
オルツ、次世代データセンター事業「alt GPU Cloud」を始動
この記事は、次世代データセンター事業に興味がある方や、AI技術の進化に関心を持つ方におすすめです。オルツが新たに始動した「alt GPU Cloud」の詳細を知ることで、AI導入の可能性や最新技術の活用方法を理解することができます。
新たな事業の発表
株式会社オルツ(本社:東京都港区、代表取締役:米倉 千貴)は、次世代データセンター事業「alt GPU Cloud(オルツ・ジーピーユー・クラウド)」を始動することを発表しました。オルツは、大規模言語モデル(LLM)の構築において培った技術ノウハウを活かし、国内およびグローバル企業の事業をサポートするためのAI特化型データセンターの運用と構築を目指します。
この事業は、株式会社ハイレゾとの戦略的パートナーシップのもとで進められており、GPUリソースを有するデータセンターの運用が行われます。さらに、オルツが提供するGPU計算リソース基盤「EMETH GPU POOL」とも連携し、拡大する市場への事業機会を広げる狙いがあります。
「alt GPU Cloud」の特長
「alt GPU Cloud」は、オルツがこれまでのLLM開発と運用で蓄積した技術的知見を基盤としたクラウドGPUサービスです。AI開発に特化した高性能コンピューティング環境を提供し、企業のAI導入と活用を加速させることを目指しています。
日本国内では、AI特化型データセンターの供給不足が深刻な課題となっており、オルツはこの状況に対応するために、企業のニーズに合わせたカスタマイズ可能で柔軟なGPUリソースプールを構築します。また、これまでの経験を活かし、AI処理に特化した高効率アーキテクチャ設計によるAIワークロード最適化インフラを提供します。
政府のプロジェクトへの採択
オルツは、LLM開発・運用で培ったGPUクラスター最適化ノウハウを活用し、経済産業省およびNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する国内生成AIの開発力強化プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択されています。この取り組みでは、高性能な日本語LLM構築技術をデータセンター事業にも応用し、国内最大規模のGPUコアを備える超大規模AI計算インフラの構築を目指します。
サービスの主な特徴
本サービスの主な特徴は以下の通りです。
- LLM(大規模言語モデル)の開発・提供: LLM開発に特化した最先端GPU環境(NVIDIA H100/H200搭載)で、金融・製造・自治体など幅広い業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートします。
- 重要なデータを国内で保存できる、日本語特化のAI環境: 日本国内にデータを保存できる環境を提供し、日本企業や研究機関が安心して大規模GPUリソースを利用できるインフラを提供します。
- プロジェクトの成長に応じてスケールアップ可能な柔軟なリソース提供: 事業規模や資金の制約を受けることなく、研究機関やスタートアップが大規模なGPU計算を利用できるようになります。本格的なLLM開発もコストパフォーマンス高く実行可能です。
今後の展望
オルツは、本事業を新たな成長戦略の柱と位置付け、国内デジタルインフラの発展に貢献していく意向です。ハイレゾとの戦略的パートナーシップを通じて、オルツのAI技術とハイレゾのインフラ構築ノウハウを融合させた次世代データセンターの開発を進めていきます。
株式会社ハイレゾについて
ハイレゾは、2019年より石川県志賀町にて国内最大級のGPUデータセンターを運営し、GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を提供しています。2024年12月には香川県に中四国地方初となる「AI開発用GPU専用データセンター」を開設予定で、経済産業省の「クラウドプログラム」供給確保計画に認定されています。2025年には佐賀県玄海町と香川県綾川町の廃校を利活用したGPUデータセンターを新たに開設する計画です。
株式会社オルツについて
オルツは2014年11月に設立され、「P.A.I.」(パーソナル人工知能)やAIクローンの開発を通じて「人の非生産的労働からの解放」を目指しています。AIの対話エンジンを活用したCommunication Intelligence「AI GIJIROKU」をはじめ、様々なビジネス課題に対応したソリューションを展開しています。
公式サイトはこちら: オルツ公式サイト
終わりに
オルツの「alt GPU Cloud」の始動は、AI技術の進化とデジタルインフラの発展に向けた重要な一歩です。今後、企業や研究機関がこの新しいサービスを活用することで、さらなるイノベーションが期待されます。持続可能なデータセンターのモデルケースとして、未来のAI技術の発展に寄与することを心より願っています。