2009年06月26日
ネットブックをサーバー化 → 「ネットサーバ」- その1
世の中には、「反則」という言葉がある。
それをやっちゃ、おしめーよ。ってな行為を指すんだけど、はたして「ネットブックをサーバーとして使う」というネタはどうなんだろう。…やっぱり、専用マシンを買うべきだろうか。
実は、思いついてから、いくつかのキーワードでGoogle検索してみたんだけど、なかなか有益な情報が見つからない。なので、もしや「反則」なのかなぁと、不安になったワケ…。
普通のノートPCをサーバーに使う話は昔からあるみたいだけど……。
ここ最近、パソコンの自作派から注目されているAtom CPU(アトム シーピーユー)。
本来は組込用らしいけど、低価格や省電力性能が売りで、各メーカーからAtom搭載のマザーボードが次々と発売されている。
僕も、一台買って、ファイルサーバー用の自作PCを作ってみようかと、結構真剣に考えていた。
▲お店で売ってるAtom搭載マザーボード
欲しいマザーボードの価格は現在、約1.4万円程度。他にケースと電源で約1万円。
ハードディスクやメモリー、OSを足しても、3~4万円台で作ることができそう。
が、別記事で書いた、Aspire ONE AOA150の分解で、ふとネットブックの中身を流用するアイデアに、僕は取り付かれてしまったんだ。
なんせ、同じAtom CPU(チップセットは省エネタイプの別物)を使っていながら、単品でパーツを買い揃えるより、はるかに安いし、必要な部品が一通り全て揃っている。
Aspire ONE AOA150の中身は、Atomマザーをはじめ、2.5インチハードディスク(120GB)、モニター、タッチパッド、キーボード、無線LANユニット、1GBのメインメモリ、スピーカー、etc…、というパッケージ。
他にACアダプター、バッテリー、OS(Windows XP)まで付属して、安い店なら2.5万円~ 送料込み(NTT-Xストア)。
バッテリー&充電機能は、無停電電源装置(UPS)と同等だ。
これって部品取り用と仮定すると、宝の山?
試しに、バラしたままモニターとキーボードを繋いで起動すると、普通にWindowsマシンだ(事前に設定が必要)。
この小さい部品群に、Windowsを動かす一通り全てが入っている!?
しかも、外付けモニターなら、ネットブック特有の、1024×600という、解像度の縛りも無い…。
▲ネットブックの中身だけで稼働実験。
いやいや、やっぱり、これは反則だろ!
部品取り用だなんて、新品のパソコンに対して失礼だし、それをやっちゃ……。
Aspire ONE AOA150は、そのまま使っても、コンパクトでいいパソコンですよー。ホントに…。(メーカーの人、ごめんなさい)結局、流用しちゃいましたけど…。
ここからは、少しマジメな話。
サーバーの定義や使い方にもよるけど、低負荷な作業のみをさせて、とりあえず常時稼働しててくれればいい。と割り切れれば、ネットブックをサーバーとして使うのは大いにアリだと思う。
持ち運びが前提の機器なので、構成がシンプルで非常に省電力。ワットチェッカーで実測した消費電力は、モニターを切った状態なら8W~程度だ。
ただ、筐体(きょうたい)があまりに小さく、熱がこもりやすい点から、ネットブックをそのまま電源入れっぱなしでサーバー化(放置)するには、耐久性が不安だ。普通のデスクトップに比べ、冷却の面で圧倒的に不利すぎる。
熱に弱いハードディスクや各種電子部品を冷やす装置は、小さなファンが一個あるのみ。異音とかに気づかず、もしこれが壊れたら、全部パーだ。それと、Aspire ONE AOA150は、ファンの音が耳ざわりなのも気になる。部屋の中で24時間「キ~ン」と鳴られるのは迷惑だ。
これら、熱と音をポイントに、今回はチカラ技で工作をしてみた。(PC自作ネタではなく、あくまで「工作」です)
以下、とあるネットブック、Aspire ONE AOA150のサーバー化のお話しです。
■基本設計
まずは熱対策を考える。
