読書日記No.115
2011年 12月 31日

忘れられない年になった2011年に
さようなら。
いつもにゃんこのココロを読んで下さる方、
忙しい中コメントまで入れて下さった方、
この一年本当にありがとうございました。
なんでも、写真とは人に見てもらわなくては上達しないそうで
更に言うならば、
たとえ思いつくままにただつらつらと書かれた文章であっても
人が書いた文というものは
誰かに必ず読んでもらいたがっているものなんだそうです。
だとしたら、
今年一年たくさんの人にみてもらうことができた
にゃんこのココロの文や写真は
大変な幸せものだったと思います。
・・・と、一年間の感謝で
今年のにゃんこのココロを締めくくろうと思ったのですが、
年内に読んだ分の読書日記がまだ残っていたため
すべり込みの読書日記UPとなりました。
こんな年の瀬の慌ただしい時期に
思い込みの激しい長文をUPするのは
非常に気が引けるので、
以下はおまけってことで(笑)
では、本日おまけの読書日記です(* ̄▽ ̄*)♪
1作目・・・萩原 浩 作 『月の上の観覧車』

人生を観覧車に例えるとするならば
人生も半ばを過ぎた頃が一番高く見晴らしのきくポジションになる。
下り坂に向かっていく自分の人生を振り返ったとき
そこから何が見えるのか。。。
戻ることのできない過去を様々な思いで振り返る人たちの
8つの短い話が収められています。
一番面白かったのは『レシピ』というお話。
定年退職の日に、なかなか帰ってこない夫を待ちながら
古くなったレシピノートをめくる妻。
今まで作った料理をひとつひとつ思い出すたびに
それを作ってあげた歴代彼氏の顔を思い出したりしている(笑)
しかも定年退職の日、この妻は実に恐ろしい決意を胸に秘めているのです。
フフフ・・・怖いですよね、定年退職の日って( ̄∀ ̄)ニヤリ
2冊目・・・道尾 秀介 作 『カササギたちの四季』

ここのところ重苦しく暗めの作品が多かった道尾さん、
今回はド~ンと方向転換して明るく爽やかな推理小説になりました。
その分ストーリーも謎解きも軽めで、やや物足りない感じもしますが
まぁギリギリ許容範囲かと(笑)
『カササギ』と言う名の小さなリサイクルショップ。
店長の華沙々木は『マーフィーの法則』(懐かしい!)を心から愛する
自意識過剰気味の推理マニアの男。
そしてその華沙々木が得意げに披露するめちゃくちゃな推理の
尻拭いに忙しい副店長の日暮。
華沙々木の間違った推理を日暮がフォローする・・・というパターンに
若干イライラしながら読み進めると
最後にス~ッとそのストレスが解消されるようなしかけが!
このあたり、さすが直木賞作家ですな。
肩の凝らない小説が読みたい時におすすめです。
3作目・・・早見 和真 作 『砂上のファンファーレ』

ある日突然に家族を襲った一大事!
母親が病気にかかったり、莫大な借金が明るみ出たり、
主人公一家は家族崩壊の危機に陥ります。
バラバラでまとまりがなく
最初は出来損ないのように見えていた家族が
物語が進み、一人一人の歩いてきた人生が明らかになるにつれ、
本当は温かい、思いやりのある家族の姿が見えてきます。
いつもいつもべったりの仲良し家族とは程遠いけれど
いざという時に 一丸となって問題に立ち向かって行けるのは
やはり親子の絆が深い所でしっかりと結びついていたからなのでしょう。
この家族、見事なハーモニーを奏でるオーケストラのように
最後には見事なファンファーレを聞かせてくれます。
おすすめ♪
4作目・・森見 登美彦 作 『ペンギン・ハイウェイ』

子どもの頃のことを思い出してみると
いつも頭の中がどこかぼんやりとしていて
うれしかったり悲しかったりしたことも
薄いベールを一枚隔てたところで感じていたような気がします。
まぁ私が単にボ~っとした子だったというだけの話しかもしれませんが。
そんな風だった私の子ども時代と
まるで正反対な主人公のアオヤマ君。
小学校4年生にして、頭脳明晰
真っ直ぐな視野と旺盛な探究心で次々と興味の世界を広げて行きます。
ページをめくりながら、
こんな風に子どもの頃からピントの合った頭で世の中を見つめることができていたならなぁ・・・と
今さらながらしょうもないことを何度も思ってみたり(笑)
なにしろアオヤマ君ったら
小学4年生にしてすでに、『人に対して腹を立てない』 という驚くべき処世術を身につけているのですから!
その証拠にアオヤマ君、いじめっ子たちに殴られても蹴られても
大事なノートにおしっこをかけられても(!)
決して怒ったりしないのです。
そんなアオヤマ君が住宅街で出会った不思議なペンギンたち。
アオヤマ君は、果たしてペンギンたちの謎を解くことができるのか?!
5作目・・・重松 清 作 『峠うどん物語 (上・下)』

『峠うどん』という名のうどん屋さん。
峠にあるうどん屋さんだから『峠うどん』でいいのだけれど
本当は『長寿庵』という立派な名前の店でした。
ある日このうどん屋さんの目の前に
ドカンと市営の斎場が建ってしまい、
やって来るお客さんのほとんどが喪服に身を包んだ
斎場帰りの人になってしまいます。
そうなってくると、やはり『長寿庵』という店の名は
悪い冗談のようで、したかなく店の名前も変更せざるを得なくなった
・・・というわけなのです。
様々な悲しみを抱えて
『峠うどん』にやって来る人たち。
その人たちの人間模様を描いた上巻、
胸に沁み入るような重松さんお得意の話でとっても面白かったのだけれど
下巻はいらないんじゃないか?との思いも。
ところがどっこい!
物語のパターンは上巻と同じなのに、読んでみると
下巻の方がずっと面白い。
で、その面白さはどこから来ているのかと言うと
やはり上巻あってこその下巻なわけで、
なるほど、ダテに二冊組にしたわけじゃなかったのねと
大いに納得したのでした。
6作目・・・玖村 まゆみ 作 『完盗オンサイト』

面白かったです。
なんてったってストーリーが奇想天外、
ロッククライミングの第一人者が皇居に忍びこんで
盆栽を盗み出すというのですから!
登場人物も魅力的で、好感が持てます。
盗みを働くだなんて決して許されることではないはずなのに
実際に盆栽を盗む場面では
『どうか成功して!』 と、願わずにはいられませんでした。
第57回江戸川乱歩賞受賞作。
楽しくドキドキしながら読めるお話です。
・・・というわけで
皆さま、どうぞよいお年を。
来年は笑顔いっぱいの一年になりますように♪

(本日はコメント欄閉じさせていただきます♪<(_ _)><(_ _)><(_ _)>)
by nyanko4116
| 2011-12-31 01:11
| 読書日記