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SIEの「PS5」戦略は好調?それとも黄色信号? 2024年の成功を握るカギとは

ソニーグループが先日発表した決算では、ゲーム&ネットワーク部門は好調に推移していました。ですが、PS5の展開が何の問題もないかと言えば、いくつかの壁があるように思います。どんな不安点があり、それを払拭するにはいかなる展開が必要なのでしょうか。

PS5の好調ぶりと、不安を覚える片鱗

11月10日に、PS5の新モデルが展開
11月10日に、PS5の新モデルが展開

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が手がけた家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(以下、PS5)が発売開始から3年経ち、4年目のサイクルに突入しました。

 一般的な傾向では、4年目に突入したゲーム機は安定傾向にあります。ここまでの普及率を背景にゲームの売り上げを伸ばしつつ、その影響を受けてゲーム機本体の売り上げも積み上げていく時期です。ですがPS5の場合、序盤の販売時期とコロナ禍が被る不幸に見舞われ、十分な供給を行えない不運に苦しめられました。

 ですが、今年の2月頃からようやく国内でも自由に買えるようになり、販売台数も順調に増加しています。また、今年だけでも『FINAL FANTASY XVI』や『Marvel’s Spider-Man 2』といった注目度の高い独占タイトルが発売され、11月10日にはPS5の新モデルが登場するなど、活気のある展開も続いています。

 こうした動きに好調の兆しを見る人もいますが、PS5の動向に不安感を覚える人も一定数います。果たして不安の声は、実態に即したものなのか。それとも、印象に過ぎないのか。同社のPS5戦略に、改めて注目してみましょう。

●決算が示すPS5の好調ぶり

 好調・不調の兆しをうかがう材料として、決算の結果は有用です。まずは、先日ソニーグループが公開した2023年度 第2四半期の連結業績や関連資料から、PS5の動向に迫ります。

 SIEが深く関わる「ゲーム&ネットワークサービス」は、売上高9541億円(前年同期比32%増)、営業利益489億円(前年同期比16%増)と好調な動きを見せています。ただし営業利益は、PS5の損益悪化の影響もあった模様です。

 PS5の販売台数にも触れており、当四半期では490万台を販売したとのこと。この数字は、年間2000万台を販売した2016年度 第2四半期の「PlayStation 4」の販売台数を25%上回っており、ここでも順調な結果を出しています。

 ソフトウェアについては、PS5独占タイトルの『Marvel’s Spider-Man 2』が発売から10日間で500万本を達成し、爆発的なヒットを記録しました。

 PS5に関連する主だったデータを抜き出してみましたが、かつての不運を乗り越えるような好調ぶりです。こうした数字からは、SIEのPS5戦略は功を奏しているように思われます。

●PS5にも関わる、PS+の会員数が不透明

 数字の上では好調に見えるPS5戦略ですが、懸念する点や疑問が浮かぶポイントもあります。

 SIEの重要な戦略のひとつに、定額でさまざまなゲームが遊べる「PlayStation Plus」(以下、PS+)があります。このサービスが2022年6月にリニューアルされ、複数のプランに分かれました。その影響か、6月末時点(4730万人)と比較してPS+会員が約200万人減少し、4540万人に落ち込んでいたことが、2022年11月の決算報告にて明らかになっています。

 ですが、その後の展開で会員数は増加傾向に転じ、2022年度 第4四半期 連結業績補足資料の時点では、4740万人と元の水準まで回復しました。こうして谷間を切り抜けたように見えますが、しばらく前からPS+会員数の公開を控えるようになり、現状での実態は不透明です。

 その状況に追い打ちをかけるように、PS+の価格(12ヶ月分)が2023年9月より値上げされました。しかも上がり幅は約30%と、決して小さな数字ではありません。この影響で会員数が変動している可能性も十分ありますが、現在の正確な人数は不明です。

【画像】メッチャおもしろい! PS5の独占ゲームタイトルを見る(5枚)

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