働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした3

命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした3 (HJ文庫)

《あらすじ》
宗教団体『良き人々の集い』で定期的に行われていたレクリエーションゲーム『すっぱいブドウ』。複数の宗教組織による交流会でそのゲームが行われることになったが、レクリエーションだったはずのゲームは突如、デスゲームへと姿を変える。そして、その場には、武田ツバサと鉄山徹子の姿があった。ゲームが進む内に明かされる様々な謎。敗北=死のゲームに巻き込まれたツバサと徹子はこの状況を乗り切ることが出来るのか。そして、我らが最凶のクズはどこにいったのか―。

命をかけた狂気の頭脳ゲームのなかで繰り広げられる駆け引きとその結末は、シリーズを通して安定のクオリティと演出が盛りだくさんで素晴らしかったです。対戦相手を徹底的に地獄の底に完膚なきまでに突き落とす“新井和馬(主人公)”の数々の所業も、こんな主人公で本当にいいのか!? と思えるくらいに強烈に印象に残るものでした。2巻のエピローグでこれまで行動をともにしてきた、新井和馬に負けず劣らずのクズヒロイン“鉄山徹子”にナイフで グサッ‼ と刺されていて衝撃の結末でしたけど、『知り合いに本気でぶっ刺される』人間関係が構築されるような性格の持ち主ってだけで末恐ろしい……

チームバトルロワイヤル形式で4チームがお互いの持つカードを奪い合うゲーム内容となっているだけに、これまでのような短期的に勝敗が決するものとは違い、複雑に絡み合った各チームの動向とそれに並行する策略の応酬があって読み応えのある頭脳バトルでした。
途中で各チームが立たされている局面についても、適宜に演出が加えられていてイメージしやすくなっていたので全体を通して読みやすくなっている印象ではありました。

新人賞受賞帯からの最終巻まで完走させるまで走り切る勢い。可能であるならば次回作の情報にも期待を寄せたいものですね。