なぜ強大なギガントピテクスは絶滅したのか?
ギガントピテクス(学名:Gigantopithecus blacki)は約200万年前に出現し、20〜30万年前まで中国に生息していた大型類人猿です。
見つかっている化石の種類は少ないものの、これまでに4つの顎骨と数千本の歯が回収されており、大臼歯(奥歯)などは25.4ミリ四方もありました。
下顎骨の長さはホモ・サピエンス(現生人類)の2倍以上に達し、こうした規格外の数値から身長約3メートル、体重300〜500キロに達したと推定されています。
間違いなく、地上に存在した史上最大のヒト科動物です。
また歯の調査から主に果実を餌とする植物食であったことが分かっており、生態は現在のオランウータンに近かったと見られています。
しかしながらギガントピテクスが最終的にいつ、どんな理由で絶滅に至ったのかは解明されていません。
いくつかの先行研究から、ギガントピテクスの化石分布を見ると、彼らの生息域が絶滅時期に近づくにつれて著しく縮小していたことは示されていました。
しかしこの衰退の正確な時期や理由までは明らかになっていません。
ホモ・サピエンスを含む他の霊長類が繁栄に向かう中で、どうして最も強大なギガントピテクスは絶滅してしまったのでしょうか?
この謎を解き明かすべく、研究チームは調査を開始しました。