【日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）】カナダの量子コンピューティング開発会社、Ｄウエーブ・クアンタムのアラン・バラッツ最高経営責任者（ＣＥＯ）が米東部時間８日に米ＣＮＢＣの番組に出演し、量子コンピューターをめぐるエヌビディアのジェンスン・ファンＣＥＯの発言について「完全に間違っている」と語った。ファンＣＥＯは７日、有用な量子コンピューティングの実用化に15～30年を要すると説明していた。

バラッツ氏はＤウエーブがすでに商いを行っており、マスターカードや日本のＮＴＴドコモなどの企業が「事業の収益を上げるために我々の量子コンピューターを現在使用している」と語った。「いまから30年先でも20年先でも15年先でもなく、いまなのです」と強調した。

量子コンピューターは実用化の途上にある汎用的な計算に使う「ゲート型」と、導入が広がる膨大な組み合わせから最適解を見つけることに特化した「アニーリング型」がある。バラッツ氏は「ファン氏のコメントはゲート型量子コンピューターに関しては完全に間違っているわけではないが、アニーリング型に関しては100％的外れだ」と述べた。

ファンＣＥＯの発言を受けて８日の米株式市場で量子コンピューター関連銘柄が軒並み下落し、Ｄウエーブは6.10ドルと前日比36.1％下落した。同社株は24年に9.5倍になっていた。