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被リンクとは「別のWebページからされたリンク」のことである。バックリンクやインバウンドリンクと呼ばれることもある。
被リンクは、検索順位を決める重要な要素である。なぜならば、たくさん「良い被リンク」を受けているページやサイトは、「他サイトからも評価されている良いページ(サイト)だ」と判断されるからだ。
被リンクがサイトに与える2つのSEO効果 |
❶ 被リンクが多いサイトは重要なサイトと判断される ❷ 質の高い被リンクを得ているサイトは評価が上がる |
つまり、SEOにおいて上位表示を狙うならば、良質な被リンクを獲得するべきである。
この記事では、高品質な被リンクを増やすための方法を中心に、被リンクに関するさまざまな情報をお伝えしていく。
この記事を読むとわかること |
「被リンクって何?」と知りたい初心者ユーザーはもちろん、中級者以上の方も、最新の被リンク情報をキャッチアップしていただければと思う。
目次
最初に、そもそも被リンクとは何か、基本の意味から見ていこう。
冒頭でも触れたとおり、被リンクとは、別のWebページからされたリンクのことだ。
「被」とは「他から〜される」という意味なので、被リンクとはそのまま「他からリンクされる」という意味になる。
Googleは黎明期から「被リンク」の品質と数を、Webページの評価に用いてきた。
そのため、「被リンクはSEOに重要」といわれる。SEOと被リンクについては、この後「2. 被リンクがサイトに与える2つのSEO効果」にて詳説しよう。
被リンクは英語で「バックリンク(backlink)」あるいは「インバウンドリンク(inbound link)」という。
被リンクのように基本的なSEO用語は、英語もあわせて覚えておくとよい。WordPressで海外プラグインを利用するときやコードを読むときなどに役に立つ。
被リンク以外のリンク関係の用語を、ここで整理しておこう。
初心者にとってSEO用語は紛らわしいものが多く、混同している方もいる。注意してほしい。
被リンクの対義語となるのが「発リンク」で、別のページへしたリンクのことを指す。
発リンクは英語で「アウトバウンドリンク(outbound link)」である。
外部リンクとは、外部サイトと自サイトの間のリンクのことだ。
外部リンクには、されるリンク(被リンク)とするリンク(発リンク)がある。
外部リンクは英語で「エクスターナルリンク(external link)」という。
※外部リンクについて詳しくは「外部リンクとは?SEOに与える影響・注意点・対策方法まで解説」にて解説している。
内部リンクは、外部リンクの対義語にあたり、自サイトの間のリンクのことだ。
内部リンクは英語で「インターナルリンク(internal link)」という。
※内部リンクについて詳しくは「内部リンクとは?SEOでの重要性と効果が出る張り方のコツ」にて解説している。
ここからは、被リンクがサイトに与える2つのSEO効果について解説していこう。
被リンクがサイトに与える2つのSEO効果 |
❶ 被リンクが多いサイトは重要なサイトと判断される ❷ 質の高い被リンクを得ているサイトは評価が上がる |
ここでは「2020年代以降から、初めてSEOに取り組む方」に向けて、初歩的な知識から現在に至る背景なども含め、丁寧に見ていくことにしよう。
端的にいうと、Googleの検索結果に表示される順位の決定には、被リンクが影響している。
そもそもGoogleのはじまりは、1996年にスタンフォード大学での研究で、のちにGoogle共同創設者となるラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが、『PageRank』を開発したところにある。
PageRankは、
「Webページの質を把握する最良の方法は、被リンクの数と質を分析することである」
という考え方に基づいて設計されており、革命的だった。
PageRankの革命的なアイデアがあったからこそ、Googleは世界一の検索エンジンとして君臨し続けている。
