ガンダム新作にファン興奮の中「ハサウェイはどうなった?」 続報がない理由とは
「ガンダム」シリーズの新作『ジークアクス』が発表され、SNSで多くのコメントが交わされています。そのなかには「『閃光のハサウェイ』はどうなった?」という内容が多く見受けられました。劇場作品として全三部作の公開が予定されており、第一作は2021年6月に公開されましたが、第二作についてはいまだ具体的な発表がありません。
『閃光のハサウェイ』第一作の公開から3年半が経過
「ガンダム」シリーズの新作アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(読み方:ジークアクス)が発表され、SNSで多くのコメントが交わされています。「ジークアクス」「新作ガンダム」や、制作の「スタジオカラー」「庵野さん」などのワードがトレンドに多数上がりました。
また、「ガンダム」関連のワードに「ハサウェイ」も見られました。該当の投稿で言及されているのは、「『閃光のハサウェイ』はどうなった?」という内容です。『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は劇場作品として全三部作の公開が予定されており、第一作は2021年6月に公開されましたが、第二作についてはいまだ具体的な発表がありません。何が起こっているのでしょうか?
『ジークアクス』が発表された2024年12月時点で、『閃光のハサウェイ』第一作が公開されてから3年半が経過しています。その間にも、2022年10月からTV放送された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が新たな基軸を開拓し、大ヒットしました。また、劇場作品としても、2024年1月の映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開され、大きな盛り上がりを見せています。配信作品としては、2024年10月に『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』が公開され「ジオン側から見たガンダム」の恐ろしさをまざまざと表現しました。
しかし『閃光のハサウェイ』については続編のタイトルが『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ サン オブ ブライト』であること、三部作のなかでは最も原作小説の内容から離れた作品となること以外、ほとんど情報すらない状態です。なぜ他のガンダム作品が活発に動いているなか、『閃光のハサウェイ』はこれほど動きが見えないのでしょうか。
まず理由として考えられるのは、スタッフ不足です。アニメは現在年間に300本程度の数が制作されており、さらに劇場版が上乗せされる形で、慢性的に人が足りない状態が長く続いています。特にここ25年ほどの間、ロボットアニメは定期的に作られ続けているものの、主流を占めていたのはファンタジー作品であり、メカを描ける人間はある程度限定されています。
『閃光のハサウェイ』は「ガンダム」の原点ともいえる、富野由悠季監督が自ら手掛けた小説が原作です。劇場版に対するファンからの視線は期待と厳しさ、両者が混在したものになるため、中途半端なものなど出せるわけはありません。厳選されたメインスタッフをはじめとする、多くの力あるスタッフが全身全霊を込めて作る必要があるのです。
そんなスタッフを簡単に集められるわけはありません。他にも多くの「ガンダム」が作られている状況下、おそらくは必死のやり繰りが続いているのでしょう。つまり情報が出たとき、公開されたときは、それだけすごいものができたことを意味しています。話題を切らさず「その時」を待つ。それがファンの取るべき姿勢ではないでしょうか。
(早川清一朗)