第2ロッテワールド開業100日後の苦悩 少ない客足に悲鳴
朝鮮日報の記者は、開業後100目となった第2ロッテワールドを取材し、次の通り掲載している。
1月23日昼、ソウル・蚕室にある第2ロッテワールドを訪れた。
地下鉄2・8号線蚕室駅から地下道経由でブランド品専門の百貨店「アベニュエル」に着くと、店内は金曜日の午後とは思えないほど閑散としていた。
広い通路に客の姿はほとんどなく、売り場の中で商品を購入したり品定めをしたりする人の姿も見当たらなかった。
一部の売り場では、店員がスマートフォンをいじっていた。衣料品売り場の経営者は「昨年末から客足が途絶え、年初以降は平日に20~30人が訪れるだけだ。売り上げも3分の1に減り、これから商売を続けられるかどうか心配だ」と語った。
1月23日でオープン100日目を迎えた第2ロッテワールドには危機感が漂っている。
相次ぐ安全事故に対する過剰な懸念とソウル市の厳しい駐車場利用制限で、来店客が激減している。
「建物の全体構造の安全に問題はない」というソウル市の安全点検結果発表にもかかわらず、12月の水族館漏水事故、映画館での震動発生などで、「地盤沈下と建物崩壊が起き得る」といった根拠のないうわさが広がったことも影響している。
その被害は第2ロッテワールドに出店した965の店舗、5000人余りの従業員に及んでいる。
■セールも効果なし
「1日で商品を買った客は10人もいない。これでは賃料さえ払えない」
ショッピングモールの地下1階にあるデザート専門店の従業員は「1日に最低100万ウォン(約10万9000円)相当は売らないといけないが、今日は10万ウォンにもならなかった。客の半分はここで働いている従業員が占める」と話した。
店頭に「特価販売」「最大70%割引」「1個購入で1個無料」といった宣伝文句を並べた別の店も状況は変わらなかった。
ある男性衣料店では1週間の予定だったセールを当面延長することを決めた。同店従業員は「きょう1日で服を買ったのは7人だけ。客を呼び戻すためには割引しかない」と話した。
近くの化粧品店のマネジャーは「今月の売り上げは昨年10~11月に比べ70%も落ち込んだ。当面は販売が振るわないとみて、店員を2人減らした」と語った。
午後7時ごろ、5~6階のレストラン街は、夕食時間帯にもかかわらず人影が疎らだった。
あるレストランは、ピザやパスタが1万~1万2000ウォン(約1100~1300円)で食べられる「きょうのメニュー」を投入したが、20卓あるテーブルは半分も埋まらなかった。
オープン当初は1日に平均10万人だった第2ロッテワールドの来店客数は、昨年12月に7万人、今月は5万3000人に減少した。
有名ブランドを扱うアベニュエルの売上高は前月比で平均18%減少し、ロッテマートは他の店舗の売り上げに比べ60%の水準にとどまっている。
アウトドア用品店の店員は「水が少々漏れて、床にひびが入ったからといって、建物が崩れたりはしない。過度の心配とうわさが事実のように定着しているのがもどかしい」と話した。
以上、朝鮮日報参照
ロッテ財閥が一大事業として、123階建ての超高層ビルを始め商業棟2つの計3棟で構成する第2ロッテワールド。まだ、超高層ビルは建築中(1月94階を工事中)であるが、商業棟は完成し、10月からオープンしている。
中国でさえ、日本の大パノラマ水族館のパイオニアの「日プラ(株)」に依頼するというのに、韓国の業者が水族館を造り、何箇所からも水漏れ事故を起こしている。
元々7月にもオープン予定であったが、ソウル市当局がなかなか許可をおろさず、10月オープンとなっていた。ということは、事前にあらゆるところの点検を十分行うことができただろうが、何故か問題が多発している。
ロッテ財閥は、傘下にロッテ建設を保有しており、第2ロッテワールド全体をロッテ建設が建設している。それにもかかわらず、床や天井のひび割れが多発、水族館の水漏れ、劇場の床の揺れなど発生して、一時営業中止に追い込まれた。
ロッテ財閥は、韓国最大のロッテ百貨店を有し、巨大な商業施設をいくつも持つ。こうした財閥であっても一事が万事そういうことだろう。日本では到底考えられないことだ。
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