※PageRankについてより詳しく知りたい方は「ページランクとは?今でも意識するべき理由と調べ方を解説」もあわせて確認してほしい。
PageRankが1996年に生まれてから25年以上の年月が経ち、その評価手法は洗練の一途をたどってきた。
被リンクの「数」が多ければ良いわけではなく「質」が問われるようになった。つまり、すべての被リンクが等しく評価されるのではない、ということだ。
たとえば、同じ内容のページAとページBがあり、 ページAには10の被リンクがあり、ページBには5の被リンクがあったとしよう。
仮に被リンクの質がすべて同じだったなら、被リンク数が多いページAのほうが高評価となる。
しかし、実際には被リンクの質はひとつずつ、異なる。「質」も考慮して評価すると、被リンク数は少なくても、ページBのほうが高評価となるかもしれない。
「被リンクの質」については「5. 高品質な被リンクとは何か?良い被リンクの5つの条件」で後述するが、まずは「被リンクは数だけ多く獲得しても意味がない」ことを押さえよう。
2章で解説した通り、良い被リンクを獲得することでサイトのSEO評価が上がり、上位表示されやすくなる効果がある。
そのため、SEOで上位表示を目指すならば、質の高い被リンク獲得を目指すべきである。
被リンクは「本数が多ければ良い」というものではない。
「どのようなサイトからの被リンクなのか」「被リンクを受けているサイトの発リンクの数が多いか少ないか」によって、被リンクの価値も変わってくる。
基本的には、関連性が高くDR(ドメインの強さ)が高いサイトから被リンクを獲得することを目指すのが良い。
例えば、ドローンの情報サイトを手がけているサイトなら、「日本ドローン協会」などが上記に該当する。
目指すべき被リンクの本数はサイトによって異なる なお、「どのぐらいの本数の被リンクを獲得すればSEOに効果的なのか?」という問いには、「あくまで競合サイトとの相対評価になるので一概には言えない」という回答になる。 各社がSEO対策している業界なのか、それほど対策されていない業界なのかによって、獲得すべき被リンクの本数は全く変わってくる。 例えば、ドローンの情報サイトを手がけているならば、同様の競合サイトをベンチマークにして、競合サイトが「どのようなところから何本くらい被リンクをもらっているか」を参考にすると良い。 |
被リンクの獲得方法については、「6. 高品質な被リンクを増やす方法」で後述するので見てほしい。
ここまでで「被リンク施策を頑張ってみよう」という前向きな気持ちになったSEO担当者も多いことだろう。
しかしながら、間違った被リンク施策を講じてしまうと、SEO上でマイナスになってしまう危険性があるので注意が必要だ。
施策に力を入れる前に知っておくべきデメリットと注意点を解説するので、必ず読んで、ポイントをしっかり押さえておこう。
被リンク施策で間違いがちなケースとして、「とにかく被リンクを増やせば良い」と思って何でもかんでも増やそうとしてしまうケースがある。
これは逆効果になることがあるから注意してほしい。
被リンクには良いものと悪いものがあり、悪い被リンクを増やしてしまうと、SEOに悪い影響を与えてしまうことがあるのだ。
参考:バズ部「外部リンクとは?SEOに与える影響・注意点・対策方法まで解説」
お金を払ってリンクを貼ってもらう行為や、人気の掲示板に自社コンテンツへのリンクを意図的に書き込むなどの行為はやめよう。
悪い被リンクの具体例については、「7. 気をつけるべき低品質な被リンク一覧」で詳しく後述するので確認してほしい。
被リンク対策で大切なのは「高品質な被リンクを増やすこと」である。
何が言いたいかというと、高品質ではない「無価値な被リンク」をいくら増やしても意味がないということである。
無価値な被リンクを大量に増やしたとしても、SEO効果を得ることはできない。
無価値な被リンクを100個獲得するよりも、高品質な被リンクを1つ1つ獲得することに尽力すべきである。
※高品質な被リンクの定義は、「5. 高品質な被リンクとは何か?良い被リンクの5つの条件」で後述していく。
被リンク対策を行う上での最後の注意点として、「被リンクはSEO施策のほんの一部でしかない」という点を伝えておきたい。
