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はっぴいえんど。メンバーは細野晴臣、大滝詠一、松本隆、鈴木茂の4人。説明するまでもなく、日本語ロックの礎を築いた本邦ポップミュージック史における最重要バンドだ。\r\n\r\n

そのはっぴいえんどが残した『はっぴいえんど』(70年、通称『ゆでめん』)、『風街ろまん』(71年)、『HAPPY END』(73年)というオリジナルアルバム3作が最新技術によって丹念にリマスターされ、CDでリイシューされた(レコードの日にはアナログ盤もリリースされた)。これを記念して2023年11月4日にタワーレコード渋谷店B1FのCUTUP STUDIOで開催されたのが、松本と鈴木、司会の安田謙一(ロック漫筆)によるトークイベントである。Mikikiは、この特別な催しで語られたことを全4回に分けてお届けする。第3回に続く最終回は、4人の〈永遠のフレンドシップ〉について。\r\n\r\n

なお、好評につき早々に売り切れてしまった『はっぴいえんど』『風街ろまん』のアナログ盤だが、2024年1月下旬から順次再プレスされている。品切れ中の場合もあるが、買い逃していた方はこのタイミングでぜひ手に入れてほしい。 *Mikiki編集部\r\n\r\n


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生きた言葉を発表したかった\r\n\r\n

安田謙一「3枚のアルバムの話は一旦ここで終わりにして、その後、お2人は茂さんのソロ作での共同作業に向かっていくわけです。ある意味、はっぴいえんどに一番近いというか、正統な流れを『BAND WAGON』から感じますね」\r\n\r\n

松本隆「『BAND WAGON』の頃にはもう作詞家をやっていたから、ヒット曲を作らなきゃならなかった。もちろん茂のソロ作は売ってあげたいんだけど、それ以上に自由に書かせてくれたのがありがたくて、ちょっとはっぴいえんどっぽい詞を書いたりしていたね。茂の詞を書くのはフラストレーションに対する救いみたいな感じだったよ」\r\n\r\n

鈴木茂「とてもよかったね」\r\n\r\n

松本「あとは(南)佳孝だね。その2人が僕を救ってくれた」\r\n\r\n

安田「職業作詞家とのバランスを取ることができた?」\r\n\r\n

松本「うん。僕の中にあるのは職業作詞家としての顔だけじゃないからね。やっぱり、もうちょっと生きた言葉を発表したかったけど、なかなかそれを歌ってくれる人がいない。特に男の歌手はね。だから茂がいてくれてよかった」\r\n\r\n

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\n鈴木茂 『BAND WAGON』 PANAM/クラウン(1975)\n\r\n\r\n
\nJAPAN Rock\n\r\n\r\n