【大塚グルメ】シルクロードの麺料理「ラグメン」と羊肉料理が旨すぎるガチ中華『食遇・楼蘭』で一生分の羊肉を喰らい尽くす

2024年12月24日(火)18時0分 食楽web


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●いま都内有数のエスニックグルメ・タウンとなりつつある大塚に、見逃せないレストランがオープンしました。その店とは『ハラール中華 食遇・楼蘭(しょくぐう・ろうらん)』。その魅力をレポートします。

 中国のシルクロード周辺、新疆エリアの料理を中心に、すべてのメニューがハラール(イスラム法に則り、イスラム法的に正しい方法)の中華料理店です。

 ハラール中華の店は都内を中心に増えてきていますが、ここは特にメニューの豊富さとおいしさで群を抜いた存在だと思います。中でも羊肉料理と、新疆の麺料理・ラグメンのバリエーションには目を瞠(みは)るものがあります。

 今回、そのラグメンや羊料理を食べまくってきたので、その全貌をご紹介していきましょう。

『ハラール中華 食遇・楼蘭』で羊祭り!


JR大塚駅から徒歩約3分。大通り沿いで見つけやすい

『食遇・楼蘭』はJR大塚駅南口を出て左側に伸びる大通り沿い、団地の一階にあります。画像の通り、店全体がオレンジ色に輝いているので遠くからでもわかりやすいです。


オレンジ色中心ですっきり可愛らしい店内

 ディナータイムは16時30分から。17時過ぎから続々とお客さんが入ってくるので、大勢で訪れる際には予約しておいた方が安心です。
 
 食遇・楼蘭のオーナー・牟明輝(ム・メイキ)さんは中国の大連出身。都内で雲南料理店など数店舗の中国料理店を経営しています。ちなみにハラール中華の店は日暮里にもあり(『ハラールキッチン』)、大塚のこの店は2軒目とのこと。

 しかし、なぜ大塚にハラール中華をオープンしたんでしょうか?

 牟さん「大塚にはイスラム教のモスク(マスジド大塚)がありますが、ムスリムの人が食事できるハラールの店が少なくて困っているという話を聞いたので、ハラール料理の店を始めたんです。この店は中国の新疆料理ですが、中国人だけではなくインドネシアとか他の国のムスリムの人もたくさん来てくれていますよ」

 なるほど、確かに店を訪れた日も、日本人や中国人は言うに及ばず、さまざまな国のムスリムの人たちが食事を楽しんでいました。ちなみに、ノンムスリムの人も楽しめるようにアルコールドリンクも置いてありますが、使うグラスなどはハラールのものとは厳密に区別して管理されています。


ずらりと並ぶラグメンのラインナップ

 ところで、ラグメンってどんな料理? と思った人もいるでしょう。これは、中国の新疆ウイグル自治区や西安以西の地域、中央アジア全域で食べられている麺料理で、ラグマンと呼ぶ地域もあります。よく見かけるのは、羊肉と野菜が入ったトマトベースのソースを、幅広のうどんのような麺にかけたもの。地域や店によっていろいろなタイプがありますが、この店のラインナップはなんと6種類! 筆者はこれまで色々な店でラグメンを食べてきましたが、こんなに種類の多い店は初めてです。


シェフは新疆出身

 まずは、「トマト入りラグメンのスパイシー炒め」をオーダー。強火で熱した中華鍋に次々と具材を投入して鮮やかな手つきで鍋を振りながらラグメンを仕上げていくシェフ。その動きを見ているだけで、これは絶対おいしいに決まってる! と確信できます。


「トマト入りラグメンのスパイシー炒め」1280円

 具沢山のラグメンは、なんとも良い香り! 肉は羊肉です。具材にしっかり味付けした上で、強火で麺と炒め合わせているので、麺にも味がしっかりついていて一体感があります。

 モチモチの麺に絡むピリ辛なトマトソースは香辛料が控えめなので、エスニック料理を食べ慣れていない人でもおいしくいただけると思います。味付けも炒め具合も絶妙で、一皿が大盛りくらいの量なのですが、一気に食べ終えてしまいました。


「八宝茶」680円

 飲み物は牟さんおすすめの八宝茶をいただきました。中国緑茶に菊花、龍眼、クコの実など様々な漢方素材をブレンドした美容健康茶です。ジョッキに入れた茶葉にお湯を注いでいただきます。氷砂糖が入っていてほんのり甘く、爽やかな香りが楽しめます。お湯がなくなったら足してもらえば2、3回はおいしく飲めます。

絶品すぎる羊料理が続々と出てくる


「手づかみで食べるラム肉」980円

 さて、ここからはめくるめく羊肉料理が目白押し。まずはシンプルに羊肉を塩茹でした「手づかみで食べるラム肉」。モンゴル料理でいう「チャンスンマハ」です。この肉の量でこの価格、合ってます? と言いたいほどのコスパの良さにびっくり。牟さんによるとほぼ原価で出しているそう。

 ニンニク醤油系のタレにつけていただくと、柔らかくも程よい歯応えで、いかにも「いま自分は肉を喰らっているのだ」という満足感でいっぱいになります。


「ラムスペアリブとナンの新疆風味」1980円

 続いて、「ラムスペアリブとナンの新疆風味」は、ラムのスペアリブが野菜と共に煮込まれた中華風のカレー。ラムはトロトロで口に入れた途端にとろけます! ナンでスープをすくい取って、一滴たりとも余すことなくいただきます。


「ラム内臓ミックス炒め」1680円

 ラム肉は食べたことがあっても、モツを食べたことがある人は意外と少ないのでは? この「ラム内臓ミックス炒め」は、羊のモツの多種多様な部位が香味野菜と共にピリ辛で香り高く炒められてた一品。この料理で実感したのですが、この店は炒め物が抜群においしい! 


「ラム肉大串(2本から)」1本280円

 こちらは「ラム肉大串」。クミンと唐辛子でスパイシーに味付けられたラム肉は香ばしくかつジューシーに焼き上げられていて、食べ応えも抜群。思わずビールが欲しくなります。


「クレープで包んで食べるラム肉炒め」1180円

 まだまだラム肉の饗宴は続きます。これは「クレープで包んで食べるラム肉炒め」。北京ダックよろしく、中国のクレープ(カオヤーピン)でラムのひき肉と野菜を包んでいただきます。


「ジャガイモの飴がけ」1180円[食楽web]

 最後のデザートは、さすがに羊じゃありません。素揚げしたジャガイモの飴がけです。大学芋のポテトバージョンですね。熱々のうちに急いでいただきます。意外な組み合わせですが、これがクセになるおいしさ。この食遇・楼蘭はハラール中華ということで珍しいメニューが多数。初めての人にもぜひ行って体験してほしいお店です。

●SHOP INFO
店名:ハラール中華 食遇・楼蘭(しょくぐう・ろうらん)
住:東京都豊島区南大塚2-36-1 都営南大塚二丁目アパート団地105号室  
営:11:00〜15:00(14:30LO)、16:30〜22:30(22:00LO)
休:無休

●著者プロフィール

工藤真衣子
写真家。人物を中心に様々な媒体で撮影。グラビア、インタビュー、プロフィール、ドラマ映画スチールなど。ライター:食レポ、レシピ記事は現地系異国メシ、珍しい食材、味のある店など個人的に好きな店や料理を紹介。新宿御苑前で写真館「スタジオ アトリーチェ」経営。

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