Googleの検索順位を決める要素は200項目以上があるといわれており、被リンクはその中の一つに過ぎない。そのため、被リンクだけを追い求めても、他の要素がおろそかになっていれば上位表示は難しいだろう。
かつては、被リンクを購入したり相互リンクを増やしたりすることで検索結果上位を獲得できる時代があった。しかし、現在は違う。
現在のSEOにおいては、コンテンツそのものの質の高さやE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が重視される傾向にあることを覚えておこう。
このあと、具体的に被リンクを増やすノウハウを提供していくが、「被リンクだけでGoogleの評価を上げられる」とは安易に考えないよう、注意されたい。
ここからは改めて「高品質な被リンクとは何か」について解説していく。
具体的に「どんな被リンク獲得を目指していくべきか」の指針となる高品質な被リンクの条件は以下の5つである。
高品質な被リンクの5つの条件 |
❶ E-E-A-Tが高いWebページからの被リンク ❷ アンカーテキストに重要キーワードを含む被リンク ❸ 関連性が高いWebサイトからの被リンク ❹ 過去にリンクされていないドメインからの被リンク ❺ nofollowではない被リンク |
なお、細かな戦術(どのページに、どんなサイトからの被リンクを獲得していくか)は、それぞれのサイトによって異なるから、社内で十分に議論してほしい。
1つめの条件は「E-E-A-Tが高いWebページからの被リンク」である。
E-E-A-Tは、Googleが定める「検索品質評価ガイドライン(英文PDF)」に登場するGoogle独自の概念であり、以下の頭文字を取った言葉である。
・Experience(経験)
・Expertise(専門性)
・Authoritativeness(権威性)
・Trustworthiness(信頼性)
以前は専門性・権威性・信頼性の3要素「E-A-T」が使われていたが、2022年12月のアップデートから、新しく「経験」が加わって「E-E-A-T」の4要素となった。
E-E-A-TはGoogleがWebサイトを評価する際に重要視する基準であり、4つの要素が兼ね備えられているサイトは「有用で信頼性が高いサイト」と評価される。
被リンクを受ける際にも、E-E-A-Tが高いページからの被リンクは、質が高いリンクと評価される可能性が高い。
例えば、特定分野の専門メディア、特定分野の第一人者のブログ、有資格者の執筆記事、官公庁のサイトなどはE-E-A-Tが高いと考えられる。
そうしたサイトにリンクを張ってもらうことができれば、「有用で信頼性が高いサイトの引用元」として、あなたのコンテンツも評価されるだろう。
※E-E-A-Tについては、バズ部の別記事「Google「E-A-T」とは?専門性・権威性・信頼性の高め方」もぜひ参考にしてほしい。
2つめの条件は「アンカーテキストに重要キーワードを含む被リンク」である。
アンカーテキストとは、リンクを張る文字列(aタグで囲まれた文字列)のことだ。
<a href=”リンク先URL”>アンカーテキスト</a>
アンカーテキストに、重要キーワードを含んでいる被リンクのほうが、質が高いと評価される。
Googleは、そのリンクが、ただ機械的に(リンクリスト的に)設置されたものなのか、それともWebページの文脈上、必要があって設置されたものなのか、アンカーテキストを解釈している。
たとえば「SEO」のトピックで検索上位を獲得したいのであれば、「SEO」の文脈で重要な被リンクだとアンカーテキストからわかる状態が必要となる。
3つめの条件は「関連性が高いWebサイトからの被リンク」である。
被リンクは、自サイトとまったく関連性のないカテゴリのWebサイトよりも、関連性のあるカテゴリのWebサイトのほうが、質が高いと判断される。
友人知人など交友関係をベースとする相互リンクよりも、“赤の他人の同業者”からリンクされたほうがよい、といえる。
4つめの条件は「過去にリンクされていないドメインからの被リンク」である。
たとえば、E-E-A-Tが高い一流メディアの取材を受け、取材記事に自サイトへのリンクが設置されるとする。
同メディアから4回被リンクを受けるのと、4つのメディアから4回被リンクを受けるのでは、後者のほうが質が高くなる。
