2013年10月12日
初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!
10万円以下(送料込み、購入時)という激安価格に惹かれ、ほとんど情報が無いままに衝動買いした「MOTHMACH 3DP222」という3Dプリンター。 国産で日本語サポートなのも、選んだ理由。
まだまだ、敷居の高い感じがする立体プリンターですが、確実に価格は下がってきています。
一般レベルに普及するのは、あと、ほんの少しかも‥。
ところで、3Dプリンターを買ってからプリントするまで、どの程度の準備や知識が必要なのか?
僕も初めてですが、ネットで見て、なんとかなりそうだと、人柱になった結果を報告します。
ぶっちゃけ、一度、トライしてみれば意外とカンタンでした。
ざっと、作業の経過を書いていきますね。
---------------------------------------------------------------------
まずは実験として、テストプリントしてみた動画です。
素材は、ネットで拾った、ギアの3Dデータ。
直径4センチ、厚さ5ミリ程度のサイズです。
どうです?
ちゃんと立体出力できてるでしょう。
以下、このプリンターを動かす方法をまとめておきます。
◆本体が届く前に‥
このプリンターに、紙の説明書は付属して来ません。
でも、ネットで詳細なPDFのマニュアルが入手できるので、それをダウンロードして準備しておきます。
このマニュアルと見比べながら、ソフトや機器を設定して行けば、ちゃんと立体プリントできちゃいます。
フィラメント(リールに巻かれた原料のプラスチック)は、ABSのタイプを3色ほど、他にPLAフィラメントの白を買っておきました。
◆本体の組み立て
![初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!]()
![初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!]()
![初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!]()
▲左:設置した「MOTHMACH 3DP222」 / 中:原料送りモーター。ナットを一個無くしてしまい、代わりを入れてますorz / 右:リールの軸受けをセット。
「MOTHMACH 3DP222」の梱包を解いたら、付属の水準器で確認しながら、水平な位置に本体をセット。
次に、フィラメントを送るモーターと、原料リールをセットする軸を取り付けていきます。 (ユーザー側の組み立て作業は、これだけ)
小さなナットは、傾けると落ちるので注意。
送りモーターと、プラスチックを溶かすヘッドのノズルの間は、細い透明なパイプで繋ぎます。
このパイプは両端をそれぞれに押し込むと、カッチリ固定される仕組み。
モーターからの微妙な「送り」の動きが、ノズル側に直結されています。
◆パソコンへの接続
僕のPCは、Win7(64)のデスクトップ。
3Dプリンターの電源を入れたら、おもむろにUSBケーブルをパソコンに繋ぎます。
今回は自動で認識し、デバイスドライバーがインストールされました。
(説明書に手動の方法も書いて有ります)
◆プリント用ソフトウエアのインストール
データを読み取って、立体に出力するためのソフトは、Webで配布されています。
これも、説明書に従って「Repetier-Host」 をインストール 。
適当に「次へ」をクリックして行けば、数ステップで終了です。
と、ソフトを立ち上げてから気が付きました。
うっかり、英語版をインストールしちゃってます。
(あまり、マニュアルを読まない人なもんで‥)
でも大丈夫。
Config ⇒ Languageで設定しなおせば、以降は日本語版として使用できます。
ちなみに、このソフトは、立体モデルを「スライス」する機能を持っています。
つまり、プリンターが吐出する細長いプラスチックを、立体に積み上げて行くためのトレース経路・ヘッドの動かし方を計算する、スゴイやつ!
こんなのが、ネットでカンタンに入手できる時代なんですねー‥。
なお、今回のギアのデータのスライスは、約8秒ほどでした。
◆ソフトの各種設定
プリント用のソフトウエア「Repetier-Host」は、汎用品なので、今回の3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」用に、いくつか調整が必要です。
例えば、温度や送り速度、印刷できる稼働エリア等々。
このへんは、説明書と設定画面を見比べながら、同じ数字を打ち込んでいけばOK。
カンタンです。
ひと通り設定が済んだら、画面上の右左上下の矢印マークをクリックすると、プリンターがミーっと音を立てて動きはじめます。 あと、もう少し!
◆プリンター本体の微調整
3Dプリンターは精密機械です。
「MOTHMACH 3DP222」の場合、出荷時に設定済みですが、僕の個体は微妙に位置がズレていました。
ポイントは、ベッドの水平度。
水平が出てなかったら、4隅のネジを調整して、正しておきます。
校正方法はプリンターのノズルを、ソフト上の矢印で前後左右に移動させながら、ベッドとの間隔をチェック。
標準は、名刺が擦られながらスッと入る位のスキマです。
※これでも、若干狭いですが、後で初期のZ軸(高さ)は、ソフトで微調整可能です。
まずは、ベッドとノズルがぶつからないことを優先!
