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男子バレー小川智大がいま明かす…パリ五輪落選も「幸せな時間だった」ブラン監督が認めた世界トップリベロの本音「謝ってほしくないというか」
posted2024/10/22 11:00
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph by
Getty Images
東京五輪の選考で、同様の経験をした福澤達哉氏が、動画シリーズ「Number Volleyball Night」で、じっくりとその日のこと、同行したパリ五輪で感じたことを聞いた。
パリを目指した3年間「すごく幸せな時間」
福澤 小川選手は、「リベロとしてオリンピックに行くならパリ五輪だ」と思って、東京五輪が終わってからの3年間、走ってきたわけだけど……。(フィリップ・)ブラン監督もずっと、「日本には世界トップのふたりのリベロがいる」と言及していたほど、リベロのメンバー争いは熾烈でした。結果的に、パリ五輪のコートには立てなかったけれど、今、この3年間の歩みやポジション争いについてどう思っていますか。
小川 選考で落ちた時には、何も考えられなかったし、受かったメンバーの前で、選考漏れした側の気持ちを強く出して、みんなの感情をこちらに向けさせるのはよくないなと思いました。だから、何も考えられない中でも、良くない感情は出さないようにしよう、と心がけました。
でも、今ちゃんと考えると、パリ五輪を本気で目指してきた過程がすごくよかったので、選考漏れしたあの気持ちを乗り越えられたんです。その過程が自信になっているし、自分がやってきたことは間違いないと思っています。
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もちろん一番大事なのは結果です。それは僕自身がいつも言っていることです。パリを目指した3年間はすごく幸せな時間でした。ポジションを争う相手が(古賀)太一郎さんや智さん(山本智大)など上手なリベロだった。そのなかでもずっと智さんとやってきた。試合が始まる前に、対戦相手のプレースタイルなどについて、一緒にたくさん話し合えて、そうだよねってふたりで通じ合えることがたくさんあったんです。このレベルで話せるリベロが同じ代表にいて、よかったと思っています。
選考後にブラン監督にかけられた言葉
福澤 今の決まりでは、リベロはオリンピックでコートに1人しか立てない。狭き門だけど、小川選手と山本選手の関係は、はたから見ていてもいい関係だなと思っていました。ライバルでもお互いをリスペクトして、日本のリベロの地位をふたりで築き上げていった印象があります。
結果的には、人が人を選ぶスポーツということで、そこは自分では操作できない部分でした。そのなかで、自分がやってきたことへの納得感、これだけやって選ばれないのであればしょうがないなという気持ちはありましたか?