同じサイトからだけでなく、さまざまなサイトから被リンクをもらえることが重要である。
5つめの条件は「nofollowではない被リンク」である。
「nofollow(ノーフォロー)」とは、リンクを設定するタグ(aタグ)のrel属性として設定できるものだ。
<a href=”リンク先URL”rel=”nofollow”>アンカーテキスト</a>
リンク設定時にnofollowを指定することで、リンク先をクロールさせたくないと表明できるタグである。
公式のGoogle検索セントラルでは、nofollowについて以下のように説明されている。
リンクにその他の適切な値がなく、そのリンクとサイトを関連付けたくない場合、またはリンク先のページをサイトからクロールさせないようにする場合は、nofollow の値を使用します。自サイト内のリンクについては、robots.txt の disallow ルールを使用します。
高品質な被リンクの条件に当てはまるリンクをもらっても、このnofollowの指定がついていると評価に貢献しにくくなる。
リンク元サイトが交渉可能な関係性であれば、直接相談するのも一案だ。
ここからは、SEOに良い影響を与えるような高品質な被リンクをどう増やすか解説していこう。
なお大前提として、高品質な被リンクを増やす最善の方法は、自分から働きかけなくても相手が自然にリンクを設置したくなるコンテンツを作ることである。
それを踏まえた上で、良い被リンクを増やす方法について解説していく。
高品質な被リンクを増やす方法 |
❶ 良質なコンテンツを作る【大原則】 ❷ 一次情報を含んだコンテンツを作る ❸ 参考文献として引用されているコンテンツを作る ❹ 強い感情反応を誘発するコンテンツを作る ❺ E-E-A-Tの高いコンテンツを作る ❻ リンクされやすい仕組みを整える |
6つの方法について、それぞれ詳しく解説していこう。
高品質な被リンクを増やすためには、大原則として良質なコンテンツを作る必要がある。
なぜならば、良いコンテンツ・質が高いコンテンツだからこそ、読者が「他の誰かにも共有したい」という気持ちが生まれ、リンクを張ってくれるからである。
良いコンテンツでなければ、わざわざリンクを張ろうという気持ちにならないだろう。
良質なコンテンツの定義は難しいが、以下のようなものが該当する。
・読んだ人の生活に役立つ正しい知識やノウハウを提供するコンテンツ |
例えば、読んだ後に「役に立った」「知りたい情報が書かれていた」「ニーズを満たすような行動を起こすことができた」コンテンツは良質だといって良いだろう。
ユーザーファーストの立場に立って、ユーザーのためになるコンテンツを作成しよう。
一次情報となるようなコンテンツを作ることで、良質な被リンクを得られる可能性が高くなる。
一次情報とは、自分が最初に発信するオリジナルな情報のことである。言い換えれば、他のどこにも存在しない情報といっても良いだろう。
一次情報の例 |
一次情報は、そこにしか存在しない価値があるデータなので、自然と被リンクを獲得しやすい。
例えば、「最近は恋愛をしたがらない若者が多い」という記事を書く場合に、主張の裏付けとなるデータを引用したいケースを想定しよう。
このケースで、10代・20代に「恋愛をしたいか」というアンケート調査の結果を載せている一次情報サイトがあれば、そうしたサイトを「情報元」として引用し、リンクが張られる。
このようなデータを引用したい人がたくさんいれば、かなりたくさんの被リンクを獲得することができるのだ。
一方、二次情報(一次情報をもとにして書かれた情報)は被リンクを集めにくい。
みなさんは、SEOで上位を獲りたいがために、検索上位ページの情報をごった煮にしたようなコンテンツを作ってはいないだろうか。
これでは、被リンクは期待できない。
ほかのページではなく、自ページにリンクしてもらうためには、インターネット上に存在しないコンテンツを出すしかない。
「その情報へリンクしたいユーザーの選択肢は、自ページしかない状態」を、戦略的に意図して作ろう。
参考文献として引用されるコンテンツを作ることも、被リンクを集める施策として有効である。
