アンリミ対象になってるラブコメ、目につき次第かたっぱしから読む、というのをよくやるんですが、これはその一環です。もうほんとに手当たり次第。おもしろそうとかおもしろくなさそうとか無関係で完全に脳死。というわけでこの本、ヒロインが巨乳な段階でもう無理なのはわかってましたけど、読んでみたらラブコメっていうより単なるエロラノベのフォーマットでした。スニーカー文庫で発売できるラインでのエロってことですね。いちおうヤンデレ分類には入るかとは思いますが、ヤンデレ感は薄いです。というよりこの手の話でメリハリつけるには、病んでる側のヒロインが主人公の都合などおかまいなしに好意を押し付ける、それがトラブルを巻き起こす、ということになるわけなんですが、このヒロインたちはちゃんと主人公の生活や幸福に配慮しているので、もうその時点で自動的にヤンデレ感が薄まるという話はあります。
作者のやりたいことは明白で「徹底的に愛されるトラブルの少ないハーレムやりたい」だと思います。もちろんそれを現実でやるには数多くの歪みが発生するわけなんですが、作者はその歪みに対してけっこう自覚的だと思います。「こんなのおかしいってわかってる」的な振り返り視点が随所で入る。効果があるかどうかはまた別の話ですけども、無自覚にやられるよりはよっぽど安心できます。
読み手としては「巨乳美少女に挟まれたい」が欲望であり、なんていうか、ドスケベ姉妹にドスケベアタック食らっておっぱいに顔面を挟まれたい、ということだと思うんですけども、その限りにおいてこの作品はけっこうよくできてると思う。読んでる途中でふと気になってレビュー見たんですけど、死ぬほど酷評多い。これ完全にノットフォーミー案件だと思うんですよね。読者の欲望はドスケベエロ姉妹から愛されハーレムなので、それを成立させるための最低限の辻褄合わせがあればそれでいいんですよ。現実感がどうこういうのは完全にお門違いで、しかも作者がそのことに自覚的であれば、読んでてそこまでの不快感だってない。俺は巨乳ヒロインは苦手というかほぼ無関心で、ハーレムものはまったく無理。その俺をも理性の次元では納得させるだけの建前はいちおう構築してあるんで、レビュアーが無理筋だと思うなあ、これは。
ただ気になるのが、1巻の時点では明確に妹のほうがキャラとして魅力あって、姉とのバランスがあまりよくない、ということですね。ダブルヒロインかつハーレムとなるとこれはかなり致命的だと思います。以上です。2巻は読まないです。なんだかんだまったく好みではないので。