ニコ生でニュートリノ(ニコ生風科学番組のすすめ)
9月30日にニュートリノの件で素粒子物理のことで初めてニコニコ生放送に出ました。以前一度GCM 611 にでたこともあるのですが、あの時は予定を極端に越える観客がいて、放送の方は意識していませんでした。
今回は観客のいないスタジオで尾関さん、阪大の菊池さん、SF 作家の野尻抱介さんと一緒に出ました。台本がきたのが前日で、それから昨日公開したスライドをつくりました。当日の打ち合わせではタイムマシンについての解説の要望が多いのではないか、尾関さんがこうだったらこうなるのではないかと案をだされるのが、全く頭にはいらず、まあ適当だね、ということで時間切れになりました。放送中そこはグダグダだったと思います。ただ今回のように、新聞テレビですと紙面や放送に乗るときに全くニュアンスが変わってしまうような「危険な話題」の時には、あえてグダグダを選択するのがいいと思いました。光速より早い粒子があって、他の粒子は光速以下であるという模型を理論的に構築するのは難しいのです。例えば放送中に一つニュートリノが光速より早くなる模型をご紹介しましたが、実はその模型では理論はnull energy condition という大事な条件を破っていることが示されています。もと論文はこちらになります→( http://arxiv.org/abs/1109.5687)
ニコ生の放送スタジオでは目の前に大きなテレビがあって、コメントが画面の上に表示されます。コメント機能の良さを纏めると
1) 視聴者の反応が分かる
2) 視聴者同士で今の話の値付けができる(みんなはわかっているか、重要な話か)
3) 解説になっている
4) グダグダになってもコメントがおもしろい
ではなかろうかと思います。
4人でやっていたので、他の人がしゃべっている時は気持ちの余裕もあり、コメントでリアルタイムで視聴者の反応をみることができるのはありがたいことでした。普通の講演会より双方向で良かったと思います。朝カルなどの講演会の時はみなさんまじめに聞いていて、講演の内容量が多い(これは私の問題かもしれません)どうしても時間がおします。ニコ生のコメントは何かいうと一瞬で反応が流れるというのはテレパシーみたいで悪くない感じです。ニュートリノの説明は長すぎたのではないかと思いましたが、みなさんついてきて頂いているようで安心しました。あと尾関さんや菊池先生が素晴らしくて、わかりにくそうな言葉に間髪いれず突っこんでいただけます。長く一般向けのサイエンスコミュニケーションをされている蓄積だと思いました。ニコ生のコメント自体も、一種の解説のような働きをしていて、通りが悪い言葉を言ってしまうとすかさず解説をいれてくださる方がいたようでした。野尻SF先生がバナナに爪楊枝刺すのはどうかと思いましたが、視聴者の盛り上がりは良かったです。
今回ニコ生の視聴者数が3万強ということでした。こういう固い内容にしては異例だということでした。
3万というのはテレビで成り立つにはおそらくかなり少なく、科学雑誌の売り上げに部数と比べると良い数です。ニュース報道からすぐ放送に持っていったことが高視聴数にむすびついたのでしょう。チャンネル数が決まっていないUST の、雑誌やテレビにない強みが発揮されたのだと思いました。客層が若いこととをディレクターの方が心配されていましたが、科学技術に詳しいインターネットユーザーも相当数いるようです。
打ち上げの時スタッフの方と話したのですが、今後もニコ生で同様な試みをしていただける余地はあるのではないかと思いました。時間に余裕がとれるので、内容や研究の雰囲気も伝わるのではないかと思いますので、研究者の方、また研究機関等でも、ネットワーク放送からの依頼を真剣に検討していただく価値はあるのではないかと思います。
有料会員にならないといけないようですが、タイムシフト視聴があるようです。 http://bit.ly/o9sWeG
# あれこれつっこみが入っているところ。
今回は観客のいないスタジオで尾関さん、阪大の菊池さん、SF 作家の野尻抱介さんと一緒に出ました。台本がきたのが前日で、それから昨日公開したスライドをつくりました。当日の打ち合わせではタイムマシンについての解説の要望が多いのではないか、尾関さんがこうだったらこうなるのではないかと案をだされるのが、全く頭にはいらず、まあ適当だね、ということで時間切れになりました。放送中そこはグダグダだったと思います。ただ今回のように、新聞テレビですと紙面や放送に乗るときに全くニュアンスが変わってしまうような「危険な話題」の時には、あえてグダグダを選択するのがいいと思いました。光速より早い粒子があって、他の粒子は光速以下であるという模型を理論的に構築するのは難しいのです。例えば放送中に一つニュートリノが光速より早くなる模型をご紹介しましたが、実はその模型では理論はnull energy condition という大事な条件を破っていることが示されています。もと論文はこちらになります→( http://arxiv.org/abs/1109.5687)
ニコ生の放送スタジオでは目の前に大きなテレビがあって、コメントが画面の上に表示されます。コメント機能の良さを纏めると
1) 視聴者の反応が分かる
2) 視聴者同士で今の話の値付けができる(みんなはわかっているか、重要な話か)
3) 解説になっている
4) グダグダになってもコメントがおもしろい
ではなかろうかと思います。
4人でやっていたので、他の人がしゃべっている時は気持ちの余裕もあり、コメントでリアルタイムで視聴者の反応をみることができるのはありがたいことでした。普通の講演会より双方向で良かったと思います。朝カルなどの講演会の時はみなさんまじめに聞いていて、講演の内容量が多い(これは私の問題かもしれません)どうしても時間がおします。ニコ生のコメントは何かいうと一瞬で反応が流れるというのはテレパシーみたいで悪くない感じです。ニュートリノの説明は長すぎたのではないかと思いましたが、みなさんついてきて頂いているようで安心しました。あと尾関さんや菊池先生が素晴らしくて、わかりにくそうな言葉に間髪いれず突っこんでいただけます。長く一般向けのサイエンスコミュニケーションをされている蓄積だと思いました。ニコ生のコメント自体も、一種の解説のような働きをしていて、通りが悪い言葉を言ってしまうとすかさず解説をいれてくださる方がいたようでした。野尻SF先生がバナナに爪楊枝刺すのはどうかと思いましたが、視聴者の盛り上がりは良かったです。
今回ニコ生の視聴者数が3万強ということでした。こういう固い内容にしては異例だということでした。
3万というのはテレビで成り立つにはおそらくかなり少なく、科学雑誌の売り上げに部数と比べると良い数です。ニュース報道からすぐ放送に持っていったことが高視聴数にむすびついたのでしょう。チャンネル数が決まっていないUST の、雑誌やテレビにない強みが発揮されたのだと思いました。客層が若いこととをディレクターの方が心配されていましたが、科学技術に詳しいインターネットユーザーも相当数いるようです。
打ち上げの時スタッフの方と話したのですが、今後もニコ生で同様な試みをしていただける余地はあるのではないかと思いました。時間に余裕がとれるので、内容や研究の雰囲気も伝わるのではないかと思いますので、研究者の方、また研究機関等でも、ネットワーク放送からの依頼を真剣に検討していただく価値はあるのではないかと思います。
有料会員にならないといけないようですが、タイムシフト視聴があるようです。 http://bit.ly/o9sWeG
# あれこれつっこみが入っているところ。
by mihoko_nojiri
| 2011-10-02 08:29