2025年3月5日
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雨宮処凛がゆく!

若者の「生きづらさ」、格差・貧困問題、脱原発など、幅広いテーマで、取材・執筆、運動を行っている雨宮処凛さんによる定期連載コラム。

第711回:「お金がなくて病院に行けず、命を落とした」人、2023年で48人〜高額療養費の上限額引き上げに反対。の巻(雨宮処凛)

「医療費が払えず抗がん剤治療を中断 保険料が払えず無保険、過去にがん治療を医療費の問題から断念し、その後がんが進行、手遅れになった事例」(70代 男性)「退職後、国保保険料が払えず受診が遅れ、熱中症状態で受診の数日後に自宅で亡く…

第710回:『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』〜全人類が観るべき映画〜(雨宮処凛)

全人類が見るべき映画と出会ってしまった。それは『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』。長らく動物をテーマに作品を作り続けてきた山田あかね監督が手がけたドキュメンタリー映画で、サイトには「〈戦場にいる犬たち〉と〈小さな命を救う人々…

第709回:ルッキズム近辺について思うこと〜Tik Tokについての原稿を書いて。の巻(雨宮処凛)

2月1日、Addiction Reportで公開された原稿が、大きな反響を呼んでいる。「『見る福祉』としてのTik Tok〜ハマりまくって10キロ痩せ、我に返った顛末記〜」という原稿だ。詳しくは読んで欲しいのだが、タイトル通りTik Tokにハマった結果、美意識…

第708回:「楽しい日本」への大きな違和感。の巻(雨宮処凛)

「楽しい日本を目指していきたい」。1月24日、施政方針演説で石破総理が語った言葉だ。その翌日、毎週土曜日に東京都庁の下で「もやい」と「新宿ごはんプラス」によって開催されている食品配布には、食料を求めて828人が並んだ。コロナ前は50…

第707回:生きていたら生誕祭に来て欲しかった3人〜鈴木邦男、塩見孝也、見沢知廉〜の巻(雨宮処凛)

1月15日、イスラエルとハマスとの間で停戦が合意された。その後もイスラエル軍のガザへの攻撃は続くなど予断を許さない状況であるが、「停戦」という言葉の重みを噛み締めつつ、これ以上死者が増えてほしくないとただただ祈っている。そんな状況…

第706回:「戦後80年」に考える、「戦後100年」を達成する方法。の巻(雨宮処凛)

2025年が始まった。私にとっては生誕50年、デビュー25周年という「周年イヤー」である。そんな年が始まる直前の大晦日は、横浜・寿町と東京・池袋の炊き出しを巡った。14時から年越しそばが振る舞われた寿町の公園には長い行列ができていて、…

第705回:個人的なことと共に振り返る2024年〜出した本、病気発覚、そして至ったある境地〜の巻(雨宮処凛)

2024年もあと数日となった。年の瀬を控えた12月21日には、隔月で開催されている「いのちとくらしを守る なんでも相談会」が全国で開催された。私も対面の相談員をしたが、「食べるものもない」「子どもに食べさせるものに困っている」「もう…

第704回:野菜が高い!!物価高騰にとうとう美容オタクも悲鳴〜今年最後の「なんでも電話相談会」の巻(雨宮処凛)

「美容オタクの友達が、とうとう『デモ行きたい』って言い出したんだけど」。先週、飲み友達のA子に言われて面食らった。A子とはしょっちゅう一緒に飲む仲。しかし、彼女はリベラル系には批判的で一定の距離を置いているスタンス。そんなA子の…

第703回:「失われた30年」のアンハッピーセット〜自己責任、差別やヘイト、そして石丸・斎藤現象まで。の巻(雨宮処凛)

来年の1月27日、私は50歳の誕生日を迎える。しかも来年はデビュー25周年。ということで、1月27日夜、ロフトプラスワン(東京・新宿)にて「雨宮処凛生誕50年&デビュー25周年大感謝祭」を開催予定だ。また、来年はそんな「記念の年」として、1年…

第702回:治療に辿り着くまで25年〜統合失調症の姉と病を否認する両親の20年を記録した『どうすればよかったか?』。の巻(雨宮処凛)

観終わった後、しばらく立ち直れないくらいの衝撃を受けた。それはドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』。まず書いておきたいのは、それでも今、この映画を多くの人に観てほしいと熱烈に思っているということだ。観た人は、重い荷物を…