兵庫日銀短観、全産業DIは2期連続の小幅悪化 24年度の経常利益は下方修正

20241214短観総括表

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が13日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、12月調査)の兵庫県分では、全規模・全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から1ポイント悪化のプラス13だった。業況判断DIは小幅ながら2期連続の悪化。内需の影響が大きい非製造業の景況感が悪化したのが響いた。製造業では原材料高や海外景気の意識しながらも、再び円安が進行して輸出が支えられたもようだ。一方で先行きについては慎重な見方が増えた。米トランプ次期大統領の経済政策の影響など、国際情勢の不透明感があるという。

 調査期間は11月11日〜12月12日。兵庫県内の326社が対象で、99.4%の会社から回答を得た。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 業種別にDIをみると、製造業は2ポイント改善のプラス7になった半面、非製造業は6ポイント悪化のプラス19と悪化に転じた。タイヤを含む「ゴム製品」は製造業では円安進行によって業況が改善。「輸送用機械」のうち造船では、省エネ型のエンジン需要が増えたという。非製造業では「宿泊・飲食サービス」や業務用食品などの「卸売り」などが猛暑・残暑と台風13号による観光需要の後退の影響を受けた。輸入商社などの「卸売り」では、「小売り」とともに円安による仕入れ価格の上昇が響いた。

20241214短観グラフ

 24年度の収益計画は4年連続の増収増益見通しを維持した。ただ経常利益見通しは、全規模・全産業で1.6%増の見通しと、前回調査の5.1%増から下方修正になった。製造業は2.3%増と前回調査時に比べて6.8ポイントの下方修正。9月期末時点での円相場が、3月の前期末に比べて円高だったことによる為替差損の計上や、人件費を中心とした各種コストの上昇が響いた。ただ非製造業は8.9ポイントの上方修正で0.3%減の見通し。増加したコストの価格転嫁が進んだことなどが背景にあるという。

 業況判断DIが2期連続で悪化したとはいえ高水準で推移していることから、記者会見した日銀の別所昌樹・神戸支店長は「業況感全体が大きく腰折する印象は受けていない」との見方を示した。今後の経済情勢を見極めるうえでは、引き続き海外情勢や国内の賃金・物価動向に注目するのに加え、来春に控える大阪での国際博覧会、神戸空港の国際線就航、神戸市内の大型アリーナ開業などから「神戸・兵庫の魅力が内外に発信されて、さらなる観光需要の喚起につながることを期待している」と話していた。

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