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試し読み
集英社文芸編集部から刊行された、単行本の本文をいちはやくたっぷり公開!

【試し読み】暮らしはつらいよ、たのしいよ。人気小説家初エッセイ集『ナモナキ生活はつづく』(寺地はるな・著)より「お茶の淹れかたを教えてくれた人たち」
小説だったかエッセイだったかまるで思い出せないのだが、誰かの本に「出かける前にお茶を一杯飲む」という描写があって、ハァー! 私もこういう余裕のある人になりてぇもんだなあ! といたく感動し、憧れた。 私はどんなに楽しみな外出の場合でもなぜかギリギリまで準備を先延ばしにするくせがあり、いつも家を出る十五分前ぐらいになってからあわてて着替えたり化粧をしはじめたりする。お茶一杯の余裕を持ちたい。来年の目標はそれにしよう。 また、こちらははっきりと記憶しているのだが、先日読

【試し読み】暮らしはつらいよ、たのしいよ。人気小説家初エッセイ集『ナモナキ生活はつづく』(寺地はるな・著)より「ノーノーシンプルライフ」
突然だがここ数年、「ぴよこ豆」というキャラクターに夢中だ。 「ぴよこ豆」というのはマインドウェイブという文具メーカーのイラストレーター、トモエヌさんのオリジナルキャラクターである。公式サイトでは「ころころもちもちのひよこのような生き物」と紹介されている。 数年前に文房具店でぐうぜんぴよこ豆の付箋を見つけ、「オギャー! なんてかわいいんだ!」と衝撃を受けた。あまりのかわいさに、うっかり赤ちゃん返りしてしまったのである。 それ以来、新たなグッズが発売されるたびにあ

【試し読み】暮らしはつらいよ、たのしいよ。人気小説家初エッセイ集『ナモナキ生活はつづく』(寺地はるな・著)より「ネジの唄」
ネジよネジ、おまえはどこからやってきたのか。そう問わずにはいられないほどに、わが家の床には謎のネジが転がっている。 ネジ以外にもいろいろ落ちている。原稿をとめるためのクリップ、米粒、息子がつくるプラモデルの小さい部品なのかただのプラスチックのかけらなのか判断ができないもの。台所の床に見たことがないタイプの毛虫がいると思って驚き、よく見たら数日前にまな板からこぼれ落ちて、そのままほこりまみれになったシメジだったりする。ほこりまみれのシメジというものは正体がわかってしまえば

【試し読み】暮らしはつらいよ、たのしいよ。人気小説家初エッセイ集『ナモナキ生活はつづく』(寺地はるな・著)より「エネルギッシュ敏子」
生きているとたまに、いや私の場合はひんぱんに、「今日はなんにもしたくないな」と感じる日がある。 けれども部屋は散らかるし洗濯物はたまるし腹も減る。家事というものはその気になればいくらでもサボることができるものだが、たいていはあとから自分自身にしわ寄せがきて、よけいにめんどうなことになる。効率的に家事をこなす方法は世間にいくらでもあふれている。時短料理、便利な家電。しかしそれ以前に「やる気」の問題がある。食器洗浄機のボタンを押す気力すら湧かない、という日も当然あるだろう。
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700万部突破『心霊探偵八雲』の著者が贈る、文学史上最も切ない幕末ホラーミステリ。神永学『火車の残花 浮雲心霊奇譚』【電子版も配信中!】
地獄へ堕ちぬ罪人は、 私がこの手で灼き尽くす――。 『火車の残花 浮雲心霊奇譚』 神永 学 〈内容紹介〉 霊を見ることができる赤眼を持つ「憑きもの落とし」の浮雲は、旅の途上の川崎で奇妙な噂を耳にする。罪人の亡骸を奪い去る妖怪・火車が、多摩川で次々と人を殺しているという。殺された者は水死体にもかかわらず、なぜか黒焦げになっていた。 一方、宿では亭主の息子が何者かに取り憑かれ、刃物を持って夜な夜な歩き回っていた。 ふたつの事件に繋がりがあると睨んだ浮雲は、連れの土方歳三と才谷

堀田家の「LOVE」は国境を越えて。大人気シリーズ第16弾! 小路幸也『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン』【電子版も配信中!】
「東京バンドワゴン」シリーズ第16弾にして番外長編! 家族よ、友よ、仲間たちよ……「LOVE」は国境を越えて。 『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン』 小路幸也 〈内容紹介〉 失われた絵と、あなたを取り戻すために――。 高校を卒業したばかりの堀田研人が率いるバンド“TOKYO BANDWAGON”が、ひょんなことからイギリスのスタジオでフルアルバムのレコーディングを行うことになった。 我南人の引率で、藍子とマードックが暮らす家を訪れた一行。 しかし、滞
















