月1万円で始めてみる？　NISA活用術【by竹中友貴さん】

主婦（主夫）のスゴ技を披露してもらう「SHUFU-1グランプリ」。第4回グランプリを受賞、同年代のママたちが知りたいお金の情報をSNSで分かりやすく発信している竹中友貴さんに、NISAについて聞きました。

2024年に制度が改正され、始める人も増えたNISA。低金利に物価上昇が追い風になり、ますます注目が集まっています。
「銀行預金は金利が低くて増えない…」「月1万円で始めても意味があるのかな」と思うことはありませんか。
今回は、2児の母でもある元銀行員の主婦が、そんなNISAの活用術をお伝えします。ぜひ参考にしてみてくださいね！

NISAのおさらい

NISAとは、非課税で投資ができる制度です。通常は、利益から20.315％の税金が引かれるのですが、NISAで運用すれば税金がかからずに、運用資産を全額そのまま受け取ることができますよ。
NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていて、それぞれで投資対象商品が異なります。100円から始めることができ、金額変更や一部出金がいつでもできて、融通が利きやすいのもうれしいポイントです。
年間で合計360万円まで利用でき、累計では1800万円まで適用されます。夫婦で使えば、合計3600万円の非課税枠があることになり、老後資金を貯める枠としては十分といえますね。

月1万円で預貯金とNISA、倍以上の差がでる場合も

では、実際に毎月1万円を将来のためにためていく場合、銀行などの預貯金とNISAではどれくらい差が出てくるのか見てみましょう。
一般的な預貯金の現在の金利は、年率0.100％です（※１）。例えば、毎月1万円を20年間積み立てした場合、総額は242万円です（※2）。元本の240万円に対して、2万円の利息がつく計算になります。

▲出典：金融庁　つみたてシミュレーターの試算から一部抜粋

一方、NISAを使って、年率7％で運用された場合、20年間で総額は521万円になります（※2）。運用で281万円も増えることとなり、預貯金でためていた場合と比べても、結果は倍以上の差が出ますよ。

▲出典：金融庁　つみたてシミュレーターの試算から一部抜粋

もちろん、投資にはリスクがあります。利回りも固定ではありませんし、元本割れの可能性もある点は理解しておかないといけません。選択する商品によっても、値動きの大きさや利回りは異なります。
とはいえ、長期的に運用するのであれば、リスクもかなり軽減することが可能です。経済の力を上手く利用して、預貯金の一部をNISAに回すのも一つの方法ですね！

※1　執筆時点でのゆうちょ銀行の通常金利
https://www.jp-bank.japanpost.jp/kinri/kinri.html
※2　金融庁　つみたてシミュレーター
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/

NISAをするなら余裕資金で始めよう

NISAで投資をする場合は、必ず今すぐに使わない余裕資金の範囲内で始めましょう。生活費を削ってまでNISAに回すと、お金が足りなくなったときに、損をしたまま解約しないといけない場合もあるからです。
例えば、リーマンショックやコロナショックなどの株価の暴落では、資産が一気に半分以下になった人も少なくありません。すぐにお金が必要になったときに、暴落で時価評価額が下がってしまっていては、使えるお金も減ってしまいますよね。
元本割れの可能性もあるとはいえ、長期運用でリスクを抑えることはできます。過去には、確かに暴落は来ていますが、数年で元に戻っている傾向があります。また、相場の下落時に積立をしていれば、「割安に投資できてラッキー」とも思えるかもしれません。
NISAは月100円から始めることができます。積立額の変更もいつでもできるので、すぐに使わない金額の範囲で始めてみましょう。

まとめ

月1万円でも、NISAでコツコツためていけば、効率よく増やすことができます。使う予定のある資金は預貯金で、すぐに使わない将来のためにためたいお金は一部投資で、ため方を分けることが大切です。
お金のため方の選択肢として、NISAを一部取り入れてみるのはいかがでしょうか。

教えてくれたのは

竹中友貴さん
第4回「SHUFU-1グランプリ」でグランプリを受賞。FP1級・宅建資格を持つ元銀行員。「お金に強くなって、周りも自分も豊かにする」をテーマに、お金の知識やライフスタイルをSNSなどで発信中。

https://www.instagram.com/chanyuki_money/