「将来は高収入の男と結婚して専業主婦になって2000円ランチ♡」とかいう幻想が怖すぎる件

就活あたりから、長いこと疑問に思ってきたことを書いてみます。将来、金持ちの旦那と結婚するために大手商社の一般職として入社、もしくは金持ちがいそうなところに顔を出して、「結婚ゴール」を狙うやり方は通用しないよね、という話です。

結婚した後は、家庭に入って主婦だけでやっていくのは相当厳しくなっていきますから。共働きで家事もちゃんとしてくれる男を見つけた方がいいですよね。

男だけが定年まで働くのは過去のものになるでしょう。

旦那のケツを叩いて働かせるのは無理ゲー

タイトルで書いた生活スタイルが幻想なのは、昨今の日本の労働事情から考えれば明らかです。

昭和から続いていた、男だけがガリガリ働いて昇進しながら給料を上げていき、家族が暮らせるだけのお金を稼ぐスタイルは都市伝説になっていきます。

なぜなら、このやり方は昇進と認定されるポストが存在し得ることで成り立っていたからです。昇進に値するポストがなければ給料は上がらず、家庭を支えるだけのお金を稼ぐのは難しくなります。

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ポストがなくなってるんだから、給料は上がりにくい

現に、歴史ある日本企業の多くは、ポストが足りずに(下が詰まってしまって)、人事制度をどうしようか頭を悩ますところが多く存在しています。

そうした事例は過去にビジネス書で何度も指摘されています。人材コンサルタントの海老原 嗣生さんも「日本で働くのは本当に損なのか」の中で以下のように指摘しています。(太字や色は僕がつけたもの)

現在では、大企業でも課長になれずに係長にとどまり、その結果、年収が職級のレンジ上限(八〇〇~九〇〇万円)で止まる人が多数見られますが、そのことに対して、「契約違反だ」と声を上げる人も少ないでしょう。

日本型年功階段は、明らかに限界に来ているのです。とするならば、一律の昇進は三十五歳ぐらいまででやめ、そこから先は、険しい出世の階段を一生上り続けられる人と、それまでとは違うゆるやかな階段に移る人に分ける

第二の階段に移った人は、給料は低くとどまるけれど、残業がなく、転勤を断る権利があり、ワークライフバランスが充実した生活が送れる。つまり、途中から欧米のノンエリートに移行できる──というように。  

ちょうどこの年代は、育休が明けて仕事か育児か、で悩むころでもあります。勘違いしないでください。何も、女性にだけノンエリートコースへ行け、と言っているのではありません。

男性だって同じように、三十五歳くらいで結論が出て、ノンエリートコースに行く人は出てくるのです。たとえば夫婦のうち、夫がノンエリートコースに行ったならば、彼が育休・短時間勤務コースをとるのもよいでしょう。

旧来の年功型で給料を上げていく仕組みにガタがきていることを指摘し、それ以外の道を提案しているんですね。それが「出世を目指さず、家庭と仕事を両立させる」というもの

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欧米型で夫婦が互いに400万円ずつ稼げばいい

こういった働き方は欧米型で、共働きをして双方が年収400万円くらい稼ぎ、家庭を支えるというやり方です。実態は以下の通り。

年功賃金を途中から欧米型に変えるという変革もできるのではないか、と私は考えています。  

何より、現状の日本型で、八〇〇~九〇〇万円で昇級が止まった人のモチベーション管理に企業は手を焼いています。ここに、自由、自律、ワークライフバランスを盛り込み、新しい働き方を作ることが重要となるはずです

昇給昇格機会を失った人々には、ワークライフバランスという飴が用意されています。死ぬほど働かずに、人生を謳歌する権利を獲得する。

これで余暇も充実するし、家事育児も男女共同参画が可能となります。これは、ノンエリートなら、無理せずに夫婦共働きができる、ということにもなります。

そのため、若年時に毛が生えた賃金であっても、二人分合わせればけっこうな世帯収入となる。

このようなやり方って、今の日本の情勢を考えたら、大いにアリだと思うんです。

男性だけで養うには異常なほど働かなければいけない

これまでの男だけがガリガリ働いていくやり方って、どう考えても大変なんですよね。だって、年収800万円〜クラスになるには異常なほど働かなければいけないんですから。

年功昇給で走り続ける日本人の総合職は、異常なほどの長時間労働になっています。現在、日本のそれは年間千七百時間台に収まり、国際比較ではアメリカやイタリアよりも短いことになっていますが、それは現実を表していません。

このデータにはパートタイマーが含まれているからです。フルタイマーのみにすると、年間労働時間は千九百時間を超え、週間単位にすると四二・六時間となります

こうした事実に加え、最近ではかつて安定とされた大企業によってリストラが敢行されています。

家庭の中で1人だけがお金を稼ぐというスタイルは、危険なんですよ。

日本の企業は、「おじさんたち」を辞めさせたくてたまらない状況にあります。日本でリストラや追い出し部屋の話題になると、そこに現れるのは、決まって熟年層です。

こうした背景があるからこそ、共働きによって、リスクを分散する必要があるんですね。なので、これからは男女が同じ配分で仕事をして家事をする、というスタイルが必要になっていくんです。

これまでの、稼いでくれる男を探すという「結婚ゴール狙い」は非常に危険ということです。

男は稼ぎを気にしなくていいんじゃない?

紹介したように、男性だけが稼いで家事は女性に任せるやり方は過去のものになるでしょう。家庭の中で1人だけが稼ぐなんて危険すぎます。

会社経営に例えたらそうですよね。1つの事業だけで生計を立てている会社はありません。1つに依存してしまうと、それがダメになったとき、会社経営が終わってしまうからです。

なので、複数の事業で会社は経営されています。家庭も同じです。夫の1事業だけに頼るなんて危険すぎます。奥さんも1事業をもって、リスク分散して安定経営を目指していく必要があります

なので、結婚ゴールを狙っていた方はそうした分散型のスタイルを目指してみてください。そっちの方が絶対に安全です。あと、腰掛けで仕事するよりも、意識高く仕事をした方が楽しいはずなので。

ではまた!

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