最初に稼働状態でマザーボード各部の温度を、指先で触って確認していく。熱を持つパーツは後で個別にヒートシンクを付け、冷えるように対策予定。Atom CPUにも、ファンレスが可能な程度の大型ヒートシンクを取り付ける。
その上で、外気がゆるやかに循環するようにしておけば、熱によるパーツ劣化の不安は、かなり削減できるハズ。(詳細はその2にて)。
ちなみに、Atom CPUは組込用途が前提だけあって、耐熱性自体は高いらしい。さらにAspire ONE AOA150のマザーボードには、電解コンデンサー(一般的に熱に弱いとされる)は1個のみ、他は全て固形コンデンサーのようだ。
小型の筐体ゆえ、メーカー側でも、耐熱性には配慮して設計しているのだろう。長時間稼働に期待が持てそうだ。
…分解したAspire ONE AOA150のマザーボードに、手持ちのパーツを立体的に組み合わせてみると、なんだかそれっぽい。ここで、だいたいのレイアウトを決定。
■ケースについて
サイズが特殊なので、ケースはオリジナル。放熱性のいい1000番系のアルミ材で自作する。
平行して進めている「超小型PCの車載化」の行程と、今回のプロジェクトのために、自作のベンダーマシン(金属折曲機)を作って、それでケースを製作してみた。(加工の詳細は「その2」にて)
サイズは、バッテリーやマザーボードの構造から、あまり小型化はできなかった。スペックは高さ55mm、幅165mm、長さ230mm。(ノーマルは同 29×170×249)
■ハードディスク
ハードディスクの取り付け場所は、放熱を良くするため、アルミのケースにネジで直付け。これだけ大きな放熱板があれば、熱を持つ方が難しいくらいだ。
耐久性の面から、3.5インチへの換装も考えたけど、このハードディスクにはOS(Windows)と数種のソフト、いくつかの共有フォルダーしか置くつもりは無いし、省エネなので、そのまま使うことにした。壊れた時は交換すればいい。
OS(Windows)はAcronis True Imageでイメージ化しておけば、ハードディスクの交換&リカバリーは10分程度。あと、各種ソフトのインストール用CDやドライバー類もイメージ化して、ネットワークからいつでも使えるようにする予定(詳細はその3にて)。
なお、市販のS-ATA延長ケーブルを使うと、ハードディスクの位置は、かなり自由に変更できる。
■マザーボードの取り付け
ケースの底にハードディスクを付けたので、スペーサーをかまして、マザーボードを15mm浮かせる構造にした。
2mmネジ用のスペーサーは市販品が無いので、自作。
ホームセンターで長さ15mm、内径1.8ミリのちょうどいい電工用の圧着端子を見つけたので、タップという工具で、内部にネジを切って流用する。
ネジは15mmと6mmの長さのしか入手できなかったので、両側から6mmネジで挟む構造だ。
▲圧着端子の素材は銅製。
基板のもう一方も、長さ8ミリ(内径2.4mm)の圧着端子をスペーサーに流用して、浮かせて取り付ける。こちらは15mmのネジを使用。
…今回のシリーズは、市販品に無いオリジナルパーツがいろいろ必要なので、こーいった自作&流用ネタが続きます。
→ ネットブックをサーバー化 → 「ネットサーバ」- その1 それって反則?編
ネットブックをサーバー化 → 「ネットサーバ」- その2 ヒートシンク制作編
ネットブックをサーバー化 → 「ネットサーバ」- その3 とりあえず完成編
ネットブックをサーバー化 → 「ネットサーバ」- その4 まとめ&使い方編
Posted by IGU at 23:18│Comments(1)
│PC関連
この記事へのコメント
ラズパイで鯖組んでます。僕はノトパ鯖について有益な情報にありつけずここに来ました。こういうのいいですよね。僕もいつか破壊覚悟で組んでみたいです...。
Posted by ゲテモノpc channel at 2021年05月22日 22:22
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