続、18分間の軌跡 管制等との交信記録
いち早く国交省は管制塔の交信記録を開示したが、これに対して海保側は違和感を生じさせている。
羽田管制塔:1月2日17時43分02秒~17時47分27秒
管制官と各機長との英語での通信会話データを、日本語で訳した記録文書。そのため、翻訳者によって微妙に異なる。
●17:43:02 JAL516(衝突した日航機): 東京タワー(管制塔)、JAL516 スポット18番です。 東京タワー(管制塔): JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34R(C滑走路を南から進入施与の意味)に進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります。
●17:43:12 JAL516(衝突した日航機): JAL516 滑走路34Rに進入を継続します。
●17:44:56 東京タワー(管制塔):JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。風310度8ノット。
●17:45:01 JAL516:滑走路 34R 着陸支障なし JAL516。
●17:45:11 JA722A(衝突した海保機): タワー、JA722A C誘導路上です。
東京タワー(管制塔): JA722A、東京タワー、こんばんは。1番目(離陸順位を指す)。C5上の滑走路停止位置(C滑走路に至る誘導路を指す)まで地上走行してください。
●17:45:19 JA722A(衝突した海保機): 滑走路停止位置 C5に向かいます。1番目。ありがとう。
○(海保機機長は、次の離陸機として離陸許可をあけたものと思い込み、その後、C5誘導路からC滑走路内に入り、100m前後北へ移動.
○17:46:47、C滑走路中央線上に離陸体勢で停止、
機長は、(離陸のため)出力を上げている最中に、後方から衝突されたと述べている。
○日航機機長は、衝突直前、前方に何かがあるという違和感があったと述べた。
●17:47:27、(3秒無言)、衝突事件
(○は黒・赤とも追記分)
以上、
JAL516機は、着陸許可を管制側に求める過程で、管制側から「出発機が待機している」ことを知らされていた。
一方、海保機は、管制塔から離陸1番目であるが、待機せよとの指示を受けるも、「離陸前に着陸機がいる」ことを知らされていなかった。
★ゴーアラウンドは着陸滑走中は危険
羽田は16時47分に日の入り、衝突時間の1時間後の17時46分頃は真っ暗で、JAL機は着陸・離陸誘導用の明るい照明が目に入り、滑走路上の海保機を後方から視認することはできなかった。ましてや後方からは海保機の標識灯も暗く、視認できにくいにくい条件がそろった状態となっていた。
JAL機側は視認できなかったが、着陸許可を受け、誘導路に待機しているはずの飛行機が、滑走路上に停止しているとは想定外、見えもせず、疑う余地もなかったと思われる。
もしも、JAL機が海保機を視認できていれば、成功するかしないかは別にして、ゴーアラウンドやタッチ&ゴーにより、再上昇したものと推察されている。
着陸スピードは通常250キロ/時速で滑走路に入り、JAL516機は衝突直前のスピードは227キロとされている。
一方、離陸スピードは通常、300キロ必要であり、ゴーアラウンドを行う場合、推進力を最大化させる必要があり、視認できたとしても海保機を回避できたかどうかは不明。晴天の昼の視認ができたとしても、着陸態勢の上空で確認の場合は可能だろうが、滑走路上で視認できた場合、ゴーアラウンドでの回避措置はJAL機に大きなリスクを生じる可能性が高い。現実は漫画のようにはいかないものだ。
C滑走路34R(北向きに着陸・離陸)
長さ3360メートル、幅員60メートル
衝突地点は南から1400メートル付近、JAL停止炎上位置2700メートル付近、C滑走路の余裕は600メートルあまりあった。
JAL機は衝突のショックで油圧系統が損傷を受けていた場合、最悪の可能性もあった。
パイロットの衝突後の操縦術、CAらの客の脱出最優先、客の統率と誘導、客の協力がすべてかみ合い奇跡の脱出となった。
機長は、冷静に客室を最終確認、まだ脱出していない客を見つけ降ろしてから、最後に脱出したそうだ。
脱出時にはクルーたちの無線は使用できなくなっており、CAは、自己判断でマニュアルに基づき客を降ろしたそうだ。
(某大手新聞社は、脱出用シューターは5本と掲載していたが、日航の報告では前方2本、後方1本の計3本だった。TV報道の映像を見ても前方の2本しか見えなかったが、今の新聞記者は現地・現場取材もせず、かつてに記事を書いているようだ。)
スクロール→
北 |
羽田C滑走路・長さ3360m・幅員60m |
南 |
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560 |
700 |
700 |
700 |
700 |
←34R |
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JAL機停止位置 |
衝突 |
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衝突から50秒後 |
・17時47分:25秒 |
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★2700m地点 |
★1400m地点 |
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JAL516機 衝突から18分後全員脱出 |
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・海保機はC滑走路に離陸体勢で北向きに40秒間停止後、離陸のため出力を上昇中、後方からJAL機に追突された。 |
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