◆プリントの準備
印刷するための、立体用のデータを準備します。
今回は、http://www.thingiverse.com/ から、適当な歯車のSTLデータをダウンロードして準備。
そのデータを、ソフト「Repetier-Host」にドラッグドロップしたら、細かい設定を開始。
ざっと項目を上げると、レイヤ高さ、スピード、フィラメントの材質・太さ、座標、ノズル太さ等々。
これも、説明書に準じて変更していきます。
ここで、重要なのが、設定を変更したら、必ず名前を付けて設定を保存しておくこと。
これをしないと、次回は反映されません。
なんか、スカスカのギアが出来ていくなぁ‥と思って確認したら、フィラメント太さが3ミリ(ソフトの標準値)になってました。(「MOTHMACH 3DP222」は1.75mm)
この設定保存は、タブを切り替える毎に行っておきましょう。
◆立体出力!
以上の設定が終わったら、スタートボタンを押すと、「おひょひょ ンミミミー ルールルルー!」とか言いながら、3Dプリンターが動き始めます。
![初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!]()
そのまま20分ほど待つと、パソコンで入力したギアが出力完了。 という次第。
時間はかかりますが、感覚としては、まんま、紙に印刷するのと、近い印象。
何回か経験すると、立体が印刷されるのは、普通な感じがしてきます。
なんかちょっと、未来にきちゃったかな、俺(笑)。
ちなみに、完成品は、ベッドに張り付いているので、冷めるのを待って(稼働中はベッドが100℃~に暖められています)、ペリっと引き剥がすと、完成したギアをゲットできました。
◆微調整
先に、設定ミスで、スカスカのギアが出来たと書きましたが、他にも気になる点が有りました。
一つは、ベッドに接する下の部分が、溶けて広がる現象。
どうやら、ベッドの温度が高すぎる場合、プリント中に変形してしまうようです。
あと、250℃で原料を押し出していたロットでは、完成品が少し黄色くなっていました。 (焦げかけた感じ?)
10回ほど試した結果では、ベッドの温度は110℃、ノズルは230℃が、いい感じでした。(ABS)
それより温度が低いと、今回のギアのデータの場合、出力中にベッドから剥がれて失敗しちゃいます。
![初めての3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」。最初の出力実験!]()
▲周囲が剥がれ、縮んでレンズ状に変形した個体。
プラスチックは、温度が高い状態から、冷めていくにしたがって、わずかですが収縮します。
結果、どんどん形状が歪んでいくんですね。
ベッドの加温は、その歪みを抑える役割があるようです。
他にも、密度を高めるために、押し出す速度を早めてみたり、逆に遅くしてみたり、テーブルを下げる速度を調整したり、いろいろやってみました。
変化は微妙ですが、こういう実験をしておくと、今後失敗した時に、原因の傾向が判別しやすいんです。
-------------------------------------------------------------------------
というわけで、最近の3Dプリンターは、素人でもネットのデータやソフトをダウンロードして、カンタンに立体出力できる事が分かりました。
次は、自分で3Dデータを作ってみる予定。
何点か、オリジナルの形状で、作りたいものが有るんですよー。
まだまだ、敷居の高い感じがする立体プリンターですが、確実に価格は下がってきています。
一般レベルに普及するのは、あと、ほんの少しかも‥。
ところで、3Dプリンターを買ってからプリントするまで、どの程度の準備や知識が必要なのか?
僕も初めてですが、ネットで見て、なんとかなりそうだと、人柱になった結果を報告します。
ぶっちゃけ、一度、トライしてみれば意外とカンタンでした。
ざっと、作業の経過を書いていきますね。
---------------------------------------------------------------------
まずは実験として、テストプリントしてみた動画です。
素材は、ネットで拾った、ギアの3Dデータ。
直径4センチ、厚さ5ミリ程度のサイズです。
どうです?
