こんにちは、ぽいふるです。
最近、今年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」をようやく見始めてます。(HDDに録画してた分が大量にある…)
なんか視聴率は芳しくないらしいですが、歴史好きの中でも人気な時代「幕末」をテーマにしてるので、前から見よーとは思ってました。
まぁ確かに、視聴率悪い理由もわからなくもないですが、ここ最近の大河で長州藩の内情を中心に描いた作品ってないので、面白いテーマだと思います。
日本史は個人的にすごく好きで、学生時代から歴史小説をはじめ、明治初期に書かれた文献や論文資料を読み漁ってるんですが(はい、おたくです)、特に好きなのがこの幕末の時代です。
260年続いた江戸幕府の平安の時代が崩れ、尊皇攘夷運動が勃発し、新たな時代の幕開けに向け、それぞれの志を持つ志士たちが、激動の時代に身を投じていく姿が、読んでて興奮します。
幕末の思想家で有名な吉田松陰先生も、「歴史を読みて、志を激せしむる(正確な言葉忘れてしまった)と言っています。
つまり、歴史を読むことによって、志とモチベーションを高められるってことですね。
幕末の動乱と、現代の技術革新が急激に進んでいる時代は、物は違えど国内で起こっている大きな変動期であり、そのような時代に生きる我々は、過去の偉人たちから多くのことを学べると思います。
歴史小説を読むなら、司馬遼太郎本
昔から幕末についての歴史小説や時代小説は数多く出版されてますが、中でも小説として読む分で僕がおすすめなのは、司馬遼太郎作品。
司馬遼太郎は、執筆前に入念な下調べをすることが有名で、トラック一台分の文献を読みたおし、さらに現地調査も怠らず、徹底的に調べて書かれています。
その調査力に脱帽です。
そして、「司馬史観」と呼ばれる独自の歴史の見方もファンが集まる理由ですね。
史実を淡々とまとめるのではなく、その歴史や人物の中に、独自の視点を取り入れることで、歴史がまさに生々しくかつ凛凛と輝いているように描かれています。
なので、歴史書を読み始めたいけど、何から読んでいいかわからないーって方には、ぜひ司馬遼太郎本をまず手にとってもらいたいなーと思いますね。
今回は、司馬遼太郎作品の中で、幕末の動乱を描いた歴史小説を5作品を厳選してご紹介したいと思います。
倒幕側の動きを知りたいなら
世に住む日々
吉田松陰と高杉晋作を中心に、倒幕の中心となった長州藩の志士たちを描いた小説。
現在NHKにて放送中の大河ドラマ『花燃ゆ』を見ている方には、特にオススメ。
全四巻のこの小説は、前半が吉田松陰を中心にストーリーが進み、2巻後半以降は高杉晋作が主人公となります。
なぜ京都や江戸から離れた長州藩(今の山口県)で、突如として日本中を巻き込む過激な討幕運動が巻き起こり、藩を挙げて狂気を持った暴走を進めて行ったのか。
そして幕府や他藩から追い詰められ、絶体絶命のピンチから、いかに立ち上がり、ついには倒幕を成し遂げ、明治維新を成立せしめたのか。
それが、この本でわかります。
幕末の動乱の中、長州藩の志士達がどのように考え、実行し、時代を動かしていったのかを読むことで、自分の普段の仕事や生活にも生かせる点が非常にあります。
ちなみに、僕たちが普段使っている「僕」っていうのは、元々長州藩内で使われていた方言です。
あと、組織のことを「隊」って呼んだり、政治家が「~であります」っていうのも長州の方言が元になってます。(いきなりトリビア!)
