【漫画】ヒーローアカデミア未読なのに爆豪勝己くんの抱える問題点を語る
人気漫画ですよね「僕のヒーローアカデミア」。
残念ながらうちにはコミックスがなく、読んだこともないので、なんかムキムキのマッチョなヒーローが一番強くて頼りになるんでしょ?ということしか知りません。
そんな俺が、最近ツイッターで話題になってるな、ということで、得意の無知なままいっちょ噛みするだけの記事です。
爆豪勝己くん
一応、pixiv百科事典を読みましたので、まとめますね。間違ってたらコメントちょうだい。
爆豪くんというのは、ヒーローアカデミアという漫画の主人公、デクくんの幼馴染みである。
ガキの頃から強い能力をもち、デクくんを含めて他の子をいじめていた。
成長してからもいじめは続き、悩むデクくんに「じゃあ自殺して生まれ変わった方がいいね!」的な言葉をかけるくらい、人への配慮が欠けていた。
でもバトルはかっこよかったり強かったりした。
最終的に精神面も成長し、デクくんに昔のことを謝って和解した。
まー、普通に嫌なキャラとして出たキャラらしいわね。でも読者人気は妙に高く、カッコいい見せ場も多いのだろうと思われます。
そんで何がツイッターで燃えてたかというと、「爆豪くんが嫌いだなー、いじめっこだし」っていう論と、「それは最初だけでしょ。最後まで読んでないくせに雑に語るな」みたいな論が熱いバトルをしてたのよね。
そこで全くゼロ知識の俺も参戦したろ!と悪い癖が出たわけですね。
彼は作者のギャンブルキャラだ
まあ流れを見る感じ、最初の頃の言動は擁護できないのはわかるよ。
作者もその覚悟で出したキャラでしょ。
あとから他の漫画の悪役とも比較するけど、爆豪くんってけっこう珍しいポジションじゃん。
だってこの人、別に敵じゃないよね?
性格が終わってるけど強い味方なんだよね?
ここが作者のギャンブルだったと思う。
だって、明確に敵の方が、圧倒的に嫌な奴を書きやすい。バトルでボコボコにしたり、最悪殺して、読者の溜飲を下げることができる。
うっすら味方だと、それが難しいんだよな。
たぶん作者としては、「こんな嫌な奴も成長する!」が描きたくて、あえて味方ポジションに配置し、読者にストレスをかけつづけたんだよね。
これが今、爆豪くんの評価が二分される原因になっているし、作者のギャンブルは成功したといえる。
最後まで爆豪くんの成長を見届けた読者は、すさまじいカタルシスを感じたことだろう。だって、溜めのフェイズがめちゃめちゃ長かったわけだからな、報われたことだろう。
でも逆に、序盤~中盤の爆豪くんが、性格が悪いままずっと放置されていることにストレス値が耐えきれず、脱落してしまった読者がいるのも仕方がないことだ。
しかし結果として「僕のヒーローアカデミア」は大人気マンガとなり、爆豪くんは人気投票で一位をとった。プラスマイナスで言えば、作者のギャンブルが大成功したと言って間違いないだろう。
他の漫画の悪役と比較する
ちょっとベジータの話をする。
ドラゴンボールに出てくるサイヤ人の王子だ。
めっちゃ人気ありますよねー。
悟空に続いて二位くらいの人気ですよねー。
でもベジータについて、そんなにファンが揉めているのを見たことがない。
あいつもさんざん悪いことして、人殺しだぜ?それなのに味方面して幸せなパパだ。
これは2点、爆豪くんと異なるポイントがあると思ってて。
①やった悪行にリアリティがない。
爆豪くんの「同級生へのいじめ」が逆にリアリティありすぎとも言える。対してベジータの「殺人」は自分事として考えづらい。死んでるのナメック星人だし。
これにより読者に与えた嫌悪感がかなり違う。
②めっちゃボコられて死ぬ。
まあこれですわな。
なめくさってた地球の連中に大ダメージを受けて必死に逃げた挙げ句、ぶるぶる震えて泣きながら情けなく殺されるんだもん。
読者は単純なので、めっちゃダメージ受けると「報いを受けたなぁ、罪が清算されたなぁ」なんて思っちゃうんだよね。作品の特性上死ぬまでいくし。
爆豪くん、たぶんボコられが足りなかったんだろうな。
もう1人「城之内くん」の話もしとくか。
これは漫画「遊☆戯☆王」のキャラであり、序盤ではいじめっこで主人公をいじめた。結構エグいいじめだ。主人公の大切なパズルの最後のピースを水に沈めた。
その後なんやかんやあって、城之内くんは他の悪役にボコられ、主人公と和解し、よき友人になった。
おっ、なんか爆豪くんに似てないか?
でも、遊☆戯☆王読んだ人で「城之内くんが嫌い」って言ってる人マジで見たことない。
これはなぜかって、そりゃ、城之内くんのいじめ→ボコられ→和解が1話で終わるからだ。スパンが短すぎるのだ。だから読者に与えられたストレス値が最低限で済んだってわけだよね。
爆豪くんは和解までのスパンが長すぎる点が、読者の感想を二分している。
彼の抱える問題とは「全肯定ファン」だ
そんで、じゃあまあもういいじゃん。
爆豪くんは確かに最初はクズだったし、嫌な奴だったけど、バトルはかっこいいし最終的に精神面も成長した。読者人気も高く、漫画としても大成功だ。その見解でいいだろ。これ以上揉めることあるか?
揉める原因は、実は爆豪くん本人にはないのだ。
本当の問題は、彼を全肯定してしまう厄介ファンにある。
なにかを評価する時、人単位で見ると論が歪むのよ。
行為単位で切り分けて見るのをマジでオススメする。
「爆豪くんは最終的に成長して立派なヒーローになった!」
は正しいだろうけど、
「だから最初のいじめは些細なこと!」
とつなげ、
「そこだけを見て爆豪くんを嫌いになるのはおかしい!」
みたいに繋げる厄介な全肯定ファンが、爆豪くんの評価を歪めている。
「最終的に改心して立派なヒーローになったこと」
と
「最初はめちゃめちゃクズだった」
ことは両立するし、
最終的な爆豪くんを見て、立派になったなーと思う人もいるだろうし、それでもまだ罪の清算が足りていないと思う人もいるだろう。
そんで、最初の爆豪くんだけを見て、こいつ嫌いだなー、と思う人も当然いるのだ。
その多種多様な読者の受け止め方を、厄介な全肯定ファンは、悔しいだろうが受け入れるべきだ。
みんなは君じゃない。
君はみんなじゃない。
その上で、グッと堪えて。
「でもさ…こいつが泣きながらデクくんに謝るとこ、見たくない…?」
などと言って勧め、謝るまでの長い長い250話を読ませる狡猾なファンになってはどうだろうか。
それがきっと、爆豪くん本人にとっても。
無理筋で過去の悪行を擁護されるより、ずっと嬉しいことだと思うぜ。
うまくファン活動をやれ。
わしからもたのむ。