ちゃんと立体出力できてるでしょう。
以下、このプリンターを動かす方法をまとめておきます。
◆本体が届く前に‥
このプリンターに、紙の説明書は付属して来ません。
でも、ネットで詳細なPDFのマニュアルが入手できるので、それをダウンロードして準備しておきます。
このマニュアルと見比べながら、ソフトや機器を設定して行けば、ちゃんと立体プリントできちゃいます。
フィラメント(リールに巻かれた原料のプラスチック)は、ABSのタイプを3色ほど、他にPLAフィラメントの白を買っておきました。
◆本体の組み立て
▲左:設置した「MOTHMACH 3DP222」 / 中:原料送りモーター。ナットを一個無くしてしまい、代わりを入れてますorz / 右:リールの軸受けをセット。
「MOTHMACH 3DP222」の梱包を解いたら、付属の水準器で確認しながら、水平な位置に本体をセット。
次に、フィラメントを送るモーターと、原料リールをセットする軸を取り付けていきます。 (ユーザー側の組み立て作業は、これだけ)
小さなナットは、傾けると落ちるので注意。
送りモーターと、プラスチックを溶かすヘッドのノズルの間は、細い透明なパイプで繋ぎます。
このパイプは両端をそれぞれに押し込むと、カッチリ固定される仕組み。
モーターからの微妙な「送り」の動きが、ノズル側に直結されています。
◆パソコンへの接続
僕のPCは、Win7(64)のデスクトップ。
3Dプリンターの電源を入れたら、おもむろにUSBケーブルをパソコンに繋ぎます。
今回は自動で認識し、デバイスドライバーがインストールされました。
(説明書に手動の方法も書いて有ります)
◆プリント用ソフトウエアのインストール
データを読み取って、立体に出力するためのソフトは、Webで配布されています。
これも、説明書に従って「Repetier-Host」 をインストール 。
適当に「次へ」をクリックして行けば、数ステップで終了です。
うっかり、英語版をインストールしちゃってます。
(あまり、マニュアルを読まない人なもんで‥)
でも大丈夫。
Config ⇒ Languageで設定しなおせば、以降は日本語版として使用できます。
つまり、プリンターが吐出する細長いプラスチックを、立体に積み上げて行くためのトレース経路・ヘッドの動かし方を計算する、スゴイやつ!
こんなのが、ネットでカンタンに入手できる時代なんですねー‥。
なお、今回のギアのデータのスライスは、約8秒ほどでした。
◆ソフトの各種設定
プリント用のソフトウエア「Repetier-Host」は、汎用品なので、今回の3Dプリンター「MOTHMACH 3DP222」用に、いくつか調整が必要です。
例えば、温度や送り速度、印刷できる稼働エリア等々。
このへんは、説明書と設定画面を見比べながら、同じ数字を打ち込んでいけばOK。
カンタンです。
ひと通り設定が済んだら、画面上の右左上下の矢印マークをクリックすると、プリンターがミーっと音を立てて動きはじめます。 あと、もう少し!
◆プリンター本体の微調整
3Dプリンターは精密機械です。
「MOTHMACH 3DP222」の場合、出荷時に設定済みですが、僕の個体は微妙に位置がズレていました。
水平が出てなかったら、4隅のネジを調整して、正しておきます。
校正方法はプリンターのノズルを、ソフト上の矢印で前後左右に移動させながら、ベッドとの間隔をチェック。
標準は、名刺が擦られながらスッと入る位のスキマです。
※これでも、若干狭いですが、後で初期のZ軸(高さ)は、ソフトで微調整可能です。
まずは、ベッドとノズルがぶつからないことを優先!
◆プリントの準備
印刷するための、立体用のデータを準備します。
そのデータを、ソフト「Repetier-Host」にドラッグドロップしたら、細かい設定を開始。
ざっと項目を上げると、レイヤ高さ、スピード、フィラメントの材質・太さ、座標、ノズル太さ等々。
これも、説明書に準じて変更していきます。
ここで、重要なのが、設定を変更したら、必ず名前を付けて設定を保存しておくこと。
これをしないと、次回は反映されません。
この設定保存は、タブを切り替える毎に行っておきましょう。
◆立体出力!
以上の設定が終わったら、スタートボタンを押すと、「おひょひょ ンミミミー ルールルルー!」とか言いながら、3Dプリンターが動き始めます。
そのまま20分ほど待つと、パソコンで入力したギアが出力完了。 という次第。
何回か経験すると、立体が印刷されるのは、普通な感じがしてきます。
なんかちょっと、未来にきちゃったかな、俺(笑)。
ちなみに、完成品は、ベッドに張り付いているので、冷めるのを待って(稼働中はベッドが100℃~に暖められています)、ペリっと引き剥がすと、完成したギアをゲットできました。
◆微調整
一つは、ベッドに接する下の部分が、溶けて広がる現象。
どうやら、ベッドの温度が高すぎる場合、プリント中に変形してしまうようです。
あと、250℃で原料を押し出していたロットでは、完成品が少し黄色くなっていました。 (焦げかけた感じ?)
