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ハリルホジッチ監督を酷評する理由をスポーツ新聞記者に聞いてみた

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

サッカー日本代表はロシアワールドカップのアジア最終予選の4試合を消化し、現在2勝1分1敗の勝ち点7でグループBの3位につけている。

初戦のホームUAE戦に負けたことで、スポーツ新聞各社がこぞってハリルホジッチ監督を酷評する記事を書き始めた。初戦に敗れた後、3試合で2勝1分けと成績を持ち直しているにもかかわらず、まるでゴシップ週刊誌のようなゲスな書き方でハリルホジッチ監督を酷評する記事を連発しているのだ。

ハリルホジッチ監督の解任はひとまず先送りとなった。「この試合に関して後悔はしていない。戦術の準備もしっかりしていた。フィジカルも管理していた」。指揮官の憎らしいほどのドヤ顔が戻って来た。

出典:ハリル監督 解任危機渦巻く中…逃げ切り失敗もドローでドヤ顔(スポニチ)

会見では「斎藤は重圧につぶされると思って使わなかった」と言ってしまう始末。「後半、監督から守備の方法を変える指示が出て流れが変わった」と話す選手も出るなど、求心力は低下しつつある。

出典:日本協会、今月中にもハリル監督進退会議 手腕検証(日刊スポーツ)

戦術的な真っ当な批判であればまだいい。しかし監督解任が既定路線かのような印象操作をして、ひたすら監督の言動の揚げ足を取る記事の書き方は目に余るものがある。

なぜこんなにもスポーツ新聞各社はハリルホジッチ監督をクビにしたいのだろうか?

素朴な疑問を感じたので、私は知り合いのスポーツ新聞記者何人かに質問のメッセージを投げてみた。そうすると、ひとりの記者が匿名を条件に質問に答えてくれたので、そのやり取りをここに公開する。

情報リテラシーが問われる時代

画像

閲覧する端末によっては画像が小さくて文字が読めない場合があるので、メッセージのやり取りを文字起こししておく。

アシシ:それにしても、スポーツ新聞のゲスな記事は読んでて吐き気がします。批判するならそんなゴシップ週刊誌みたいな書き方しないで、真っ当に批判すればいいのに・・・と僕は思うんですが、やっぱり売上のことを考えると、そうやってゲスな書き方で批判した方が売れる、というのがスポーツ新聞のスタンスなんでしょうか?

記者:あれが褒められる記事なんです。悲しいことなんですが、ああいう記事を書けないと業界的には負けなんです。。そういう土俵での勝負、もうやめたいなって思うことも少なくないんですが、現実は辛いものがあります

アシシ:もうスポーツ新聞って名乗るのやめましょうよw

記者:各社の上層部が野球畑の出身者が多いので、真っ当なサッカー論は会議でボツになることもあるんです。野球アンド競馬新聞

アシシ:それ書いていいですか?w 匿名で!

記者:匿名でもバレバレです。苦笑 6紙しかないので、すぐ身元割れそう。。上層部にサッカー知ってる人少ないのは事実なので、大丈夫ですよ

結論としては、スポーツ新聞の上層部にはプロ野球を何十年と取材してきた記者たちが多いため、サッカーを真っ当に批判する企画が構成段階で通らないのが実情のようだ。

これはあくまでひとりのスポーツ新聞記者の見解であるため、鵜呑みにするのは危険だが、現場の一記者の意見として大いに参考になるだろう。

言わずもがな、今は情報リテラシーが問われる時代だ。マスメディアが発信する記事の裏にはどういった事情があるのか、常に疑う姿勢が必要とも言える。

是非読者の方々には、マスメディアの煽動記事に煽られることなく、自身の眼で正しく情報の取捨選択をしてほしいと願うばかりだ。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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