狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

男女平等を家庭に持ちこむのはやめにしないか

以前から感じてた男女平等論への妙な違和感が、なんとなく見えてきた気がする今日この頃。下記の記事を呼んで少々考え込んでしまった。

これを見て一つはっきり感じたのは、「共働きなんだから家事も分担」がいかにおかしい話かということだ。

もう一つ素晴しい記事があったので引用してみる。

主婦が晩ご飯にカレーライスを作って、子供を含む家族がそろってテーブルについて食事するという、何気ない日常の風景の裏には、これと似たような、ものすごいデータの蓄積と、気が遠くなるような情報の断片の収集と、それを一気に短時間で処理するアルゴリズムが動いている。冷蔵庫にある材料の在庫は何か、じゃがいもがないから帰りに買っていかなきゃ、子供の好き嫌いや今日の給食で食べたものは何か、誰かはアレルギーがあるからこれはダメ、自分の仕事が締め切り前だから本当はマクドナルドのテイクアウトで済ませたいけどそれでは亭主が文句を言うだろう、上の子が塾から帰ってくる時間と下のチビがお腹すく時間とのかね合わせからいって夕食はこの時間しかない、その時間に完成しているためには自分は何時から準備を始めなきゃいけない、そのためには仕事をこうやって段取りしてその時間までに自分の手をあけておかないと、子供の送り迎えの時間と重なるのでそれはベビーシッターに頼んで、今日は何時から子供の好きなテレビがあるから宿題は食事前にやらせなきゃ、自分は調理している時間だから両方をいっぺんにやらなきゃ・・・・などなど、膨大な小さな情報の断片を拾って最適化するアルゴリズムが主婦の頭の中では動いている。この作業は大変なエネルギーが必要で、間違った判断をすると、子供や亭主というスーパークレーマーからすぐに文句が出る、というストレスの多い仕事だ。

家事と「グーグルの検索」が似てる件 - Tech Mom from Silicon Valley

そう、そうなんだよ。家事ってけっこう大変どころかかなり知性も技術も要求される仕事なんだよ。

それを「共働きなんだから半分」とか単純に言うなっつーの。お前の仕事いきなり明日から半分人に任せてみろよ、対等な関係で半分こできるかよく考えてみろよと。

あえて言ってしまえば、「家事分担」はもう古いんじゃないか。結局それが一つの仕事である以上、どっちかが主導してどっちかが手伝うという形にならざるを得ない。そんなの平等でもなんでもないだろ。だーからスプーンしまうのそこじゃねえっつーの、ジップロックちゃんと空気抜けって。

というかそんなものを期待してしまうから変な悲劇が起きるんじゃないのか。共働きだろうがなんだろうが主婦ないし主夫はどちらかひとりでいいんじゃないのか。

家庭経営の主軸をどちらかはっきりさせて、その上で必要ならもう一方がどれだけ手伝えるか各々の夫婦がそれぞれ決めればいい話なんじゃないだろうか。

もうね、なんか80年代末だったか90年代の男女平等ブームのせいで何か勘違いしちゃった人が増えすぎた気がする。夫の収入の1/3程度の収入しか無いパートなのに「共働きだから家事分担してね」とかそんな話も聞こえて来る。

男が必死こいて働いてて、血反吐吐いて客に頭下げて、

何日もマッチョに徹夜して、でも、

少しずつ成長していっているって実感がある。。。

そんなとき、嫁さんって

笑顔で応援してくれるもんじゃないのかなあ。

とある夫婦の離婚序章

*1

これを古い性役割と断じる向きもあるようだが、俺はそうは思わない。男女入れ換えたって同じだと思うからだ。

仕事に本気で打ち込んでる相手を笑顔で応援できないどころか、心の問題だとか言いだして足をひっぱるような配偶者なんて邪魔なだけだろ。だったら結婚なんてしないほうがいいんじゃないのか。いや、追記見ると奥さん単に寂しかっただけなんじゃないかという気もするけども。

