免疫チェックポイント阻害薬に伴う心筋障害や心筋炎は、症状が非典型的である一方、重篤な転帰をたどることが多い有害事象です。特に他の irAE（免疫関連有害事象）と合併した場合や、免疫チェックポイント阻害薬を2剤併用した場合などには、劇症型の心筋炎のような臨床像を呈することがあり、治療…

　腫瘍循環器をやっていて避けて通れないのが不整脈の管理です。もちろん、もともと心房細動の診断を受けていて抗凝固療法を受けている場合もありますが、例えば術後（特に食道がん術後など）に新規に心房細動が起こり、頻拍の管理を依頼されることも多くあります。…

新年度も一カ月が過ぎ、新年度から新たな環境になった方も少し慣れてきた頃でしょうか。疲れが出やすいこの季節、睡眠をしっかりとって体力回復に努めたいですね。

免疫チェックポイント阻害薬治療中の心血管スクリーニングで推奨される？

　4月になりました。桜の季節は入学式というのは私が学生の頃の話で、最近は卒業式のころには盛りを過ぎることが多く、それも温暖化の影響でしょうか。

　ずいぶんご無沙汰してしまいましたが、私も作成に協力していた、本邦はじめての腫瘍循環器診療ガイドライン（Onco-cardiologyガイドライン）が、2022年3月10日、刊行されました。日本臨床腫瘍学会が日本腫瘍循環器学会や循環器系の学会と連携して作成したもので、現状の腫瘍循環器にまつわる、ク…

私たちが腫瘍循環器外来でやっていること2

　腫瘍循環器外来と称する以前から、循環器内科の医師のもとには心血管疾患罹患者のがん合併のケースのコンサルテーションは数多く来ていたかと思います。

私たちが腫瘍循環器外来でやっていること1

　腫瘍循環器をやっていると、「先生は、腫瘍循環器は” Onco-Cardiology”だと思う？” Cardio-Oncology”だと思う？」という質問をいただくことがよくあります。

みなさん、はじめまして。国際医療福祉大学医学部循環器内科の田村雄一と申します。この連載は昨今注目を集めている“腫瘍循環器”という領域について、総論的な内容から具体的な臨床のハンドリングに至るまでの実際を紹介していきます。…