価値のある情報には利用価値があるので、かならず繰り返し活用される。それがWebページ上なら「引用」となる。
引用されやすいコンテンツというと、先ほど紹介したような「一次情報」を思い浮かべる方が多いだろう。
しかし、二次情報であっても、
・インフォグラフィックや図解を用いて、直感的に分かりやすいコンテンツ
・他サイトよりも圧倒的に分かりやすくまとめられているコンテンツ
・信頼性や権威性が高い著者が解説しているコンテンツ
のようなものであれば、引用されやすい。
誰かが、あなたのWebサイトと関連性のあるトピックで記事を執筆すると想像してみてほしい。あなたのWebサイトに掲載されているコンテンツは、参考文献として利用価値があるだろうか。
「たくさんの人の参考文献になるほどの専門性」を目指して、コンテンツを作ってみよう。
引用されやすくなるために、サイトポリシーにて引用のガイドラインを定めておくと良い。
「このサイトは著作権で認められた引用も禁止のようだ」と勘違いされる文言があれば削除する。
「当該ページのリンクをしたうえで、引用は自由にしてください」という主旨が伝わるようにリライトしよう。リンクの仕方も条件として指定しておく。
▼ 引用についてのガイドラインの例文
著作権法で定められる引用および以下のルールに従い、当サイトのコンテンツを引用していただくことが可能です。
<a href=”引用元ページのURL”>引用ページのタイトル</a> |
強い感情反応を誘発するコンテンツもまた、被リンクを獲得しやすいコンテンツといえる。
▼ 強い感情反応の例
|
近年、「SEO対策で、検索ユーザーが求める答えを端的に出す」という重要性が叫ばれすぎて、辞書のように無機質なコンテンツが増えている傾向にある。
たとえば、辞書を見て爆笑したり号泣したりする人はいないだろう。
もしあなたが、何かしらの熱い思いを抱いてSEOやコンテンツマーケティングに取り組んでいるのなら、ときおり、その思いをコンテンツからほとばしらせてみよう。
「ユーザーニーズに応えるコンテンツ」という土台を守りつつも、ときに筆がのってきて、自分の伝えたい思いが募ったら、あえてそれをコンテンツに乗せてみる。
あなたの思いが誰かの心を動かし、真に高品質な被リンクが生まれるはずだ。
5-1でも解説した「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が高いコンテンツ」は、被リンクを獲得しやすい。
Experience(経験) | コンテンツを作成した著者の実体験や経験など |
Expertise(専門性) | コンテンツを作成した著者が、その分野について高い専門性を持っているかどうか |
Authoritativeness(権威性) | コンテンツを作成した著者が業界的に権威を持つ存在なのか、またはサイトの権威性があるか |
Trustworthiness(信頼性) | コンテンツの正確性や安全性などが信頼に値するものかどうか |
4つの要素について、それぞれ以下の通り説明していこう。
Experience(経験)が多く含まれているコンテンツは被リンクを得やすい。独自性が高く、そこにしかない情報があるからだ。
例えば、貴重な体験・珍しい体験をした経験談を書いたブログは、一次情報としてリンクされやすい。
被リンクを増やすには、独自の経験談、自分しか体験していない事柄をコンテンツに含むことが有用である。
Expertise(専門性)が高いコンテンツの方が、低いコンテンツよりも被リンクを獲得しやすい。
例えば、SEO知識を書いた似たようなコンテンツが2つあったとすると、著者が明らかになっていない個人ブログよりも、SEO専門会社のコンテンツの方を参考サイトとする人が多いだろう。
Authoritativeness(権威性)が高いコンテンツの方が、被リンクを獲得しやすい。
例えば、業界の権威としてみんなが知っている人物、その分野の第一人者として有名である人物の発信は被リンクを多く獲得することができる。
Trustworthiness(信頼性)の高さも、被リンクを多く獲得することにつながる。
いくら専門性や権威性が高いコンテンツだったとしても、社会通念上で非常識と思える内容であったり、根拠に乏しく論理が破綻しているような内容だった場合、参考リンクとして不適とされ、リンクが張られないだろう。
