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メタバース探訪記

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私、咲文でんこが執筆したメタバース関連の記事を集めています。ライターとしての視点と、ユーザーとしての経験を融合させた独自の観点から記事を執筆していきます。
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記事一覧

頑張ってるのに評価されない? メタバースの"承認欲求の罠"を抜け出すための方法

 メタバースって、ほんとにできることが多いんですよね。  アバターを作る、ワールドを作る、イベントのキャストになる、DJを始める……。現実ではハードルが高いことでも、メタバースならすぐに挑戦できます。  だからこそ、「〇〇のキャストをやってます」とか、「イベントを主催してます」とか、「DJをやってます」とか。そういう肩書きが自己紹介の手段になっているし、一種の名誉にもなっている現状があります。  そういったところから影響を受け、新しいチャレンジをしてみるけど、SNSのフ

メタバースにおける創造力と表現を振り返って。誕生日ミームが教えてくれた新しいつながりの形

※ サムネイルはaimy◂Ⓘ▸えいみさん作  何かを“表現”する。それは、技術的なスキルだけでなく、人々の想いや感動を形にする手段だと思います。そしてメタバースは、そんな多様な表現が可能な場所だと思います。  改めまして、咲文でんこと申します。clusterを中心にメタバースで活動している、フリージャーナリスト/ライターで、リアルの誕生日は11月12日。つまり、この記事が公開されたちょうど1ヶ月前になります。  そんな11月12日(正確には11月11日の夜)に、友達のい

モノラルの音が見た未来。clusterのDJカルチャーを紡いできたDJへの感謝の気持ちを添えて

 2020年12月25日は、私にとってclusterとの大きな出会いの日となりました。「降り立った」のか「入り込んだ」のか、その表現の選び方に迷うほど特別な日であり、後のclusterのDJイベントカルチャーにとっても重要な転換点だと私は思っています。  この日は、当時週3回営業していた雑談&カジノバー「幸甚亭」のクリスマスパーティ「幸甚亭クリスマス 2020 ~1時まで延長戦~」が開催されていました。  私に関わるあらゆる人の耳が爆発しそうなくらい繰り返し言ったり書いた

バーチャルの先にある可能性。メタバースの世界へのお誘い

※ この記事は「VTuber・Vクリエイター Advent Calendar 2024」の5日目の記事です。  私がVTuberとして活動するきっかけになったのは、2020年12月25日。今で言うメタバースという空間との出会いからでした。  今でこそメタバースという言葉は一般的になっていますが、2020年末はまだこの言葉が一般的ではない時期でした。  きっかけは、ある投稿との出会いです。当時、私が長年フォローしていたブロガーさんが、「バーチャル空間でDJイベントを開催し

メタバースと出会い、変わらないはずの未来が変わった

 「これが、新しい私——」 思いがけない場所で、人生を変える扉が開きました。  インターネット上に存在する仮想空間、あるいはバーチャル空間と呼ばれる新たな世界。ここでは端的に「メタバース」という表現をしますが、その世界に飛び込み、人生が変わっていった私の話をさせてください。  「もう私の人生は大きく変わらないだろう。」  ずっとそう考えていました。会社員と並行しながらゲームライターとして活動するという2足のわらじ。会社員としては毎日を同じ電車に乗って通勤し、ゲームライタ

メタバースだからこそ要注意。好きなものだけの世界は、本当に"理想の世界"なのか?

自分の好きな空間、好きな友達、好きなコミュニティ。それだけに囲まれる未来に、私たちに何が起きるのでしょうか?  SNSをはじめ、インターネット上でのアルゴリズムが進化する中で、私たちは常に「自分の関心に合ったもの」を提供され、それに囲まれた世界が「自分にとっての世界」だと感じやすくなっています。  それがメタバースでどのように表現され、日常化されていくのか。そして、その先に待つものは本当に望ましい未来なのか、あるいは見えない代償が潜んでいるのかを考える時期がきているのかも

¥300

トラブルから始まったVR創作の物語。"生きている展示会"であるUniFestaの魅力

 きっかけはたまたまでした。いつも使っているMeta Quest 2が不調だったので、トラブルシューティングをしていた私。トラブルを解消したあと、そのまま何となく訪れたのが、メタバースプラットフォームのResonite、そしてUniFestaという展示会でした。  Resoniteには以前から時々、観光気分で遊びに行っていましたし、朝早く起きられる日々を過ごしていたときは、ラジオ体操にも参加していました。そんな日常の中で出会ったのが、しずくさんでした。  なんとなく遊びに