僕は高杉晋作好きなんで、この本はぜひ読んでほしい本です。
あと、4巻では、奇兵隊の隊長を務め、後に明治になって日本陸軍の基礎を築き、絶大な権力を掌握することになる山県狂介についても書かれているところも興味深いです。
竜馬がゆく
この小説はもはや言うに及ばないくらい有名ですよね。
土佐藩出身の坂本竜馬の激動の人生を描いた名作。
土佐の下級武士の家に生まれ、その後脱藩し、浪人の身になりながらも、開国による富国強兵、そして日本の近代化を目指し、商社の先駆けである亀山社中(後の海援隊)を創設、そして「薩長同盟」や「大政奉還」という、時代を動かす大事業を成し遂げていきます。
その志高く、夢に満ち溢れた生き方は、読んでるだけで居ても立っても居られないくらいにモチベーションを高めてくれます。
この本を読んでから、ソフトバンクの孫正義社長の伝記を読むと、共通点がありすぎることに驚き。
実際、孫さんは竜馬がゆくの大ファンでこれまでにも何度か読み返してるらしいんで、竜馬を意識してるところめちゃありそうですね。
ちなみに、ソフトバンクの会社ロゴも、坂本龍馬の海援隊のマークをモチーフにしたものです。(またまたトリビア)
花神
司馬遼太郎作品の中でも、特におすすめしたい本。
「維新の十傑」の一人として挙げられるにもかかわらず、現代ではほとんど知られていない、大村益次郎を主人公とした作品。
長州の田舎の村医者だった村田蔵六(後の大村益次郎)が、蘭学の知識を買われ、宇和島藩に取り立てられたことを皮切りに、幕府、そして長州藩に請われ、その才能を発揮していき、ついには討幕軍の総司令官として幕末の動乱期を終結に導きます。
大村益次郎は、寡黙で、人に対して愛想のかけらもないような人物ですが、とにかく立てた戦略がことごとく的中し、どんどん戦況を有利に運んでいくという、驚異的な軍略の才能を持っています。
一見すると、戦況が危機的な状況になった時も、「すべて予測せしとおりで、おどろくべきところは一つもござらぬ」という態度を崩すことがなく、しかもその後は大村が言ったように戦況が進み、計画通りに勝利を得ていきます。
軍師と言えば、黒田官兵衛とか山本勘助とか戦国時代の武将が有名で、中国史では三国志の諸葛亮孔明が人気ですが、軍略の才では彼らに決して引けをとらない名将と言えるでしょう。
佐幕側の動きを知りたいなら
燃えよ剣
佐幕派(幕府側)の立場から幕末を見るなら、この一冊。
幕末に名を馳せた新選組副長、土方歳三を主人公とし、剣に生き、剣に死んだ男の生涯を描いた名作です。
司馬遼太郎本で好きな作品ベスト1位に挙げる人も多いと思います。
もともと関東の田舎の百姓の子だった歳三が、武士への憧れから、幕末の動乱へ身を投じ、流れ者の浪人や百姓上りの者たちを束ね、新撰組という京随一の剣の達人組織を創り上げる。
しかし、時代の流れは倒幕側へと傾き、幕府側として次第に追い詰められていきます。
土方歳三の天才的な組織作りの手腕と、武士として生きたその生き方は、とにかくカッコイイ。
読んでて誰しもが熱くなる作品です。
有名な“池田屋事件”も映画を見ているかのような躍動感と迫力があります。
中立な立場を貫こうとした藩もいた
峠
討幕、佐幕、両者に属さない第三者の幕末物語。
幕末、京で尊皇攘夷の動乱の嵐が吹き荒れる中、北陸に位置する長岡藩において、いち早く封建制度の崩壊を予測し、近代化の必要性を認識した者がいました。
その者が、河井継之助。
一介の藩士から、ついには長岡藩の筆頭家老へと出世し、幕末の動乱の中で、あくまで中立の立場をとり、長岡藩の存続を図るも、維新史上最も壮烈であったと言われる北越戦争に散った武士の生涯を描いた小説です。
陽明学を信念においた河井継之助の言葉には、感銘を受ける名言が多くあります。
発言がとにかくカッコイイ。(司馬史観で語られているので実際に発言したかは定かではないけど)
ワタミの創業者、渡邊美樹さんも推薦されていますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、僕の好きな司馬遼太郎本の中で、幕末をテーマにした5作品を紹介しました。
司馬遼太郎の本は、単純に歴史を知るだけではなく、その人物の生き方から、普段の仕事や人生観にとっても多いに学べる言葉がテンコ盛りなので、ビジネス書として読むのも良いかなと思います。
ちなみに、今回は幕末をテーマに、幕末における志士たちの小説を紹介しましたが、幕末以後、日本が明治維新を迎えて、どうなっていったか。っていうところを知りたい方には、司馬遼太郎作品なら『翔ぶが如く』をおすすめします。
ただ、ここまで司馬遼太郎小説のおすすめ作品を紹介してきましたが、司馬本もあくまで“小説”なんで、中にはよくわからないキャラがいたり、フィクション設定が入ってることがあるんで、全部が史実通りってわけじゃないですし、主役を美化しすぎてる感もあります。(特に司馬さんは竜馬ファンらしいので、竜馬はすごく美化されてる気がする)
なので、もっと史実を知りたい!とか、良いところと悪いところをひっくるめて本来の人物像を知りたいよーって方は、小説から脱却して、次は古い文献とか史書を読むことをおすすめします。
特に、幕末とか明治維新のこととかであれば、明治時代とかに書かれた文献だと、当時、その人物と知り合いだった人とかが書いてることも多く、より人間的な人物像を知れたりします。
幕末の日本から、まだ160年しか経ってませんが(160年しか?160年も?)、日本っていうか世界はすさまじい変化を遂げてますよね。
今後の未来を見据えるためにも、過去の歴史から学べることは多いと思います。