実車で行った「スマートフォンのベストな置き場所」を調べる実験の結果、後編です。
前編はこちら。
機種によるGPS精度の違い
前編では、スマートフォンの置き場次第で、GPSの精度が大きく変わることを紹介しました。後編では、機種による精度の違いを紹介します。
Androidのスマートフォン2機種をシフトレバーの後ろに置き、走行中のGPSの精度を比較してみました。
③はNexus5、④はSOL22という機種です。
以下は、走行中に測定したGPSの誤差の平均値です。誤差が小さいほど精度が良かったことを意味します。
No. |
空が見渡せる道路 |
空が見渡せない道路 |
③ |
4.2m (最大7.0m) |
12.7m (最大36.0m) |
④ |
26.8m (最大43.0m) |
33.2m (最大49.0m) |
(括弧内は最大値)
この実験はAndroid同士ですが、GPSの誤差に大きな違いが見られました。
③のNexus5は誤差が小さく良い精度でしたが、④のSOL22は誤差が大きく、さらに走行中の半分以上の時間はGPSの測位自体に失敗しました。
Yahoo!カーナビでは、今まで延べ数100機種を実際の車でテストしてきました。中でも、Nexus5のGPS精度は比較的良かったため、今回の結果にも納得できます。
一方、SOL22はGPSの受信環境が悪いと精度が急に低下する傾向がありました。今回もその状態になったようです。きちんと窓際に置けば、高架下でも何ら問題なく現在地を表示できる機種なのですが。
このように、GPSの精度は機種ごとに違います。この特徴を見分けるのはむずかしいので、「現在地が良くズレる」という方は
とにかくできるだけ窓際に置くということを気をつけると良いと思います。
OSによるGPS精度の違い
最後に、OSによる違いを調べてみます。
AndroidとiOSのスマートフォンを1台ずつシフトレバーの後ろに置き、GPSの精度を比較してみました。
③はAndroidのNexus5、⑤はiOSのiPhone7という機種です。
以下は、走行中に測定したGPSの誤差の平均値です。誤差が小さいほど精度が良かったことを意味します。
No. |
空が見渡せる道路 |
空が見渡せない道路 |
③ |
4.2m (最大7.0m) |
12.7m (最大36.0m) |
⑤ |
6.5m (最大10.0m) |
9.9m (最大30.0m) |
(括弧内は最大値)
空が見渡せる道路ではNexus5の方が誤差が小さく、見渡せない道路ではiPhone7の方が小さいという結果になりました。ただ、今回の実験で大きな違いは見られませんでした。
Yahoo!カーナビでは、今までさまざまな機種をテストしましたが、数字としては比較的良い方だと思います。とはいえ、空が見渡せない道路では誤差が大きくなっていますので、普段から
GPS衛星の電波を受けやすい場所に置くことをおすすめします。
ベストな置き場所は
ということで、車でYahoo!カーナビを使う時のスマートフォンの「ベストな置き場所」は
窓ガラスに近く、できるだけ上の方になりました。
シフトレバー付近など、内側に置いてもそこそこの精度で現在地を示すことはあります。でも、空が見渡せない悪条件になると、精度が急に低下します。
できるだけ「ベストな置き場所」に置いて、スマートフォンに現在地をバッチリつかんでもらいましょう。そうすることで、Yahoo!カーナビも安心して使うことができます。
現在地のズレに困っている方は、ぜひお試しください!
(文:大橋)
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