
2015年10月27日
琉球新報”ドクターのゆんたくひんたく”
10月27日の琉球新報の”ドクターのゆんたくひんたく”に、肥満解消のための無理のない運動量のやり方を掲載しましたのでご紹介します。
”スポーツの秋”、日ごろ体を動かす機会のない方も少しずつ運動をはじめてみませんか。
“無理のない効果的な運動”
食生活の改善と運動の習慣化により肥満を解消することは、メタボリック症候群、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(BMI 25以上)など生活習慣病の予防や治療のため不可欠なものです。厚生労働省の“国民健康・栄養調査”によると、近年沖縄県の肥満率は全国最悪で、20~69歳の男性の約45%(全国平均約30%)、40~69歳の女性の約40%(全国平均約20%)が肥満です。肥満の解消は“長寿沖縄”を取り戻すために全県挙げて取り組んでいる課題の一つです。
“体重を落とすぞ”といきなりジョギングなど運動をはじめると危険が潜んでいることがあります。運動中の突然死は若年者で34万人に1人、40歳を超えると4.2万人に1人起こるといわれ、40歳以上の男性、50歳以上の女性または運動習慣のない人は、運動を始める前にメディカルチェックを受けることが推奨されています。しかし、事前に行えないときには、心事故 が起こる懸念が低い有酸素運動を行うといいでしょう。各々の適切な有酸素運動を知る方法としてKarvonenの式を使うといいと思います。それから得られた心拍数(脈拍数)の運動を1日20~40分、週に5日以上で始めてみてはいかがでしょうか。“運動の強さMets”を雑誌やネットで検索すると、具体的なエネルギー消費量が計算できます(エネルギー消費量Kcal = 1.05 × 運動の強さMets×運動時間× 体重Kg)。目標は1日50~100Kcal、週に350Kcalです。
運動には有酸素持久運動と筋力型レジスタンス運動があり、脂質代謝の改善には有酸素運動が有効で、糖代謝の改善には有酸素運動とレジスタンス運動の併用が有効といわれています。運動が習慣化して徐々に運動強度をあげてkが0.4に達したら中等度運動が無理なくできることになります。そうしたら、週に3~4日でも十分な効果的が期待できる“きつい強さ”の運動やレジスタンス運動を取り入れますが、まずは、急がず無理のない運動から始めましょう。
Karvonen式
目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×k +安静時心拍数
最大心拍数=220-年齢
《係数kの決定》
健診で異常
あり なし
高血圧・高血糖・脂質異常・肥満 運動習慣
肥満+2個以上 1~2個 なし あり
0.2 0.25 0.3 0.4
”スポーツの秋”、日ごろ体を動かす機会のない方も少しずつ運動をはじめてみませんか。
“無理のない効果的な運動”
食生活の改善と運動の習慣化により肥満を解消することは、メタボリック症候群、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(BMI 25以上)など生活習慣病の予防や治療のため不可欠なものです。厚生労働省の“国民健康・栄養調査”によると、近年沖縄県の肥満率は全国最悪で、20~69歳の男性の約45%(全国平均約30%)、40~69歳の女性の約40%(全国平均約20%)が肥満です。肥満の解消は“長寿沖縄”を取り戻すために全県挙げて取り組んでいる課題の一つです。
“体重を落とすぞ”といきなりジョギングなど運動をはじめると危険が潜んでいることがあります。運動中の突然死は若年者で34万人に1人、40歳を超えると4.2万人に1人起こるといわれ、40歳以上の男性、50歳以上の女性または運動習慣のない人は、運動を始める前にメディカルチェックを受けることが推奨されています。しかし、事前に行えないときには、心事故 が起こる懸念が低い有酸素運動を行うといいでしょう。各々の適切な有酸素運動を知る方法としてKarvonenの式を使うといいと思います。それから得られた心拍数(脈拍数)の運動を1日20~40分、週に5日以上で始めてみてはいかがでしょうか。“運動の強さMets”を雑誌やネットで検索すると、具体的なエネルギー消費量が計算できます(エネルギー消費量Kcal = 1.05 × 運動の強さMets×運動時間× 体重Kg)。目標は1日50~100Kcal、週に350Kcalです。
運動には有酸素持久運動と筋力型レジスタンス運動があり、脂質代謝の改善には有酸素運動が有効で、糖代謝の改善には有酸素運動とレジスタンス運動の併用が有効といわれています。運動が習慣化して徐々に運動強度をあげてkが0.4に達したら中等度運動が無理なくできることになります。そうしたら、週に3~4日でも十分な効果的が期待できる“きつい強さ”の運動やレジスタンス運動を取り入れますが、まずは、急がず無理のない運動から始めましょう。
Karvonen式
目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×k +安静時心拍数
最大心拍数=220-年齢
《係数kの決定》
健診で異常
あり なし
高血圧・高血糖・脂質異常・肥満 運動習慣
肥満+2個以上 1~2個 なし あり
0.2 0.25 0.3 0.4
Posted by なかだ内科スタッフ at
08:05
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2015年10月02日
沖縄タイムス”命ぐすい耳ぐすい”