2024年8月28日にclusterというバーチャル空間が切り開く未来を感じた話

 狂気の連鎖が生み出すのは何でしょうか。私には上手く説明できないのですが、狂気こそが、そして狂気の連鎖こそが私たちを魅了し、新たな世界を創造しているのかもしれないと思いました。  それは私が長い時間を過ごしているメタバースという世界、狭くいうと「cluster」というプラットフォームのお話しです。  「メタバース」という単語が広く知られる前から、(当時はバーチャルSNSと呼んでいましたが)clusterは日本発のバーチャル空間のプラットフォームとして存在していました。

"聞き上手"と言われる私が使う、3つのコミュニケーション術を明かします

 ありがたいことに話を聞くのが上手いと言われることが多いです。特にメタバース空間では雑談バーをやっているので、その部分が大きいのかもしれません。  確かにメタバース空間でのコミュニケーションは、現実世界とは異なる独特の雰囲気を持っています。ですが、その本質は変わりません。効果的なコミュニケーションの鍵は「話す」ことにあります。 聞く技術は話す技術 「話を聞く話だと思ったのに『話す』ことの話なの?」と思われると思います。実際に多くの人は、「聞く」ことと「話す」ことを別々のス

¥0〜
割引あり

「なぜあなたの活動は拡散されないのか」成功の鍵はマーケティングと広報の"力"にあるという話

 VRChat、cluster、Resonite、バーチャルキャストといったメタバースでは、日々様々なイベントや活動が展開されています。キャストイベントや音楽イベント、演劇などもありますよね。アイドルイベントや歌イベントなど、本当に多岐に渡ります。  そんな活動者の方々のお話を聞いたり、SNSを見ていると「こんなにすごい活動をしているのに、なぜか注目されないんです」、「どうしてメディアは自分に取材に来ないんだ」。そんな声を聞いたり、SNSで見たりします。  その理由はシン

メタバースにおけるコミュニケーションのキャッチボールについて考えた話

 最近、「コミュニケーションはキャッチボール」(伊藤守 著)という本を読みました。タイトルを見て、ノータイムでこの本を取りました。なぜなら、この「コミュニケーション」というテーマは、ここ数年、私が常に考え続けているトピックの1つだからです。  振り返ってみると、このテーマについて考えることになった始まりは謎部えむさんが「要談」という概念に触れたときまで遡ります(もう2年前なんですね)。  私は、メタバースという仮想空間で長い時間を過ごしています。そこでは、現実世界以上にコ

メタバースって儲かるの?新規参入と既存プラットフォーム活用について考えてみた話

 「メタバースって儲かるの?」  私は「多分、儲かると思いますよ」と答えます。  それは、メタバースが儲かるかを問うということは、それは新しいインフラ/プラットフォームが生まれた時の収益性を問うのと同じだからです。  歴史を振り返ると、技術革新で新しい人類のインフラが生まれ、それらをベースにした新たなプラットフォームが生まれ、経済的なブームは繰り返し起こってきました。  ドットコムバブル(懐かしい!)を例に挙げるまでもなく、スマートフォンの爆発的な普及により、ソーシャ

おはよう真夜中さんの新曲を聴いて、バーチャルシンガーが拓くメタバースの可能性を感じた話

 私たちが日常を過ごす現実世界とは異なる次元に、メタバースを代表とする、バーチャルな世界が広がっています。そこで活躍する新たな音楽の担い手、バーチャルシンガーたちが、音楽文化に革新をもたらしつつあります。  その中でも注目すべき存在の1人が、おはよう真夜中さんです。「貴方の夜に寄り添う歌を歌いたい」というコンセプトのもと、cluster、REALITY、YouTubeなど様々なプラットフォームで活動し、オリジナル曲の制作や歌ってみた動画の投稿、さらにはバーチャルライブやミュ

「あなたも一緒にメタバースでチャレンジをしてみませんか?」DJイベントを1年間主催してみて、改めてこの世界に遊びに来て欲しいなと思った話

 2023年の7月23日、私がメタバースプラットフォーム「cluster」でスタートしたDJイベント「Ravers in Cluster」。  2024年7月、私が始めた「Ravers in Cluster」というメタバースイベントが1周年を迎えました(実質的な活動期間としては約半年ですが)。  自分でちゃんと主催イベントを始めて、そしてイベントを続けたこの約半年間、合計で7回のイベントを開催してきました。規模で言うと、演者さん・スタッフさんを含めるとそれぞれの回で大体5