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「イチローや松井が例外だったんですよ」MLBでフロントを経験、斎藤隆が明かす“米国で獲得リストに挙がった日本人野手の名前”
posted2021/03/27 17:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
「田中はメジャーのFA選手で、5本の指に入る投手だった」
――パドレスのフロント経験もある斎藤さんに、まずは、昨年から今年にかけてのアメリカのストーブリーグ戦線についておうかがいします。
斎藤 コロナ不況が直撃しましたね。その象徴が楽天に復帰した田中(将大)でしょう。今オフのメジャーのFA選手の中では、5本の指に入る投手だった。チームによっては、真っ先に田中獲得に名乗りを上げたところもあったと思うんです。ただ、どこも懐事情が苦しい中で、田中クラスの選手に見合う条件を提示できなかった。結果、あれだけの選手が日本に戻ってくることになったわけです。
――今オフ、渡米を希望した日本人選手は4人いました。巨人の菅野智之、ロッテの澤村拓一、日本ハムの有原航平と西川遥輝です。有原、澤村は契約まで行きましたが、菅野と西川は契約に至りませんでした。ただ、2人は対照的で、菅野は「行かなかった」のに対し、西川は「行けなかった」わけですよね。
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斎藤 菅野は行こうと思えば行けたんでしょうね。ただ、条件が見合わなかったんだろうな。だから結果的に、菅野もコロナの影響を受けたということになるのでしょう。でも今はアメリカか日本かという二者択一の時代ではない。アメリカ30球団プラス日本12球団の中で、自分がいちばん納得できるチームを選べばいい。最近は向こうの選手が「日本の球団も視野に入れている」と発言することもあるくらいですから。駆け引きだったとしても、名前が出てくるだけでもすごいことですよ。
――実際、2019年には、アメリカで1巡目指名を受けながらも合意に至らなかったカーター・スチュワートがソフトバンクに入団するなんてこともありましたからね。
斎藤 あれは衝撃的なニュースでしたね。近年、野球界におけるソフトバンクの存在感は、どんどん大きくなっています。本気でMLBに勝つつもりでいる。世界一のチームを、世界一のリーグを作ろうとしています。
「イチローや松井が例外だったんですよ」
――西川に関しては、日本で3割6厘、42盗塁という成績を残したにもかかわらず、どこからも声がかからなかった。相変わらず、日本人野手への評価は厳しいなという印象が残りました。