学研全訳古語辞典 |
あらが・ふ 【争ふ・諍ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
言い争う。反論する。否定する。
出典徒然草 七三
「わがため面目(めんぼく)あるやうに言はれぬる虚言(そらごと)は、人いたくあらがはず」
[訳] 自分のために名誉であるようなふうに言われたうそに対しては、(その)人自身はそんなには否定しない。
②
(かけごとなどで)張り合う。
出典枕草子 職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「言ひ初(そ)めてむ事はとて、固うあらがひつ」
[訳] (一度)言い出したようなことは(取り消すまい)と思って、がんこに張り合った。
あらそ・ふ 【争ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
張り合う。争う。
出典方丈記
「棟を並べ甍(いらか)をあらそへる」
[訳] 棟を並べ、屋根の高さを張り合っている。
②
さからう。抵抗する。
出典万葉集 一八六九
「春雨にあらそひかねて」
[訳] 春雨にさからいかねて。
③
言い争う。議論する。
出典徒然草 二一
「『露こそあはれなれ』とあらそひしこそ」
[訳] 「露の方がしみじみとした趣がある」と言い争ったのは。
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