これは、週間アスキーに寄稿させていただいた記事の元になった
2月6日の
あの発表があった日に書いていた内容を、数日経過して改めて加筆修正したものを掲載。
【週アスPLUS】
・ソニーが基本的に好きな人が語るVAIOの想い出:デスクトップ編
・ソニーが基本的に好きな人が語るVAIOの想い出:ノートPC編
(文中に私の事をものすごくハードルを上げられてますが、書いてるのは単なるソニーとガンダム好きのおっさんです。)
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●SONYからVAIOがなくなると告げられた日。
「PC事業及びテレビ事業の変革について」 PCを事業譲渡し、モバイル領域はスマートフォン・タブレットに集中 テレビは高付加価値戦略を加速するとともに、より効率的で迅速な事業体制へ
今回の発表を受ける前に、
まことしやかに流れたニュースが、PC事業をレノボとの提携するとか、
日本産業パートナーズとの新会社を設立を検討しているというもので、
確かに、火のないところに煙は立たないというけれど、
いくらなんでも”あのVAIO”がどうにかなるとは思ってもいなかったし、
最悪レノボとの提携するモデルがあっても、
国内では安曇野産のきっと凄いVAIOが開発されていると信じて疑わなかった。
だがしかし、
公式の発表分が出た瞬間、血の気がひいた…。
ソニー㈱から日本産業パートナーズ㈱へPC事業を譲渡する内容とテレビ事業の分社化。
その理由は、SONYとしての経営判断によるもので
モバイル領域ではスマートフォン及びタブレットに集中するためと。
「ソニーでは、PC製品の企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後として事業を収束する予定です。」
「嘘だと言ってよ、ソォニィ!!!!!!!!」
「安曇野にVAIOが隠してある」とくらい言って下さい( ゚д゚ )クワッ!!」
…
…今でこそ、こんな冗談も書けるけれど、
2月6日の発表以降の自分は、脱力して頭が真っ白になっていたのも事実。
週アス編集長の
@ACCNさんに、VAIOに対する想いを寄稿いただけませんか?
と誘いをいただいて、書き始めた夜も、
想いはめぐるもののまるでまとまらなくて、結局出来上がったのは翌日の朝9時。
久しぶりに一睡もできなかった。
なんだろう、漠然とソニーというメーカーがあって、
でもまぁそれぞれ好きなアプローチは違っていて。
最近はXperiaを年にいったい何個買っているのだろう?というくらいに
モバイルガジェットが好きなんだけれど、
もっともっとそれ以前、それはWindows OSを搭載したVAIOの立ち位置だった。
そう、スマートフォンやタブレットが存在しない頃、
今から17年も前になるけれど、僕らの心を掴んだのは、悲しいけど、これVAIOだったのよね…。
今回、VAIOが譲渡される事で騒いでいるのは、
自分を含めたいわゆるソニークラスタ(ソニー好き)と称されるVAIOを好んで使っている人たちだけで、
それ以外の人たちからみれば、よくある経済ニュースの一部にしかすぎなかったり
ちょうどネットで叩くには格好のネタになってたりするのだろう。
一方で、専門のジャーナリストの方々の見方は違っていて
今回のSONYからPC事業部切り離しは、そこまで悲観的に考える事じゃなくて、
新会社となって、将来的には新会社からこそものすごいPCが現れるかもしれないよと
既に次の希望を見出した書き方をしている記事も多く見受けられたのも確か。
・VAIOの技術は残る ソニーモバイルからWindows端末発売の可能性も by 石野純也 週アスPLUS
・【笠原一輝のユビキタス情報局】これは終わりではない、VAIO新時代への幕開けだ - PC Watch
・本田雅一のクロスオーバーデジタル:ソニーから分離で「VAIO」の魂は失われてしまうのか - ITmedia PC USER
だとしても、SONYだからこそ生まれたVAIOじゃないのか?
