江戸時代の初化粧。化粧のしきたりに対する江戸女性の心情を読み解く「初化粧」展が開催
ポーラ文化研究所の化粧文化ギャラリーにて、江戸時代の通過儀礼としての化粧に焦点を当てた「初化粧」展が開催されます。
江戸時代、化粧には身分や階級、年齢、職業によって多くの決まりごとがあり、成人、結婚、出産などライフステージの変化を機に「初めて行う化粧」がありました。
本展では、さまざまな通過儀礼のある中、特に既婚女性を象徴する「剃り眉と丸髷(まるまげ)」に焦点を当て、化粧のもつ社会的な意味や、人生に訪れる「初化粧」への思いや不安、ためらいを掘り下げます。
五渡亭国貞や三代歌川豊国の浮世絵など未婚・既婚女性のよそおいを描いた作品6点や、江戸時代後期の眉つくり道具、当時の髪型を約2分の1の大きさで再現した「結髪雛形(けっぱつひながた)」を展示。
ライフステージの変化とともに、髪型を変え、顔の印象を大きく左右する眉毛を落とす。個人にとってその衝撃は大きいことが想像され、「初化粧」に向かう当時の女性の期待や不安、ためらいなど揺れ動く気持ちを、川柳や絵画資料なども挙げながら、多角的に読み解きます。
Booksのコーナーでは、「転換点」から連想を広げた6つのテーマ「Border/変態/ 流行/視覚/ためらい/自信」を軸に選定した書籍が並びます。ユニークなラインナップの数々に思わず手が伸びる、化粧文化との予期せぬ出会いを楽しめる内容に。
オープニング企画「はじまりの美学」3期、「初化粧」展は、2024年12月19日(木)~2025年3月28日(金)の期間、ポーラ文化研究所 化粧文化ギャラリーで開催されます。