋しているユキが冗談まじりに言った「痴漢を退治して」という言葉に引っ掛かり、夜の痴漢現場に行ってみるが、たまたまオヤジ狩りの少年達に襲われそうになっていた町工場の社長阪本(田中弘史)を救おうとする。
しかし、逆にボコボコに返り討ちに合ってしまい、翌日、少年達を懲らしめてやろうと息巻く阪本社長に無理やり連れ出され、見事、少年達を撃退することに成功してしまう。
それ以来、「正義の味方」活動に目覚めた志朗は、体を鍛え始め、バイクのプロテクターやヘルメットを購入して、ヒーローコスチュームを自作し始める。
そんな折、急に喫茶店を辞めてしまったユキがオレオレ詐欺集団のトラブルに巻きまれてしまう。
ユキの危機を目の当たりにした志朗は、次作のコスチュームを着こみ、阪本社長ハンドメイドの強力なガスガン2丁を携えて、単身、オレオレ詐欺集団のアジトに乗り込んでゆく・・

 

初の長編インディーズ作品ということで、最新作の『侍タイムスリッパー』と比べると素人っぽさが少し残っている感はあったけど、ストーリーとキャラクター設定が通り一遍ではないので、冒頭からラストまでグイグイ物語に引き込まれてしまった。
他の安田淳一監督と同様に、物語に一本筋が通っており、しかも熱いメッセージが込められた作品。
しかし、お馴染みの紅萬子さん等の関西弁がいいとぼけ味をエッセンスとして加味しているので、シリアスであったりバイオレンスであっても、絶妙な面白味も感じさせるのが安田監督作品の特徴。
また、本作でのヒーロースーツとガスガンの完成度が異常に高いのに驚いた!
『殺し屋1』と『マッドマックス』、『バットマン』をミックスさせたようなヒーローコスチュームが異常にカッコいい。メディコムが1/6フィギュア化してくれたら絶対に買う!


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ただ1点だけ難を言うと、『侍タイムスリッパー』でも感じたのだが、尺がちょっと長すぎるのか、少しだけ間延びした感があった。115分の上映時間を90分くらいに短縮すれば、さらにキレのよい作品に仕上がったのではないかとも思ったが、確かに無駄なシーンも少なかったので、編集は難しいだろうな・・

それにしても安田監督のミューズ・沙倉ゆうのさん、10年前も現在も全く変わってなくて、ある意味、安田監督作品の一番のミラクルかもしれない・・

 


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