被リンクを増やすためには、リンクされやすい仕組みを整えることも大切である。
具体的には、シェアボタンやURLコピーボダンを記事の上部や下部に設置するなどの方法がある。
※TwitterやFacebookなどのSNSでシェアされた場合は、リンクに「nofollow」(被リンク効果を与えない設定)が自動的に付与されるため、直接的なSEO効果はない。
しかしながら、「サイテーション」といって、「そのページについての言及があった」という事実はあるため、間接的にSEOに良い影響があると考えられている。
良い被リンクはSEOに良い影響をもたらすが、「低品質な被リンク」を受けてしまうことで逆にSEOにマイナスの影響が出る危険性があるので注意しよう。
低品質な被リンクとは、以下のような「リンクスパム」のことである。
・ランキングを上げることを目的としたリンクの売買。 ・過剰な相互リンク(「リンクする代わりにリンクしてもらう」)や、相互リンクのみを目的としてパートナー ページを作成する ・自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成する ・第三者のコンテンツ所有者に対し、アウトバウンド リンクに修飾属性を適用するかどうか選ぶ権利を与えずに、特定の利用規約や契約、または同様の取り決めの一部として、リンクを義務付ける ・ランキング クレジットをブロックしないテキスト広告またはテキストリンク ・ランキング クレジットを転送するリンク、または他のサイトで配布されている記事、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なアンカー テキスト リンクを含む記事に対して支払いが行われる記事広告やネイティブ広告。 ・質の低いディレクトリやブックマーク サイトのリンク ・さまざまなサイトに配布されるウィジェットに埋め込まれている、大量のキーワードを含む非表示のリンクや低品質のリンク ・さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク ・フォーラムでのコメントにおいて、投稿や署名の中に含まれる作為的なリンク。 |
上記のリンクスパムに該当する被リンクを受けてしまうと、Googleから「このサイトは、リンクをお金で買うなどして検索順位を操作しようとしている」と判断されてしまいかねない。
場合によっては、Googleのガイドライン違反となり、手動ペナルティの対象になる可能性もあるので注意が必要だ。
もし上記のような低品質な被リンクを見つけたら、相手先のサイトへ削除依頼をおこなうか、Googleのリンク否認ツールを使ってリンクを取り除く作業を実施しよう。
具体的な対処方法は、「9. 低品質な被リンクが発見されたときの対処法」を参照してほしい。
ここからは、被リンク対策の実践をレクチャーしていく。
自サイトがどんな被リンクを受けているのか、現状把握からスタートだ。被リンクの調べ方は大きく分けて2つある。
1つめの方法は「 Google Search Console(サーチコンソール)」を使う方法だ。
Search Console管理画面を開き、左側のメニューで[リンク]をクリックすると、外部リンクおよび内部リンクの被リンクリストが表示される。
まずは全体として何件の外部リンクを獲得できているのか、どんなドメインからリンクされているのか、被リンク状況を把握しよう。
[詳細]をクリックして先のページに進むと、具体的にどのURLからリンクされているのか、たどることができる。
外部リンクのデータは、Excel/スプレッドシート/CSVの形式でダウンロードし、より詳しく分析することも可能だ。
2つめの方法は「被リンク分析ツール」を使う方法だ。おすすめできるツールとして「Ahrefs(エイチレフス)」がある。
先ほど紹介したGoogle Search Consoleは、Googleのクローラーが収集したデータに基づく分析だった。
一方、Ahrefsは、被リンク情報を収集するための独自のクローラーを稼働しており、被リンクに特化した優れたデータベースを保有しているのが魅力である。
