石川県金沢市に本社を構える三谷産業は11日、公共図書館向けに利用者カードをスマートフォンで代用できるシステム「デジタル利用者カードシステム」の開発を発表。12月初旬からの石川県内の図書館での導入を予定している。

膨大な活字文化による情報を得ることができる図書館。識字率の高さは、昔から日本の誇る文化の一端だが、日本国内では公共図書館を設置する自治体は1,380にものぼるという。デジタル化はまだ一般的ではないというが、三谷産業は、この図書館での図書貸し出しに利用されるカードをスマートフォンで代用できるシステムを東京都内のベンチャー、ニューフォリア社と開発する。

利用希望者のスマートフォンに届く登録メールから新規会員登録を行い、スマートフォン上で会員証バーコードを表示するシステムは、図書館のカードを忘れた際にも、常に携帯するスマホで会員証バーコードを見せるだけで図書を借りられる。画面キャプチャを防止する機能を備えるなど不正利用防止する仕組みを取り入れることでIDやPASSの都度の入力を省き、ユーザーのみならず図書館側でもカードを忘れた際の業務工数が減るという。

  • 「デジタル利用者カードシステム」利用の流れ(同社資料より)

    「デジタル利用者カードシステム」利用の流れ(同社資料より)

三谷産業は、昨年12月にデジタルテクノロジーを活用した新事業やサービスを募る「MITANI Business Contest」を開催しており、Web標準化団体W3Cの日本会員にも名を連ねるニューフォリアは、協賛企業賞を獲得している。