共働き・家事分担がマッチしてるカップルもいるだろう。それはそれでいい。でも無理してそうする必要は無いんじゃないか。

生涯のパートナーと決めた配偶者を家庭面から支えるという、昔は女性の役割とされてきたものを、男性がやったっていい。逆に昔通り女性がやってもいい。お互いの仕事の忙しい時期にあわせて入れ換えたっていいだろう、可能なら。それは各々の夫婦間で話し合って選択すればいいだけのこと。いまだに「女性の犠牲」だとか言ってる方がよっぽど古い。80年代に帰れ。

こうやって一方を仕事に集中させた方が、国全体としても生産性はあがるのではないか?

むしろ男女共に社会に出て働くという選択を取った結果が労働人口1000万人増なわけでしょ。そりゃ賃金も下がって共働きでも食ってけるか不安だというのも分かる。

女性が社会進出した分、男性を家庭に引っ込ませなきゃならんのではないか。就職氷河期さえなきゃ今頃専業主夫をしてたはずだった俺としては、そう思うのである*2。

そう、男女平等問題はもはや女性に目を向ける時代じゃないんじゃないか。家庭を守る男性にもっと目を向けて、そういう生き方が自由に選択できるように社会を作らなきゃいけないんじゃないのか。

なんでこれだけ男女平等を唱えられ続けてるというのに男性が「経済力無いから」ってフラられなきゃなんねーんだよ! 主夫スキルなら負けねえっつーの(いや俺のことじゃないぞ、俺のことじゃ)。

結局古い性役割に縛られてるのはむしろ女性の方なのかもね。

そこらへんがもっと自由になれば、男性も女性も性役割に囚われたり家事分担のお題目に囚われたりせず、パートナーに支えられながら幸せに自己実現のために仕事に集中しつつも子供を育めるんじゃないのか。無理して仕事して甲斐性無し扱いされる男性も減るんじゃないのか。

双方自己実現志向なら結婚なんてしないで恋人のままのほうがいいのかなとも思ったりするけどね。

確かにまだ男性に家事をさせることに罪悪感を覚えるような人もいたりするようだし、ほんの20年ほど前に俺が祖父の酒のつまみを作ってたら母親が「男にさせる仕事じゃない」と叱責されたなんて事もあった*3。

でも今は俺が客に紅茶やコーヒーを淹れてても誰も不思議に思わなくなった。普通に「ごはん作って」なんて女性から頼まれることもある。主婦に簡単料理を教えることもある。ごくまれにお年寄りが申しわけなさそうにしてたり、手作りのお菓子まで出したりすると変な顔されたりもするけどね。

制度的にも社会的にも充分女性が働ける状況はできつつある。子育ては男性に任せて稼ぎに出れば保育園が足りない問題だって解決するんじゃないのか? 雇用問題だって主夫になる男性が増えればある程度解決できるんじゃないのか? 「奥さんに十分な収入がある」ならそれで男性と子供を養う覚悟ができてる女性はどれだけいるんだ?

本当に男女平等を目指すなら、もっともっと「主夫」を応援する運動が起きなきゃいけないんじゃないだろうか。

いや、これにはまた違った問題をはらんでる気もするのだけども。自己実現をサポートしてくれる配偶者に恵まれた人と恵まれなかった人との格差がすごいことになりそうな……。そしてサポートしてくれるタイプの、特に女性に人気が集まりすぎてひどいことになりそうな……。

*1:他の書き込みで就業時間が10時〜エンドレスって書いてあったからブラック企業扱いされてるようだけど、ベンチャーとかなら普通じゃねえのかな?

*2:このとき専業主夫にならなかったおかげで今むちゃくちゃおもしろい仕事をさせてもらえてるのだから、かえって良かったのではあるけどね

*3:いや、単に自分の趣味なだけなんだけどね

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <[email protected]>