10回ほど試した結果では、ベッドの温度は110℃、ノズルは230℃が、いい感じでした。(ABS)
それより温度が低いと、今回のギアのデータの場合、出力中にベッドから剥がれて失敗しちゃいます。
▲周囲が剥がれ、縮んでレンズ状に変形した個体。
プラスチックは、温度が高い状態から、冷めていくにしたがって、わずかですが収縮します。
結果、どんどん形状が歪んでいくんですね。
ベッドの加温は、その歪みを抑える役割があるようです。
他にも、密度を高めるために、押し出す速度を早めてみたり、逆に遅くしてみたり、テーブルを下げる速度を調整したり、いろいろやってみました。
変化は微妙ですが、こういう実験をしておくと、今後失敗した時に、原因の傾向が判別しやすいんです。
-------------------------------------------------------------------------
というわけで、最近の3Dプリンターは、素人でもネットのデータやソフトをダウンロードして、カンタンに立体出力できる事が分かりました。
次は、自分で3Dデータを作ってみる予定。
何点か、オリジナルの形状で、作りたいものが有るんですよー。
この記事へのコメント
おーーーっ!!
すごいですねー!
テレビで拝見したことありますが、実際に目の前で見ると感動しそうです><
オリジナルつくったら是非ブログで紹介して頂ければうれしいです!!
すごいですねー!
テレビで拝見したことありますが、実際に目の前で見ると感動しそうです><
オリジナルつくったら是非ブログで紹介して頂ければうれしいです!!
Posted by ちなっつ!
at 2013年10月15日 14:54

3D プリンター導入ですか!凄い!
キャストパズルみたいな知恵の輪を作って、遊べそうですね
モデリングデータを作るのが大変そうですけど・・・
モデリングデータを販売しているサイトとかあるし、将来的にはデータを購入して、3Dプリンタで作るというのが一般的になるかもしれませんね
凄い時代になってきたのを実感します
キャストパズルみたいな知恵の輪を作って、遊べそうですね
モデリングデータを作るのが大変そうですけど・・・
モデリングデータを販売しているサイトとかあるし、将来的にはデータを購入して、3Dプリンタで作るというのが一般的になるかもしれませんね
凄い時代になってきたのを実感します
Posted by takkuru98
at 2013年10月17日 21:40

ちなっつ! さん
もうちょっと、待って下さいねー。
オリジナルを作りたいのですが、時間が!
もうちょっと、待って下さいねー。
オリジナルを作りたいのですが、時間が!
Posted by IGU
at 2013年10月17日 22:33

ホントに、この先 「 ものづくり 」 は、どういう方向に行くんでしょうね。
温度とか歪みが完全自動制御で、エプソンやキャノンから販売されたら、スゴイ事になりそうですが‥。
触った感じ、しばらくは「マニアのおもちゃ」かなぁ。
温度とか歪みが完全自動制御で、エプソンやキャノンから販売されたら、スゴイ事になりそうですが‥。
触った感じ、しばらくは「マニアのおもちゃ」かなぁ。
Posted by IGU
at 2013年10月17日 22:41

はじめまして‥初コメです。
いつも楽しく拝見させて頂いております…
お忙しい様ですが、その後3Dプリンターでのオリジナル製作は如何でしょうか?
現行モデルでノズルや熱対策は問題無いんでしょうか?
よろしくお願いします。
いつも楽しく拝見させて頂いております…
お忙しい様ですが、その後3Dプリンターでのオリジナル製作は如何でしょうか?
現行モデルでノズルや熱対策は問題無いんでしょうか?
よろしくお願いします。
Posted by benopa at 2013年11月14日 17:13
benopaさん、はじめまして!
最近、やっと暇ができて、ちょっとした小物を作ってみました。
近く、アップします。
ノズルは、オプションで小さいサイズも出るようです。
でも、現状でもかなり遅いので、精密に作れるとしても、今より細いノズルはどうかなぁ‥。 という感じです。
熱に関しては、特に困ってません。
ソフトのバグか相性か、指定通りの温度にならない事も多いですが、モニターで見ながら適当にボタンを押していると、なおります。
すいません‥。 性格が適当なので、あまり参考にならないかも。
最近、やっと暇ができて、ちょっとした小物を作ってみました。
近く、アップします。
ノズルは、オプションで小さいサイズも出るようです。
でも、現状でもかなり遅いので、精密に作れるとしても、今より細いノズルはどうかなぁ‥。 という感じです。
熱に関しては、特に困ってません。
ソフトのバグか相性か、指定通りの温度にならない事も多いですが、モニターで見ながら適当にボタンを押していると、なおります。
すいません‥。 性格が適当なので、あまり参考にならないかも。
Posted by IGU
at 2013年11月17日 22:18

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