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2012年 08月 08日
確かに、新聞などの「大メディア」の記事を読んで“し・ま・う”と、事実関係の解釈を誤ってしまう傾向が強くなっています。
鳩山以降(菅・野田内閣)になってから、大手マスコミが「ギリギリの調整」とか、判断を引き延ばしているのを「対応に苦慮」しているかのようなカンジに強調している時、結果は「アレ、アレ」となることばかりです。(例えば、菅総理の不信任とか) 60年代の「安保闘争」の後、高度成長時代に国民全体が経済成長が最高の価値観になるとともに、いわゆる「労働運動」などが下火になってきて、「ゼネスト」もセレモニー化してきました。 その頃言われていたのが「労使双方、ギリギリの調整をしている」というものでした。 交渉が深夜までもつれ込み、「交渉が決裂するかもしれない・・・」と外野(組合員やマスコミ)に、そんなムードが漂う早朝になって、労使双方の「痛み分け」みたいに、間を取ったような決着で何十円とかの「賃上げ」が決まる。 労組の代表者も、経営側も、もともとお互いに「落としどころ」は事前に了解して合意ができているケース“ほど”、深夜まで「ギリギリの交渉が続く」というパターンが多かったようです。 これが、我が国の交渉の『お家芸』とも言われていました。 (政治の世界で言えば、自民党と社会党の「プロレス政治」と同じです。)→野党第一党なのに、候補者を絶対に過半数以上出さない代わりに、与党に袖の下を要求していた。 《参考》ザ・ジャーナル「ハマコー死す」ttp://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/08/post_310.html 私は、ここ数日の「大マスコミ」が大騒ぎするほど、自民党が主導権を持っているようにはどうしても見えないのです。 果たして、自民党の中で本気で「即時解散」を望んでいる人間がいるのか、疑問です。(確かに「落選者」が党に対して選挙を早くして欲しいというのは多数でしょうが、これらの人は現実の国会議員の「不信任決議」には全く無関係な勢力なので、これらの人たちがいくら騒いでも、谷垣氏たちがそれを無視できないというほどの影響はありません。) むしろ、小沢さんたちによる「不信任案提出」によって、自民党が「踏み絵」を踏まされたということでしょう。 つまり、「解散を約束しないと出すぞ」というのも「増税法案の成立後」というムシの良い話ができなくなってしまったということで、正確には「出さざるを得なくなった」ということで、むしろ増税仲間だけど対立しているように見せる芝居を小沢さんたちから「化けの皮」を剥がされそうになっているということです。 その民主党ですが、まず「すぐに解散」は絶対にないでしょう。 今日も民主党が「近い将来に」という表現をしたようですが、たった一年前、菅前総理に対する不信任案の否決後の当人の「態度」を見れば、それを受け継ぐ彼らがその後どういう態度に出るかはすぐに分かるでしょう。 まぁ、自民党のメンツを立てながら、解散もしなくて、さらに「増税」も実現するには・・・ まぁ、不信任決議または問責のいずれかを可決させて、自民党のメンツを立てる。 その後、「国会の混乱」を理由に野田総理が辞任。 代表選挙で「増税推進」を打ち出す新代表にバトンタッチして、改めて三党合意をして一気に(新たな)法案を通す。 少々、トリッキーでしょうか(笑) ただ、これらの話とは別に野田首相の言葉で、政治家として疑問符のつく話がありました。 >野田佳彦首相は7日夜、新党「国民の生活が第一」など野党6党が衆院に共同提出した内閣不信任決議案への対応について「粛々と否決するということです」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。 「不信任」されている本人が口にする、まるで、自分の意思で積極的にというニュアンスは、まるで学生レベルです。仮にも政治家としての発言なら、自分がまな板の鯉として「信任と不信任のどちらが正しいのか」を問われている以上、(他の仲間たちによって)「否決していただけるものと信じています。」と言うべきところです。 ・・・政治は、ひとりでやるものでは無いので。 なんか、こういうチョットしたところに、野田氏に限らず菅氏以降の中枢の人たちが、社会を動かす立場としては「不適格」なんじゃないかと感じることが多くなりました。 (少なくとも、自民党政権時代のほうが、こういう「定番」の表現で素人臭い発言はあまりなかったような気がします。) 小沢さんを追い出した人たちに共通するのは、 巧言令色、鮮なし仁。「口先が巧みで、角のない表情をするも のに、誠実な人間はほとんどない」 例え、自民党が自分たちに得なように歩み寄っているようなことを言ってきたからと言って、それに乗っかってバカを見るのは「より愚か」だと評価されてしまうのは間違いありません。 多分、(むしろ同じ手法を取った人間として読めているからでしょうが)小泉前首相が主戦論を言っているというのは、少なくとも「自民党の党利党略」から見て、梯子を外して、一方的に自民党が悪者にされるというのがニオイとして分かるからでしょう。 もともと「三党合意」の段階で、すでに自民党は反故にされている「密約」があるからこそ、今回他の小野党の提出に引きづられる形で、(それを守れと)強い態度に出ざるを得ない。 小沢さんたちの「不信任案提出」によって、三党合意の背景で、自民党が何らかの「鼻薬を嗅がされた」ことは明らかにされました。今回の混乱の最大の成果は現在の民主党が意外に汚いというか「袖の下政治」に戻っていることを明白にしたということが分かっただけでも、私たちにとって非常に有用な出来事と言えるでしょう。 そして、今の民主党と自民党のやり取りは冒頭の「労使交渉」のお芝居レベルであって、そんなに報道(ニュース)としての価値は大きくないと思います。・・・なぜなら、谷垣自民党も本気ですぐに解散して欲しいとは思っていないのだから。ただ、ババを掴まされるのがイヤだというだけです。 野田総理をはじめ、岡田氏や仙谷氏のこれまでのパターンから見ると、不信任というか問責決議が可決して、ひとまず法案が通らなくなったら、きっと「一方的に潰された」と吹聴するのは間違いありません。 まぁ、世間がそれにどれほど耳を傾けるかは分かりませんが。 彼らは「自民党も通したがっている」というのが基本認識なので、きっと矛を収めてくれると「今も」信じているようです。 前半の「近い将来」の、もう少し具体的な内容がニュースになっています。 ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120808-00000042-mai-pol ーーーーー 首相にとって「近い将来」の表現は若干踏み込んだ形だ。城島氏は記者団に「ギリギリのところだ」と語った。民主党幹部は「いつ解散するということじゃない」と指摘。藤村修官房長官も8日午前の記者会見で「(具体的な時期や幅を)念頭に置いているわけではなく、これから詰めていく話だ」と語った。連立を組む国民新党の下地幹郎幹事長も記者団に「衆院の任期満了まで1年を切っている状況からすると、満了も近い将来に入る。解散確約ではない」と話した。 ーーーーー やっぱり、現在の民主党は「任期満了」までというのが大勢のようですね(笑)
by mojo_on
| 2012-08-08 13:26
| 雑談
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