【ひとりでも大丈夫】“自分を満たす”心地よい孤独の楽しみ方

2025年1月10日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【ひとりでも大丈夫】“自分を満たす”心地よい孤独の楽しみ方

「いつも気を使い過ぎて、心が疲れてしまう」「このままで大丈夫なのか、自信がない」と不安になったりモヤモヤしてしまうことはないでしょうか? そんな悩みを吹き飛ばし、胸が晴れる気持ちにしてくれるのが『精神科医が娘に送る心理学の手紙——思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』です。悩む人たちに40年以上向き合ってきた精神科医が、自分の娘に「どうしても伝えたかったこと」を綴った本書は、韓国で20万部を超えるベストセラーとなりました。本記事では、その内容の一部を紹介します。

Photo: Adobe Stock

ひとりでいられるのは「自我」の力によるものだ。

イギリスの精神分析家、D・W・ウィニコットは、「子どもは、自分の情緒的要求に適切な反応を与える母親(養育者)と一緒にいることで、ひとりでいることに耐える能力を少しずつ発展させることができる」と説いている。

つまり、ひとりでいられるということは、関係を結ぶ能力と同じくらい成熟度を測定する重要な基準なのだ。

だからひとりを楽しめる人は真の自分自身とつながることができるため、他人とも健康な関係を無理なく結ぶことができる。

「ひとりであることを受け入れる」態度は、他人との関係を切り捨てるのではなく、むしろ関係の親密度を高めるのだ。

私は数多くの患者と向き合ってきたが、彼らの悩みの原因は深いところでは皆同じだった。

それは、「自分の内面をおろそかにしたこと」に尽きる。

底の抜けた甕《かめ》のように、自分の内面も底が抜けていればどんなに頑張っても満たされることはない。そのむなしさは自分だけでなく他の人までをも疲弊させる。

『シンプルな豊かさ』(早川書房)の著者、サラ・バン・ブラナックは、四半世紀にわたってアメリカの大手日刊紙などで精力的に活動してきた記者だった。

記者時代のある日、彼女はにわかに思い立ち、「自分が本当にやりたいことをやろう」とあらゆる社会的成功に背を向けて作家の道を選んだのだ。

ブラナックは、「人生はひとりで発つ旅だ」といい、自分の内面を顧みることをおろそかにしている人たちに向かってこう言っている。

「あなたは今、誰かの子どもか、誰かの親、そして、誰かの配偶者か、誰かのきょうだいであるだろう。(中略)ほかにも、あなたの人生にかかわる人との関係は星の数ほどある。そんな数多くの関係の中で生きていながらも、あなたはふとした瞬間に、寂しくてもの悲しい気分になる。なぜだろうか? 自分のためだけに生きたとしても短い人生なのに、あなたは昨日も今日も、あなたの人生に鈴なりにぶら下がっている“誰か”のためにと、自分のための人生を後回しにしているからだ。他の誰かのために生きる人生をやめないかぎり、あなたは今後もひどい孤独に苦しめられるだけ」

イギリスの作家、ヴァージニア・ウルフは、1929年に発表したエッセイ集『自分ひとりの部屋』(平凡社)で、「女性には“自分ひとりのもの”と呼べる時間が日に30分もない」と指摘している。

ウルフが生きていた時代の女性に比べれば、現代の女性たちは積極的で自由な時間を持っているように思えるが、個人の内面をのぞくと今も昔も大差はなさそうだ。

時代は変われど、相変わらず女性たちの心の中にはひとりでいることに対する恐れが巣くっていて、結婚せずひとりで暮らしている女性はどこか欠けた存在だと考える向きがある。

そこには、いまだ女性は男性の目にどう映るか、どうすれば好まれるのかに敏感に反応するよう育てられていることが影響している。

このことが、女性たちを本来の自分からますます遠ざけているのだ。

(本記事は『精神科医が娘に送る心理学の手紙——思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』の一部を抜粋・編集したものです)

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