というクラスタにありがちな偏見かもしれないけれど、
その愛着のあったVAIOについて、一個人の戯言だと自覚しつつ想いを書いてみた。
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●新しいVAIOに心踊らせて待ちわびていた日々。
SONYから初めてVAIOがこの世に登場してから今まで、
ずっと調子が良かったわけでもなく、その時々で浮き沈みはあったにしろ、
VAIOの存在は自分にとっては特別だった。
当時の開発者の熱い想いをわくわくしながら聞いたり、
本体のほんの一部しか写っていない一部の画像をティザー広告で見て心踊らせたり、
発表されるであろうタイミングを見計らって何度もページをリロードしたり、
Sony Styleのオリジナルモデルを手にしたいがために、
トイレに行くのも我慢してパソコン前で心臓をバクバクさせていたり、
手元に届いて開けた瞬間、手にした瞬間に込み上げてくる時の感動だったり、
持っている事を自慢したくて(イナカなので誰も見てない。)、
わざわざ用事もないのに手に持って歩いてみたり。
そうした気持ちを長らく持ち続けさせてくれたのは、
他の製品ではなく、間違いなくSONYの中で作られたVAIOだった。
初めてWindowsを搭載したVAIOは、1997年7月に発売されたデスクトップ型の「PCV-T700MR」。
それまで、小学校のときにMSXでゲームをするか、中学校のときにPC88でゲームする
程度の超ニワカというかミーハー程度の知識しかない自分が手にしたPCがこのVAIO。
当時の価格で50万円もしていて、とんでもなく高かったけれど
PCといえば、まだビジネス用途が主流だった頃に、
あえてテレビチューナーを内蔵していたりMPEG1エンコーダー内蔵するという
AVメーカーとしてのテイストを備えて、
かつグレーとバイオレットのクールなボディデザインに、がっつりと心をつかまれた。
その後継機種でサイズの小さくなった「PCV-S620TV」は、
MPEG2ハードウェアエンコーダーが内臓してテレビを見ながらスキップ再生できたり、
テレビをタイマー録画できたり、明らかにSONYのVAIOだからこその独自路線まっしくらなデスクトップPCだった。
この頃から、ビデオカメラの編集をするならVAIOという認識が広まっていて、
たった数分の動画を作るために、夜通しエンコードさせて完成するのが当たり前で
それでも出来上がった時の喜びは相当大きかった。
この2台のデスクトップVAIOは、今みても個性的なデザインがお気に入りで
発売から10年以上経った後にも、そのケースだけでも生き長らえさせたいと思って、
中身をマザーボードからとっかえて最近まで使っていた事を思い出す。
10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その1)
10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その2)
10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その3)
10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その4)
10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その5)
・10年前のデスクトップVAIOを生き返らせてみる(その6)
本来の使い方からは外れるのだけれど、デスクトップPCの楽しさは、
買った以降も、メモリーやHDDの増設にはじまって、グラフィックボードやCPU換装といった、
自己責任の上においてのカスタマイズというのがあったのも一つで、
あえて自作PC用の使い勝手の良いPCケースではなくて
デザインの気に入ったVAIOの中でいかにどうするか?という別の楽しみを見出してみたり。
セパレートタイプのデスクトップVAIOとして最後の筺体になったVAIO type R masterにいたっては、
BTXマザーボードは変更がききにくいのでそのままに、
SSD RAID化したり、制限のあるボディの中でグラフィックボードや電源を模索したりしつつ
同じく、今はもうなくなってしまった24インチのSONY製のディスプレイを2枚並べて、
今なお仕事用で使い続けていて、まさにこうしてこの記事を書いている。
・45nmプロセスCPUを搭載したVAIO typeR masterのパフォーマンス比較!
・VAIO typeR masterのグラフィックボードを変えてみる(交換作業編)
・VAIO typeR masterのグラフィックボードを変えてみる(ベンチマークテスト編)
・VAIO typeR masterに9600GTのグラボを載せてみる。
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その1)
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その2)
・45nm版デュアルコアと45nm版クアッドコア比較(その3)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その1)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その2)
・VAIO typeR masterをRAID 0設定にして高速化する(その3)
・VAIO typeR masterにグラボ「Radeon HD4870」を載せる!(その1)
・VAIO typeR masterにグラボ「Radeon HD4870」を載せる!(その2)
・VAIO typeR masterにアクティブスピーカー「SRS-Z100」を使う。
・VAIO typeR masterのメインメモリーを8GBにする。
・VAIO typeR masterに、NVIDIA GeForce9800GTX+を載せる。
・VAIO typeRmasterをSSD RAID0化&Windows7化計画(その1)
・VAIO typeRmasterをSSD RAID0化&Windows7化計画(その2)
・VAIO typeRmasterの電源ユニットを、余力のある静音タイプに交換する。
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・いちソニークラスタとしてVAIO譲渡によせて今思うこと。(後編)
に続く。
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