24時間ごとに約40億のWebページをクロールし、15分ごとに新しいインデックスを更新している。
被リンクに特化したデータ精度や更新スピードという点で、Search Consoleより優位性がある。
▼ Ahrefs画面のイメージ
出典:Ahrefs
Ahrefsは有料ツールだが、そのパワーを体験できる被リンクチェッカー無料版が用意されている。
※有料プランの価格は以下のとおりである(2023年6月現在)。
前述の方法で被リンクをチェックすると、低品質な被リンクが発見されることがある。多いのが、海外サイトからの無差別なスパム被リンクだ。
「低品質なサイトと関連があるサイトと、Googleに勘違いされたら困る」と不安になるかもしれない。
この場合の対応としては、
(1)悪影響を確信しているなら「リンク否認ツール」を使って否認
(2)明らかではないものは、無理に否認しなくてOK
である。
海外サイトからのリンクの中に、重要なリンクが混じっている可能性があるので、全部を削除してしまわないように気をつけよう。
余力があれば、Googleが提供している「サイトへのリンクを否認する」の機能を使うと、否認が可能だ(詳しいやり方はリンク先を参照してほしい)。
簡単に流れだけ紹介すると、
|
という手順となる。
▼ 否認リストをアップロードする画面
ただし余力がなければ、無理してまで否認の作業を行う必要はない。
近年のGoogleは、悪意ある第三者の行為(スパム被リンクなど)によってWebサイトに悪影響が起きないよう、取り組みを進めている。
実際、あるクライアントからは、
「低品質な被リンクを見つけて『これがGoogleの評価が上がらない原因に違いない』と、労力をかけて数千件の否認を行ったが、何も変わらなかった。労力が無駄だった」
という経験談を聞いた。
2020年11月にGoogleのSearch Consoleの仕様が変わった点にも注目したい。Googleは否認ツールの積極的な使用を勧めていない。
以下は否認を進める途中で表示されるメッセージだ。
否認ツールは複雑な機能であるため、慎重に使用する必要があります 使い方を間違えると、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスに影響が及ぶ可能性があります。ご自身のサイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くあり、それが問題を引き起こしていると確信した場合にのみ、バックリンクを否認することをおすすめします。 |
ここまでの話をまとめると、低品質なリンクが問題を引き起こしている確信があり、かつ余力があれば否認の作業を行おう。無理してまで、かならず行うべき作業ではない。
心情的にはネガティブに感じるかもしれないが、Googleが正しく解釈してくれると信用して放置でよい。
本記事では「被リンク」をテーマに解説した。要点を簡単にまとめよう。
被リンクとは別のWebページからされたリンクのことで、被リンクの量と質はSEO上重要である。
▼被リンクがサイトに与える2つのSEO効果
・被リンクが多いサイトは重要なサイトと判断される |
良質な被リンクを獲得することは、SEOに良い影響を与える。
そのため、SEOで上位表示を目指すならば、積極的に被リンクを獲得するための施策をおこなうべきである。
▼高品質な被リンクの5つの条件
❶E-E-A-Tが高いWebページからの被リンク |
一方で、低品質な被リンクはできるだけ獲得しない方が良い。間違っても「リンクスパム」のような低品質な被リンク施策をおこなわないことが重要である。
▼高品質な被リンクを増やす方法
❶【大原則】良質なコンテンツを作る |
この情報を踏まえてコンテンツづくりを続けると、かならず被リンクは結果となってついてくる。さっそく取り組んでみてほしい。
広告に頼り切ったマーケティングの打開策としてコンテンツマーケティングについて調べているけれど、よく分からないと悩んでいませんか?
本書は弊社やクライアント様がコンテンツマーケティングに取り組み
など、コンテンツマーケティングの効果と、具体的な施策内容を全94ページに渡って詳細に解説しているものです。
ぜひ、貴社のWEBマーケティングにもご活用ください。