基本的にスキーもスノーボードもワックスなんて塗らなくても滑ります。
気にしなければ良いのです。
ラジカセでも、i-Podのイヤフォンでも音楽聴けるのと同じ。
はい、お終い。
ですから、オーヲタ同様、それでは納得が出来ない方用のワックスのお話しです。
但し、これもオーディオ同様、底なし沼の要素があります。
此がベスト、と言うものも不明確です。
(これもオーディオと同じ)
ですから、参考程度に御読み下さい。
クマ流のスキーワックスのやり方です。
(反論、異論は幾らでもどうぞ(^o^)此方も勉強に成りますし、検討させて頂きますので)
先ず、スキーの滑走面は高密度ポリエチレンで出来ています。
此の軟化点は130℃です。
つまりこれ以上の温度になるとポリエチレンの結合が外れて柔らかくなります。
(板が焼ける と慣例的に呼称します)
この事は重要ですので、押さえておいて下さい。
ポリエチレンは安定した長鎖の結晶部分とやや不安定な短鎖のアモルファス部分から成り立っています。
此のアモルファスの部分にワックスが染み込みます。
此のポリエチレンの形成方法も二種類あり、加熱しながら加圧し、削りだして形成する「シンタード」と鋳物の様に溶かして流し込む「エクストルード」と呼称が違います。
後者は安価な板の作成に用いられる方法で、アモルファスが少なくなり、ワックスは染み込みません、、、
ですから、ワックスをする意味のあるのは中級品以上の板で「シンタードソール」と呼ばれる物です。
(と、言ってもヲタが買う様な普通の板は、絶対シンタードソールですが、、、P-TEXって云う名前だったりしたらシンタード)
次に、如何に滑走面のアモルファス部分にワックスを染み込ませるかですが、話をパラフィンワックスに限定して進めさせて頂きます。
よくあるスプレー式や押し当てるタイプの簡易ワックスですが、溶剤にパラフィンが溶けています。
此は、ポリエチレンを痛めます、、、
更に、アモルファスの奥には入って行ってくれません。
殆ど耐久性の無いものです。
パラフィンワックスを生塗りしてコルクで擦る風景も昔よく見ましたが、滑走面の奥には入りません。70℃以上の温度に擦る根性があるなら別ですが、、、、
加えて滑走面の平面性は大きく損なわれますので、下手をすれば余計雪の結晶が着いて、塗らない方がマシ状態に成ります、、、
滑走面が木であった時代の名残でしょうか、、、
(何年前やねん!!!)
ですから、パラフィンワックスを塗る意味があるのはホットワックスと呼ばれる、アイロンを用いたもののみです。
ホットワックスを最適に行う条件としては、
滑走面を痛める温度まで上げない。
しかし、滑走面の温度を均一に、パラフィンの融解温度である60〜80℃以上に保つ。
出来る事なら、板全体の温度も上げておく。
これらが上げられます。
板が冷たいと、滑走面表面の温度はアイロンで上昇しても、直ぐ奥でパラフィンは硬化して、奥まで入っていきません。
こう云うワックスですと耐久性は全く期待出来ません。
最後に、リムーバーと称する汚れ取りは、現在、出来る限り使用しない方が良いとされています。
溶剤ですので、ポリエチレンが痛みますし、折角入っているワックスを取り除く事になります。
ですから、余程汚れが酷い場合を除いては、ホットワックスを複数回して汚れを浮かせて除去するのが一般的です。
現在、パラフィンでは無くポリエチレンを主成分とするワックスが生まれてきています。
データ的には此方の方が優れています。
ただ、ポリエチレンで出来た滑走面にポリエチレンのワックスを溶かせて塗るのですから、、、、
アイロンの温度は130〜150℃です、、、、
余程の名人なら滑走面を焼かずに塗れるのでしょうが、、、、
素人が中華鍋で、レストランの様な強火で料理すると焦げだらけ、、、
に成りかねないので、今は静観中です。
液体テフロンのワックスは何度か使った事もあり、簡便にしてそこそこ優秀です。
ホットワックス以外の選択でしたら此がbetterかと。
では、実際にやってみましょう。
(続く)