オール中国に屈した「日本の鉄道」 ジャカルタ・バンドン高速鉄道「350km達成」が示した埋められぬ実力差、中古車両も購入禁止で今後どうなる

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ジャカルタ~バンドン高速鉄道は6月22日、試運転列車の最高速度が356km/hに達したと発表した。また、走行時の安定性、静寂性も改めて証明された。

日本の中古車両購入禁止

連日続けられている高速鉄道の試運転、最高速度を段階的に引き上げ、350km/hに達した(画像:高木聡)
連日続けられている高速鉄道の試運転、最高速度を段階的に引き上げ、350km/hに達した(画像:高木聡)

 8月17日のインドネシア独立記念日に来賓を招待し、ソフト開業を目指すジャカルタ・バンドン高速鉄道(ジャカルタ・ハリム~バンドン・テガルアール間142.3km)だが、去る6月22日、試運転列車の最高速度が356km/hに達したと発表した。

 同日の試運転にはルフット・パンジャイタン海事投資調整大臣、ブディカルヤ・スマディ運輸大臣、リドワン・カミル西ジャワ州知事、ルー・カン駐インドネシア中国大使らが乗車し、営業最高速度の350km/h走行に対して問題のないことを確認した。

 運営会社のKCIC(Kereta Cepat Indonesia Cina、インドネシア中国高速鉄道社)は試運転の速度が100km/h、200km/hと上がるたびに、窓の縁に立てた500ルピア硬貨が倒れないことをアピールしているが、今回の試運転では、

「揺れが少なく、防音性にも優れている」
「大きな騒音に邪魔されることなく会議ができる」

と運輸大臣、海事投資調整大臣からコメントされているとおり、営業最高速度の走行時の安定性、静寂性が改めて証明された格好だ。

 折しも天皇陛下のインドネシアご訪問中のタイミングでの公式発表には、政治的揺さぶりという意図も感じる。現にルフット・パンジャイタン海事投資調整大臣は、この試運転乗車後の会見で、

「日本からの中古通勤型車両購入の禁止」

を最終決定として合わせて発表した。新車も国産以外(最初の3編成を除く)は認めないという。

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