今日オープンしたQuartzが、ニュースレターをメインに置くのはめっちゃいいと思う。




明日11月14日から、みなさんのメールボックスに、Quartzによる「次世代ビジネスパーソン」のためのニュースレターが毎日届きます。わざわざ、無限に広がるネットの海を泳がなくても、毎日朝夕メールさえ開ければ、「世界で次に起こること」を押さえられるようになるのです。



そうなんだよなあ。メールで届くってなにげにすごいことで、SNSでフォローされるよりよっぽど関係性が深い。そして読む方としても便利だったりする。

ツイートってそのとき見てないとすっと流れていくし、そこからリンク先のページに飛ぶのも正直だるい。流れていったツイートも数万RTとかされたらまた回ってくるかもしれないけど、そんなバズ要素の濃い情報ばっかりほしいわけじゃない。

それに「バズ」というのもそろそろ飽きられている。人にシェアさせるにはそれなりの仕掛けとテクニックがあって、そういうものに作り手はそろそろ虚しさを感じている頃だし、受け手のほうはとっくに疲れている。

そんな空気感が漂い始めたいま、ここらでやっぱりメールだよなという動きはとても良いものだと思う。

朝の通勤中、電車のなかでメールを開いたら確実にQuartzからの未読メールが待っていてくれる。寝る前は夕方のニュースレターが残っている。なんとなくこれを読まないと寝られない。そうなったらすごく良いメディアだと思う。

昔は(と書いてこれはもう昔のことなのか、とショックを受けているけど)、けっこう良いメール媒体があった。一番印象に残っていて、すぐに思い出すのが、20代の頃、この仕事の駆け出しだったときに愛読していた「サーベイML」というメーリングリスト。これがむちゃくちゃ刺激的で勉強になった。

Webマーケティングの話題を中心に幅広いトピックやニュースを扱うメーリングリストで、主催していたのは当時ネットレイティングス社長・萩原雅之さん。そこに参加して日々議論を交わしている人たちも豪華だった。誰でも投稿できたけど、僕は完全にROM専だった。

Twitterのように140字の制限がないなかで、落ち着いたトーンでそれぞれの見識が披露されていた。行き過ぎた言葉遣いもないし、炎上もなかった。SNSともはてブともNewsPicksとも違う空間だった。

メールってマーケティング界隈ではずっと重視されつづけてきたし、数年前にはちょっとしたメルマガブームがきたけど、一周回っていいよなあといまさら思う。

たとえばいまもいくつかのメルマガを受け取っている。一番のおすすめはDearMediaというPR/メディア支援サービスを提供する企業が発行している「DearMedia Newsletter」。

毎朝、国内外のメディア事情、おもしろいPR事例、その他ちょうど仕事の参考になりそうないい感じの情報や筆者の考察が、1分くらいで読める分量で送られてくる。朝の通勤時間はこれを読んで、その内容に関連する情報を自分で調べたりして過ごしている。

noteで公開されている見本紙をいくつか紹介。







購読しはじめて数ヶ月、もはや完全に習慣になっていて、朝これを読まないと気持ち悪い、という状態になっている。そうなるとニュースレターは強い。

別にこのニュースレターの内容がTwitterで話題になるわけじゃないので、バズったりすることは決してない。だからか、このニュースレターと自分の間にはより親密さがある感じがする。他には誰も知らないんだろうなぁって思いつつ読んでるのが楽しいのだ。

というわけで購読をおすすめしたい


あと、この親密さはポッドキャストにも通じるところがあって、あれもネット上で大きな話題になることはなくても届く人には確実に届くメディアになっている。

もう4年ほど「ドングリFM」というポッドキャストをやっているが、コンテンツの消費のされ方はテキストメディアとは全然違う。

僕が自分の個人ブログを書くと、ときには1万PVだったり、3000PVだったり、ニュースアプリに乗ったり、どこかで話題になって3万PVになったり、大きくブレるのだが、ポッドキャストは安定して1エピソード3000人くらいが聴いてくれている。

上ブレもなければ下がることもない。この安定感が親密さを表しているのかもしれない。

いろんなところで聴けるのでよかったらどうぞ。




Quartzにはぜひ良質なポッドキャストもやってほしいなと思う。日本にはまだメディアがやっているいい感じのポッドキャストは少ない。編集後記的に使われることは増えてきたけど、本気のコンテンツが聴きたい。

メディア企業のやっているポッドキャストでうまくいってそうなのは、北欧、暮らしの道具店あたりだろうか。

日曜日に更新される【日曜ラジオ|チャポンと行こう】はすでにファンがついていて、タイアップ広告も入っている。媒体のカラーに音声というメディアがとても合っていると思う。平均して1万2000人くらいが聴いているようだ。

この数字が多いのか少ないのかは外野が決めるわけではないけど、30分の音声コンテンツは話す時間+ちょっとした編集で作れるので実は制作の負担は(たぶん)少ないし、記事1本作るより短時間で毎回確実に1万2000人が触れてくれるのなら、悪くないメディアだと思う。


来年はニュースレターとポッドキャストが日本のメディアで流行るんじゃないか、というのは的はずれな予想でしょうか。

(すでに当たり前だったらすみません)


--次回予告 follow us in feedly
「Quartzのニュースレターは無料期間7日。気づいたら課金してそうでござる」
 


この話題はポッドキャストでも深掘りしていくよ。


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