10月2日(金)の沖縄タイムス”命ぐすい耳ぐすい”に、ダイエットの話を書きましたので紹介します。
“なかなか落ちない体重”
体重を減らすことは容易ではありませんが、適切な体重を維持することは、メタボリック症候群、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(BMI 25以上)など生活習慣病の予防や治療のため不可欠なものです。厚生労働省の“国民健康・栄養調査”によると、近年沖縄県の肥満率は全国最悪で、20~69歳の男性の約45%(全国平均約30%)、40~69歳の女性の約40%(全国平均約20%)が肥満です。肥満の解消は“長寿沖縄”を取り戻すために取り組むべき課題です。
そこで、肥満の是正の方法はいろいろありますが、まず、現在の摂取カロリーと目標の摂取カロリーを計算してみてはいかがでしょうか(詳しくは厚生労働省の“推定エネルギー必要量”や“ハリス・ベネディクト方程式”を参照)。なかなか体重を減らすことができない人は、体重×35Kcal(活動量が低い人は30Kcal)を毎日摂取しています。例えば、身長 165cm、体重75Kg、BMI(体重Kg÷身長m÷身長m)27.5の男性は、おおよそ75×35=2625Kcal摂取しています。次に目標の体重を設定し、目標の摂取カロリーを計算します。BMI 24を目標の体重にすると63.5Kg(身長×身長×BMI)となり、目標の摂取カロリーは63.5×35=2230Kcalとなります。現在の摂取カロリーと目標の摂取カロリーの差2625-2230=395(約400)Kcalを毎日食事と運動で減らすことができれば半年後には目標とする体重になります。
しかしこれは現実的ではなく、またリバウンドの危険があります。毎日250Kcal以上を長く続けることは難しく、無理なくできるのは150~200Kcalであることが分かっています。継続して行えるのは、食事で100~150Kcal、運動で50~100Kcalといわれており、半年かけて現在の体重の5%を減量することが推奨されています。ですから、この例では、まず、半年かけて75Kgの5%である約4Kgの減量を目標とします。体重1Kgを減量するのに7000Kcalが必要ですから、減量すべきカロリーは4×7000=28000Kcalです。これを半年で減量するには、28000÷180(日)=155Kcalを毎日減らせばいいのです。(参考:ごはん1杯150g(252kcal))そして目標の体重になれば、次の目標体重を設定します。
まずは実行可能な1日150Kcalを減らすことを目標にしましょう。雑誌などで紹介されている100Kcalを減量する食事と50~100Kcalを消費する運動を毎日それぞれ1つずつ実践してみるといいと思います。
“なかなか落ちない体重”
体重を減らすことは容易ではありませんが、適切な体重を維持することは、メタボリック症候群、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(BMI 25以上)など生活習慣病の予防や治療のため不可欠なものです。厚生労働省の“国民健康・栄養調査”によると、近年沖縄県の肥満率は全国最悪で、20~69歳の男性の約45%(全国平均約30%)、40~69歳の女性の約40%(全国平均約20%)が肥満です。肥満の解消は“長寿沖縄”を取り戻すために取り組むべき課題です。
そこで、肥満の是正の方法はいろいろありますが、まず、現在の摂取カロリーと目標の摂取カロリーを計算してみてはいかがでしょうか(詳しくは厚生労働省の“推定エネルギー必要量”や“ハリス・ベネディクト方程式”を参照)。なかなか体重を減らすことができない人は、体重×35Kcal(活動量が低い人は30Kcal)を毎日摂取しています。例えば、身長 165cm、体重75Kg、BMI(体重Kg÷身長m÷身長m)27.5の男性は、おおよそ75×35=2625Kcal摂取しています。次に目標の体重を設定し、目標の摂取カロリーを計算します。BMI 24を目標の体重にすると63.5Kg(身長×身長×BMI)となり、目標の摂取カロリーは63.5×35=2230Kcalとなります。現在の摂取カロリーと目標の摂取カロリーの差2625-2230=395(約400)Kcalを毎日食事と運動で減らすことができれば半年後には目標とする体重になります。
しかしこれは現実的ではなく、またリバウンドの危険があります。毎日250Kcal以上を長く続けることは難しく、無理なくできるのは150~200Kcalであることが分かっています。継続して行えるのは、食事で100~150Kcal、運動で50~100Kcalといわれており、半年かけて現在の体重の5%を減量することが推奨されています。ですから、この例では、まず、半年かけて75Kgの5%である約4Kgの減量を目標とします。体重1Kgを減量するのに7000Kcalが必要ですから、減量すべきカロリーは4×7000=28000Kcalです。これを半年で減量するには、28000÷180(日)=155Kcalを毎日減らせばいいのです。(参考:ごはん1杯150g(252kcal))そして目標の体重になれば、次の目標体重を設定します。
まずは実行可能な1日150Kcalを減らすことを目標にしましょう。雑誌などで紹介されている100Kcalを減量する食事と50~100Kcalを消費する運動を毎日それぞれ1つずつ実践してみるといいと思います。
Posted by なかだ内科スタッフ at
08:27
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