物理学者野村泰紀が解き明かす重力の謎と人生観
毎週日曜日21時30分からTBSラジオで放送されている『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』は、志をもって生きる様々な人々の人生観を掘り下げるインタビュー番組です。1月5日と12日には、物理学者でありカリフォルニア大学バークレー校の教授、野村泰紀さんがゲストとして登場しました。
子供時代からの重力への向き合い
初日の放送では、物理学に対する野村さんの幼少期からの情熱について語られました。彼が「重力はなぜ存在するのか?」という問いを持ったことで、物理学への興味が芽生えました。この疑問は、彼の学問への道を切り開くきっかけとなりました。東京大学に在学中、宇宙の成り立ちについて深く学びたいという欲求が高まり、物理学の研究に専念するようになったとのこと。
その後、恩師との出会いが彼の学問人生に大きな影響を与えたといいます。研究の中での疑問や発見が、彼をさらに探求へと駆り立てたのです。そして、その恩師から受けた教えを糧に、国内外での研究を通じて物理学の世界を広げていきました。
アメリカでの挑戦と学び
続く二夜目の放送では、東大大学院時代に渡米し、フェルミ国立加速器研究所からカリフォルニア大学バークレー校の教授に就任した経緯について詳しく触れました。アメリカでの研究生活は、彼にとって新たな挑戦の連続だったと言います。物理学の最前線で学び感じることは多かったが、それ以上に「物理学の面白さをわからない人が、その面白さを理解する瞬間を見る」ことが彼にとっての魅力だと語りました。
野村さんは、最新著書『なぜ重力は存在するのか』が好評を得ており、重版を重ねていることや、YouTubeでも彼の研究や考え方が注目されていることを紹介しました。学問の普及を目指し、コミュニケーションの場を広げる努力を怠らない姿勢が伝わってきました。
人間としての哲学
野村泰紀氏の言葉には、物理学者としての専門性だけでなく、一人の人間としての哲学が色濃く反映されています。物理学が教えてくれるのは、単に理論や数式でなく、私たちの人生や存在の根源について考えさせる機会です。彼は、自身の研究を通じて、人生の不確かさや興味深さを感じ、自身の生き方や価値観にも深く関与させています。
今回の放送では、野村さんの情熱と探求心が多くのリスナーにインスピレーションを与え、特に若い世代に向けたメッセージとして多くの示唆を提供しました。物理学の面白さとともに、その背後にある人間的な側面も大切にしていく彼の姿勢は、これからの科学の未来を切り開く鍵となるでしょう。
番組『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』では、今後も様々な志を持ったゲストの声を届けていきます。次回の放送をお楽しみに!