誰もいない「石破さんの代わり」

亀井静香・元自民党政調会長
亀井静香氏=北山夏帆撮影
亀井静香氏=北山夏帆撮影

 少数与党の石破茂政権はどうなるのか。自民党、社会党、新党さきがけの自社さ連立政権成立(1994年)で活躍した亀井静香元自民党政調会長に聞きました。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇ ◇

令和の大乱

 ――困難な政権運営です。

 ◆応仁の乱の再来です。令和の大乱です。これは10年続くでしょう。信長が出てくるかどうかです。

 ――自社さ政権ができた時に奮闘されました。

 ◆村山(富市元首相)さんがいたからうまくいきました。信長ではありませんでしたが、無私の人、欲のない人でした。

 村山さんは、「政策は亀井さんとは反対の立場だが、権力を握ってからどうするか考えればいい。今考えても絵空事だ」という現実主義者でした。だから、自民のなかからも村山さんがいいと声が出ました。

 村山さんから辞めると告げられた時はショックでした。私は「自民もみな村山さん、村山さんだ」と言いましたが、村山さんは「亀井さん、そう言ってくれるのはありがたいが、多数党が首相を出すべきだ。今なら、自民から首相が出ても、社会党をまとめて応援させることができる。しかし、この先も自分にその力があるかどうかわからない。だから今辞める」とおっしゃられた。

 地位に恋々としない、偉い方でした。すぐに橋本(龍太郎元首相)さんに電話をしました。「村山さんに感謝してほしい」とね。今は村山さんがいないなあ。

自民党は夕日

 ――石破さんはどうでしょう。

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元自民党政調会長

1936年生まれ。62年警察庁入庁。79年衆院初当選。13期。運輸相、建設相、自民党政調会長、金融担当相などを務めた。2017年衆院選に出馬せず引退した。