朝日新聞の夕刊にある10週にわたって週1回の掲載される特集があります。
2018年1月中旬から3月にかけては某経済評論家(経済アナリスト)さんが登場されていました。
(わたし 第二章)
仕事は遊びだ ※ 全文を読むには会員登録が必要なようです。
第1回目の引用です。
この事件が、私の職業観を変えた。何か思い付いたら、とりあえずやって、ダメだったら、謝る。仕事が遊びに変わった瞬間だった。
過去の武勇伝は人それぞれ自由に発信してもらえば良いです。名前の通った方々であれば尚更でしょう。
でも私は今回の特集で、はらわた煮えくりかえりなんです。
この経済評論家さんは以前(8~9年前くらい)に、各種週刊誌で公的年金の不安・破綻を根拠なくあおり、通常は65歳から受け取り始める公的年金がいつ受け取れなくなるかわからないから早く(60歳から)受け取り始めるほうが良いと発信しまくっておられたんです。
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公的年金の仕組みとして「繰上受給」と言います。65歳から受け取る額と同じ額を60歳から受け取れるなら誰もが繰上げがを選びますが、5年早く受け取ると30%(1月あたり0.5%×12月×5年)減額されます。
2017-2018年度の国民年金(基礎年金)の満額は77万9300円/年です。これが30%も減額されたら54万5510円/年です。年間23万3790円も少ない額を一生受け取り続けることになります。受取総額の単純な積み上げだと、76歳以上長生きすれば逆転します。
表現は難しいのですが、60歳時点で明日をも知れない命だったり、どうしても資金の必要な特別な事情があったりした場合はもちろん繰上受給も重要な選択肢です。
でも、統計上は76歳以上長生きする人のほうが多いわけです。3割もの減額が一生続くわけです。
平成28年の
簡易生命表から60歳と76歳の生存数で割合を出すと、男性は60歳から76歳になるまでに約21.1%が亡くなります。反対に言えば約78.9%は76歳以上長生きします。
女性は60歳から76歳になるまでに約9.6%が亡くなります。反対に言えば約90.4%は76歳以上長生きします。
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繰り返します。なぜはらわた煮えくりかえりかと言えば、今回のタイトルが 「仕事は遊びだ」 なんです。
遊びなんですよ。不安をあおって繰上受給を発信したのも遊び。
私の知る限り、この件を大々的に 「とりあえずやって、ダメだったら、謝る」 流れにはなっていないはずです。
週刊誌は男性のほうがよく読まれるでしょうか。2割の方々に役立ったなら結果オーライと言えるかもしれません。
3回目です。私、はらわた煮えくりかえりなんです。
<過去参考記事>
”ちょっと気になる社会保障 増補版”読みました。 公的年金についてマイナスな発言をする人には必ずこの本を勧めてください。
以上、現場からお伝えしました。
ちなみに全10回の内容自体は興味深かったです。ほんと時代を感じます。今ではありえないオンパレードです。
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